【京都国立博物館】2017年国宝展①【ぶらぶら美術館】

ぶらぶら美術・博物館

2017年11月17日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館スペシャル」の【#252 秋の京都で国宝ざんまい!~風神雷神図屏風に雪舟…奇跡の「国宝展」と東山の名庭~】の回をまとめました。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

スポンサーリンク

開館120周年記念 特別展覧会 国宝

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

今回の記事では、2017年に京都国立博物館で開催された『開館120周年記念 特別展覧会 国宝』についてまとめていきます。
2017年の放送当時、美術工芸品として国宝に指定されていたのは885件でしたが、この展覧会ではその4分の1にあたる210件が集められました。

すごい豪華な展覧会ですね!生で見たかったです。。。

国宝《火焔型土器》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

先ず最初に取り上げるのが、誰もが一度は教科書で見た事ある縄文土器の代表格国宝火焔型土器》です。
今から約4,000年~5,000年前に作られたもので、縄文土器の中でも”最高峰”と呼ばれるものになります。

縁の部分の装飾などが、燃えたぎる火のように見える事から”火焔型”と呼ばれています。
全体の装飾も、非常に細かく丁寧に作り込まれています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

子どもの頃、縄文土器というのは”土器に縄の模様が付いている”ので「縄文」だ、と習った方も多いと思います。
しかしこの火焔型土器》には縄の模様は見られません

じつは縄文時代は非常に場楽、約1万年ほどあり、その時代の中で作られたので”縄文土器”に分類されるのです。
火焔型土器》は縄文時代中期に作られたものになります。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

出土したのは新潟県の十日町、信濃川の流域です。
この地域では同様の土器が複数見つかっています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

出土した土器のほとんどは、どこかしらが無くなっていたり、かけていたりするのが普通です。
しかしこちらの《火焔型土器》は、残存率が95%もあるのです。
底の部分が一部無くなっている以外、ほとんど縄文時代の時のままなのです。

ところでこの土器は実際に使われていたの?

こちらの《火焔型土器》には使用の痕跡はありませんが、出土した同様の火焔型土器からは煮炊きの痕跡が見つかっています

使いづらそうだし、洗いづらそうですが(笑)

縄文時代の人々の感性の豊かさ心の豊かさが分かる作品です。

土偶(縄文のビーナス)

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

縄文のビーナス」と呼ばれる、こちらも教科書で見た事のある土偶です。
土偶は、その多くが女性をモチーフに作られているといいます。
お腹の部分を見ますと、妊娠しているように表現されているのが分かります。

この縄文のビーナスは発見時こそ足の部分が取れていましたが、それ以外の部分は残されていました。
何か祭司的な意味合いのあるものだったと考えられます。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この土偶と似たようなものが幾つか出土していますが、その中でも一番完成度が高い点から、同時代の標準形になった土偶と考えられています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

後方の突き出た臀部が非常に特徴的です。
ツヤがあるのが分かりますが、これは磨きによるものだそう。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

全体的にラメのようなキラキラしたものが見えますが、これは金雲母(きんうんも)と呼ばれるもので、中部高地の八ヶ岳を中心とした地域の土に見られます。
縄文人はこの上質な土を意図的に選んで、土偶に用いたとされています。

子どもの頃、「縄文時代は狩猟採集生活で各地を転々としており、弥生時代になり稲作の発達と共に定住するようになった」と習った方も多いと思いますが、
しかし最近では、採取したものをため込む事をしていたと考えられ、縄文時代から定住していたと言われています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この土偶の頭部に渦のようなグルグル模様が見えます。
こちらは帽子のようなものを被っている、あるいは髪を結っているとも言われ、専門家の間でもはっきりと分かっていません。

土偶

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

続いてはこちらの縄文時代後期に作られた土偶です。
先ほどの女性の形をした土偶と比べると、かなり不思議なフォルムのように感じられます。

この土偶は色々と不思議な所があると言います。
頭部は仮面を被っているように表されているので、”仮面の女神”とも呼ばれます。

先ほどの”縄文のビーナス”と比べると、胸の部分の強調はありませんが、おへその所が突き出ています
足の部分も随分と太く表現されていますが、中は空洞になっており、縄文時代の高度な技術が伺えます。
お尻を強調する代わりに、足の太さを強調したと考えられています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらの頭部の三角形がとにかく異様な雰囲気を醸し出しています。
この部分の意味もよく分かっていません。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

先ほどの”縄文のビーナス”と非常に近い所で出土していますが、時代が違うと表現も随分と変わってくることが分かります。

縄文土器や土偶の楽しみ方

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この”仮面の女神”の土偶を「宇宙人を表現している」と考える人もいます。

事実、当時の資料が残っている訳ではないので、縄文土器や土偶には分からないことが非常に多いのです。
ですので逆に言えば、「自由に想像するする楽しみ」があるとも言えるのです。

今回の記事は以上になります。
続くパート2では、国宝第一号に指定された《普賢菩薩像》についてまとめていきます。
こちら☚からご覧頂けます。

コメント

  1. […] 今回の記事はパート2になります。 前回のパート1はこちら☚からご覧ください。 […]

タイトルとURLをコピーしました