2023年12月17日にNHKにて放送された「日曜美術館」の【永遠なるサグラダ・ファミリア 〜“神の建築家”アントニ・ガウディ〜】の回をまとめました。
番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
今回の記事はパート3になります。
前回のパート2の記事はこちらから☟☟
【日曜美術館】サグラダ・ファミリア②【美術番組まとめ】
サグラダ・ファミリア建設の再開
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
サグラダ・ファミリアは全てが完成すると、18の塔を擁する建物になります。
それらはイエスやマリアなど聖書にまつわる人物に捧げられたものです。
ガウディの建築計画は前例のない壮大なものとなりました。
その完成は時代を超えて、未来の人の手へと委ねられました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
塔の頂上には何やらカラフルな装飾が施されています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
この先端を飾るシンボルは「鐘塔頂花(しょうとうちょうか)」と呼ばれるものです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
『ガウディとサグラダ・ファミリア展』ではその鐘塔頂花の模型も展示されています。
この不思議な造形はいったい何を表しているのでしょう?
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
これは司教が手にしている杖からインスピレーションを受けているといわれています。
ガウディが亡くなった後の解釈では次のようになっています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
一番上の部分は王冠(司教冠)を表しています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
真ん中にある穴は司教がはめている指輪(司教指輪)だと考えられています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
そして全体に曲がりくねった形が杖(司教杖)を表してると考えられています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディはこの鐘塔頂花を「バルセロナの歓迎のシンボルにしたい」と考えていました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディが生きている間に完成した塔は聖堂の東側にある一つだけです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
しかしその完成から7か月後の1926年6月、ガウディは電車に轢かれる事故にあいます。
そして事故から3日後にこの世を去るのです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
晩年のガウディは弟子たちに向けて次のような言葉をかけていたといいます。
「諸君、明日はもっといい仕事をしよう」
ガウディの死後
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディが亡くなってから10年後の1936年、スペイン内戦が起こります。
これによりガウディが遺した貴重なサグラダ・ファミリアの図面や模型が焼失してしまいます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
バラバラになった破片は6万点以上に及びましたが、ガウディの遺志を継ぐ職人たちによって修復作業が行われました。
サグラダ・ファミリアの建設を進める上で、これら模型を修復することはガウディの図面を再現していくことになるのです。
『歌う天使たち』
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
サグラダ・ファミリアの彫刻を手掛ける職人の中に一人の日本人がいます。
外尾悦郎(そとお えつろう)さんです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
教会の東側に『降誕の正面』と呼ばれる場所があります。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ここではイエス・キリストの生誕から青年期までの物語が彫刻で表されています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
幼子イエスとマリアの上の場所に、外尾さんが手掛けた天使たちの彫刻があります。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
『ガウディとサグラダ・ファミリア展』ではその『歌う天使たち』の石膏像を見ることができました。
この石膏像が展示されるのは世界初です。
この石膏像で最初にデザインを決めた後、外尾さんは石で『歌う天使たち』を彫り始めました。
展示されている石膏像は本来の石の彫刻が完成するまでの10年間、実際にサグラダ・ファミリアに置かれていたものになります。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
天使たちはとても優しい表情をしています。
歌を歌っているかのような口元の表現も見事です。
軽やかな歌声が聞こえてきそうですね!
近年新たに完成した塔
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
2021年12月。時はコロナ禍の真っ只中。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
45年ぶりに新しい塔、『マリアの塔』が完成しました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
塔の先端には輝く星が置かれています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
2022年12月にはさらに2つの塔がお目見えしました。
イエスの教えを広めた福音史家の塔です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
一つは『ルカの塔』。
翼の生えた牛を冠しています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
もう一つは『マルコの塔』。こちらはライオンのシンボルです。
これらの動物が手にしている福音書は幸福を得るための書物です。
”幸福が翼に乗って全世界の人々に届きますように”
この塔にはそんな願いが込められています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
「他者と平和に暮らすこと」
サグラダ・ファミリア聖堂の主任建築家のジョルディ・ファウリ氏はガウディがサグラダ・ファミリアを通じて伝えたかったことをこのように話しています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
まさに今の時代に必要な言葉なのかもしれません。
今回の記事はここまでになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。