【アートシーン】 マリー・ローランサン ― 時代をうつす眼

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2023年12月24日にNHKで放送された「日曜美術館アートシーン」の展覧会紹介の内容をまとめました。

*画像出展元:テレビ番組「日曜美術館 アートシーン」より

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マリー・ローランサン ― 時代をうつす眼(アーティゾン美術館)

思い思いに愛らしいポーズをとる女性たち。

パステルカラーの女性像といえば、フランス出身の画家マリー・ローランサンの代名詞です。

淡い色彩で幻想的な肖像画を描き続けたローランサン
その軌跡をたどる展覧会です。

二十歳の時の自画像です。

女性画家がごくまれだった時代。
不確かな将来を案じていたのか、不安そうな表情です。

パリにある画塾で学んだローランサン
ジョルジュ・ブラックピカソなどと出会います。

当時の作品にはその影響が色濃く表れています。
単純化したフォルムで表現された女性たち。

ローランサンはこの作品で、新進気鋭のキュビスムの画家として注目されます。

その後は独自の表現を模索し始めます。
この女性像は繊細な筆致で物憂げな表情を捉えました。

この作品を発表した1914年。
ドイツ人との結婚を機にキュビスムの潮流から距離を置くことになります。

その理由は第一次世界大戦の勃発でした。
フランスとドイツは敵国となり、ローランサンは国外への亡命を余儀なくされたのです。

終戦から3年後。
パリに戻り、再び女性たちの肖像画を描き始めます。

キュビスムの影響は影を潜め、パステルカラーを基調にした独自の画風を確立しました。

ローランサンの作品はパリの人々の心を掴みます。
富裕層の女性たちからの肖像画の依頼が相次ぎました。

亡くなる2年前、70歳の頃に発表した大作。
淡い色調に鮮やかな原色を加え、生き生きとした印象の作品になっています。

優美な女性の姿を追い求めたローランサン
その集大成ともいえる作品です。

東京・中央区のアーティゾン美術館で2024年3月3日まで開催されています。

今回の記事はここまでになります。

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