【日曜美術館】日本絵画傑作15選パート4【美術番組まとめ】

日曜美術館

2020年6月14日にNHKで放送された「日曜美術館」の【蔵出し!日本絵画傑作15選 二の巻】の回をまとめました。
今回の記事はパート4になります。
前回のパート3はこちら☚からご覧いただけます。

番組内容に沿って、+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

今回は雪舟国宝山水長巻》、そして狩野永徳の《唐獅子図屏風》についてまとめていきます。

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国宝《山水長巻》

山口県山口市。
室町時代にこの地を支配していた大名・大内氏が京都を模した文化都市を造りました。

その地に招かれた絵師が、あの雪舟(1420-1506)です。
雪舟は初めて絵師として中国に留学し、高い技術を会得しました。


国宝《山水長巻》
室町時代15世紀
雪舟
山口県、毛利博物館蔵

「蔵出し!傑作選」の7作目は国宝の《山水長巻(さんすいちょうかん)》です。
雪舟の個性が刻まれた風景画です。
主君である大内氏への贈り物として描いた絵巻で、全て広げると全長約16メートルにも及びます。

描いた当時の雪舟の年齢は67歳。
雪舟芸術の中でも最高傑作といわれる作品です。

山水長巻》で描かれているのは中国・明の風景といわれています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

鑑賞者は描かれた人物となり絵の中を散策するのです。

ただ単に中国の景色を描いたのではなく、そこにちゃんと雪舟の個性が入っているのが大きな特徴です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

画家の横尾忠則氏はこの《山水長巻》には男性的な部分と女性的な部分が見られるといいます。
岩山のゴツゴツした所は男性的な印象を受けますが、一方家々の屋根などは非常にやわらかい線が見られます。

そういった荒い部分と緻密な部分が絶妙なバランスで共存しているといいます。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

こちらでは水辺の慎ましい暮らしが描かれている一方で、堅牢な城壁に囲まれた都会の様子も描かれています。
あらゆる対比が絶妙なのです。

また美術家の森村泰昌氏は、この作品からスピード感を感じられるといいます。
それはまるで現代でいう”新幹線の窓から見える風景”に近いと。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

例えばこの”松”はきっちりと描くのではなく、流れるように描いています
動きのある枝にはスピード感が感じられます。

水墨画というと白黒のイメージがありますが、この《山水長巻》では所々色が使われているのもポイントです。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

松の葉には緑色、花には朱色が使われています。

絵巻物という事で、視線を動かしながら鑑賞していくものですが、このように所々に小さなアクセントがあり、視線が引き寄せられるようになっています。

《唐獅子図屏風》狩野永徳


《唐獅子図屏風》
狩野永徳
宮内庁三の丸尚蔵館蔵

「蔵出し!傑作選」の8作目は誰もが一度は教科書などで見た事のあるこちらの作品です。
こちらの《唐獅子図屏風》は、狩野派の4代目の狩野永徳(1543-1590)が天下人豊臣秀吉のために描きました。

驚かされるのは先ずその大きさです。
縦が2メートル30センチ、横が4メートル50センチ。

僕も生で一度見た事がありますが、本当に迫力がありましたよ。

絵師集団の狩野派はあの雪舟を師と仰いでいました
その4代目にして天才と謳われたのが狩野永徳です。

《唐獅子図屏風》は”国宝”ではない?!

ちなみにこの《唐獅子図屏風》、国宝ではありません
あの有名な狩野永徳の代表作が国宝ではない、というのは驚きですが実はちゃんと理由があります

それはこの作品の所蔵元です。
三の丸尚蔵館に所蔵されていますが、こちらの所蔵品は皇室の私有品で宮内庁の管轄になっているのです。

皇室所有の文化財の事を「御物(ぎょぶつ)」といいますが、これらは国宝・重文の保護対象になっていないのです。

もし一般の美術館が所蔵していたなら、間違いなく国宝でしょうね!

ポイント①筆致の少なさ

画家の山口晃氏がこの作品の魅力を3つのポイントで解説しました。
その一つ目は、これだけの大画面にもかかわらず”筆致が少ない”という点です。

縦が2メートル30センチ、横が4メートル50センチの巨大な画面の作品です。
普通絵師はこのような大画面だと、必要以上に「描いてしまう」といいます。

しかし永徳はそれをあえて、「描かない、少ない筆致で表現している」といいます。

ポイント②対立する表現

この作品では”迫力”と”落ち着き”といった相反する表現が、巧みに画面の中で共存しているといいます。


この小さい方の獅子は後ろ足は踏ん張っていますが、前足は動きが感じられます。
静と動の2つが一つのポーズの中で表わされて、実際には起こらない時間がここで描かれています。

ポイント③権力者の空間を演出


2匹の獅子はガッと目を見開いていますが、その視線はどこも見ていません。
これによりある種の八方睨み性が生まれます

そしてこの屏風が権力者の背後に飾られる事で、その場にいる人たちに全員に視線が向けられているような効果を発揮するといいます

この《唐獅子図屏風》には永徳卓越した筆さばきと巧妙な計算が仕掛けられていたのです。

今回の記事はここまでです。
続くパート5ではそんな永徳のライバルである長谷川等伯の《松林図屏風》、そして奇想の画家・岩佐又兵衛の《洛中洛外図屏風》についてまとめていきます。
*現在記事作成中です。

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