2025年1月21日にテレビ東京で放送された「開運!なんでも鑑定団」の【太古の造形美 土偶】についてまとめました。
番組内容に沿って、それでけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
*画像出展元:テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」より
謎だらけ!土偶誕生物語
奇妙な造形にユーモラスな表情。
バンザイしたり、しゃがんだり。
ポーズもさまざま。
土偶は縄文時代に作られた素焼きの人形(ひとがた)である。
縄文時代が始まったのはおよそ1万5千年前。
人々は複数の竪穴式住居からなる集落に暮らしていた。
しかし土偶が何を目的に作られたのか、実は今なお判然としない。
後の古墳時代に作られた埴輪は、墓からのみ出土し、副葬品であるとわかるのに対し、
土偶は住居跡や貝塚など、さまざまな場所から出土。
また形状も千差万別だからである。
しかし、その謎めいた神秘性がかえって現代の人々を引きつけるのであろう。
太古の造形美 土偶
こちらは1万3千年ほど前に作られた日本最古級の土偶で、高さはわずか3.1cm。
胴体のみの簡素な作りだが、強調された胸の膨らみから女性であることがわかる。
縄文中期になると、明らかに人の形とわかるものが出現。
見事な曲線美から『縄文のビーナス』と名付けられたこの土偶は、腹が大きくせり出し、妊娠していることを示している。
実は土偶のほとんどは女性で、しかも妊婦を象ったものが多い。
大きく膨らんだ胸や、妊娠中にあらわれる正中線(せいちゅうせん)などでそれとわかる。
これは命を生み出す母を神聖な存在として崇敬し、安産と子孫繁栄を願ったのであろう。
土偶の中には意図的に頭や手足を割ったものも存在する。
その破片を大地にまくことで、命の再生を願った。
あるいは、体の具合が悪い箇所を土偶を身代わりにして壊すことで、その治癒を願ったのではないかと考えられている。
逆三角形の奇妙な仮面をつけた土偶、通称『仮面の女神』。
長野県茅野市の墓石から出土したものだが、右足が外れた状態で発見された。
時代を経ると、土偶のバリエーションは驚くほど増えていく。
例えば、頭が山のような三角形の『山形土偶』。
大きな丸い目と口が特徴の『みみずく土偶』。
最も有名なのは『遮光器土偶』であろう。
縄文時代晩期に東北地方で盛んに作られたものである。
顔の大部分を占める目が、イヌイットが雪原で付けるゴーグルに似ていることからその名がつけられた。
呪術的な力を高めるためか、複雑な文様が施されている。
中には彩色されたものも。
長年、土偶は数寄者の間で収集されてきたが、あくまで考古物として位置づけられ、美術的観点から論じられることはあまりなかった。
しかし1989年。海外の展覧会で披露され、土偶に対する評価が変わる。
「まるでピカソのようだ」と大きく注目され、国内でも再評価の気運が高まった。
そして6年後、『縄文のビーナス』が、縄文遺物として初めて国宝に指定された。
現在では計5体が国宝に指定されている。
今回の依頼品はいずれも偽物であり、1体あたりの金額は1000円。
もし完全な状態で本物の土偶であった場合は、1000万円を超えます。
円山応挙の掛け軸
こちらの依頼品は印刷であり、元の絵が応挙でもない。
応挙の描く虎とはまったく違う。
応挙の虎というのは、目が猫の目なんですね。
猫の目は縦に光が当たると細くなるが、依頼品はちゃんとした虎の目になっている。
今回の記事はここまでになります。