【アートシーン】長沢蘆雪展/光琳派展

その他美術番組

2026年4月26日にNHKで放送された「日曜美術館アートシーン」の展覧会紹介の内容をまとめました。

*画像出展元:テレビ番組「日曜美術館 アートシーン」より

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春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪 (府中市美術館)

胸が締め付けられるほどの愛くるしさ。

江戸中期、円山応挙の門人として活躍し、独自の画風を築いた長沢蘆雪

東京では64年振りとなる展覧会が東京の府中市美術館で開かれています。

写生を全面に打ち出し、京都画壇に君臨した円山応挙
そしてその弟子長沢蘆雪

こちらは円山応挙の描いた《鯉図》。
円山応挙は精緻な美しさと立体感、気品に満ちた絵で人気を博しました。

一方、こちらは長沢蘆雪の《鯉図》。

2つの《鯉図》は蘆雪がいかに応挙に学んだかを物語ります。

微妙な濃淡による波紋。
水の中をゆったりと泳ぐ姿。
蘆雪応挙に肩を並べるほどの画力を備えていました。

蘆雪ならではの眼差しと構成力は、師・応挙をしのぐとまで言われることも。

この猿は何を考えているのでしょう?
蘆雪の筆からは命あるものへの慈しみが広がります。

今回初めて一般に公開された《唐子遊図襖(からこあそびずふすま)》。
愛くるしい場面が10メートルにわたり展開します。

我先に岩へ上ろうと集まる子どもたちから始まり…

その先には岩の突端に座っる少年。
その視線の先には子犬たちがいます。

さらに進むと子どもが犬を連れていますが、その様子はどう見ても嫌がっているようです。

「子犬が子どもたちに引きずられて、インターネットで”引きずられ犬”というあだ名まで付きましたけど。多分これ大人がやる闘犬の真似事をしようとしたんでしょうね。そういう子犬を使った闘犬ごっと遊びみたいな場面なんだと思います。」(府中市美術館学芸員 金子信久氏)

「子犬の可愛らしさと、そうやって遊ぶ子どもたちの可愛らしさの両方ですね。応挙や蘆雪が出てくるまでは、やっぱり浮世絵をのぞけば、いわゆる”かわいい”っていうものを純粋に打ち出したような絵というのは非常に少ないですよね」(金子信久氏)

「応挙・蘆雪が現れて、同じ動物でももっと本物をよく見て、その中の可愛らしさをちゃんと見出して描くとか、それから子犬も本物っぽいんだけども、さらにかわいらしさを加えた演出で描くとか、そういう絵の表現が生まれたってことが大事なんだと思いますね」(金子信久氏)

さらに東京では通常見ることができない傑作がもう一つ。
和歌山県無量寺に残された《龍虎図襖》。

天を駆け、雨や水をあやつる竜。
勢いを感じさせる筆から描き出された、目を見開く竜の迫力。

虎は後ろ足をしっかりと踏ん張っています。

そして見る者を睨みつけるようにゆっくりと迫ります。

「やっぱり今でいうイケメンですよね。すごくかっこいい整ったね、ハンサムな虎ですよね。迫力っていうことがすごく今まで言われてきましたけど、皆さんが感じてきたのは、かっこいいし迫力があるけど、”何かかわいいよね”っていうことですよね」(金子信久氏)

「強いて例えれば、今の私たちが思うマンガ的な表現ですよね。蘆雪の絵と応挙の絵を比べてみると、蘆雪はものすごく線がくっきりしていて、応挙的な立体感をもっとこう分かりやすく線で際立たせた、そういう表現に特徴はあると思う」(金子信久氏)

「だから目にしても、このマズルっていうんですか。口のこうちょっと飛び出した所のくっきりした可愛らしさ。あれを見てやっぱり『現代のマンガみたいだな』って思えるのは、そういうベースに応挙的な写実があり、それをより際立たせたくっきり感というそういうプロセスが、2人の間でのプロセスがあったんじゃないかなって気がしますね」(金子信久氏)

長沢蘆雪展は東京の府中市美術館で2026年5月10日まで開催されています。

開館85周年記念特別展 光琳派 国宝「燕子花図」と尾形光琳のフォロワーたち(根津美術館)

尾形光琳が40代半ばで描いた、国宝《燕子花図屏風》
日本美術を代表する作品の一つです。

尾形光琳は江戸中期の京都で琳派を大成した画家。
その周辺には光琳を慕う、光琳派の絵師たちがいました。

その画業を紹介する展覧会が根津美術館で開かれています。

渡辺始興は陶芸家・尾形乾山(光琳の弟)の焼き物の絵付けを出発点として光琳に師事。
その制作を助けるまでになります。

光琳の《燕子花図屏風》を踏襲しながら、花の構造を明瞭に描き出しています。
写生に秀でた始興のスタイルは、のちの応挙にも影響を与えました

深江芦舟の《蔦の細道図屏風》。
描かれているのは伊勢物語の第九段。

主人公が東国へ下る途中、修行僧に女への歌を託す場面。

その色彩構成に俵屋宗達への深い理解が伺えます

深江芦舟は晩年の光琳に学び、宗達に傾倒しながらも、独自の様式を生み出しました。

この展覧会は東京・港区の根津美術館で2026年5月10日まで開催です。

今回記事は以上になります。

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