【日曜美術館】ベリー侯のいとも豪華なる時祷書②【美術番組まとめ】

日曜美術館

2020年5月3日にNHKで放送された「日曜美術館」の【世界で一番美しい本 ベリー侯のいとも豪華なる時祷(とう)書】の回をまとめました。
こちらの記事はパート2です。
前回のパート1はこちら☚からご覧いただけます。

番組内容に沿って、+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

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6月/ベリー公のいとも豪華なる時祷書


画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

ベリー公のいとも豪華なる時祷書》の挿絵の隣にはその月のカレンダーが記されています
一番左に日付が書かれて、その横にキリスト教の祝祭日が細かく書かれています。

この6月の月には、洗礼者聖ヨハネの誕生を祝う日が分かるようになっています。


《ベリー公のいとも豪華なる時祷書》
6月

神が定めた時間はその時期の農作業の目安になりました。
夏至に近い「聖ヨハネ」の日が来れば、それが夏草の刈り入れの合図となったのです。
挿絵にはその月の一番大事な農作業が描かれました。

画面手前には刈り取った夏草を集める女性の姿が見えます。
男性らは画面奥、同じ体制で鎌を振っています。

後方の城はパリの中心のシテ島にあった王宮です。
右側のてっぺんに十字架のある建物は、サント・シャペルという王の礼拝堂です。

王宮の中にも菜園の緑が広がっているのが分かります。
農民たちも王侯貴族も、初夏の緑に親しんでいたのです。

7月/ベリー公のいとも豪華なる時祷書


《ベリー公のいとも豪華なる時祷書》
7月

夏の盛りの7月、農民たちの暮らしはますます忙しくなります。

描かれているのは城のすぐ横の麦畑と牧草地です。
その間を小さな川が流れます。
川には白鳥の姿が見えます。

麦畑では小麦の収穫が、牧草地では羊の毛刈りが行われています。
来年はこの麦畑はお休みで、羊がその草を食べて土地の力を回復させます。
自然の力で大地を守る知恵でした。

8月/ベリー公のいとも豪華なる時祷書


《ベリー公のいとも豪華なる時祷書》
8月

8月は先月、先々月とは変わり貴族の姿が描かれています。
彼らは鷹狩りに出かけるところです。

鷹狩りはかつては王侯貴族にだけ許された夏の娯楽でした。
先導する男性は長い竿を使って、茂みから動物を追い立てる役割です。

意気揚々と森へ出かけるこの挿絵には、じつは別の読み解きもあります。
それは男女の愛を表すものです。

タカは男性を表し、毛の長い犬は女性を表しています。
これは開放的な夏に日に、森に出かけ仲睦まじく過ごす喜びも意味しているのです。

この時代、「愛」は五感を満たすものとされていました。
描かれている貴族が5人なのは、それも暗示しているのです。


画面の奥では作業を終えた農民たちが池に飛び込んでいたり、水辺で涼んでいます。

「世界で一番美しい本」の色の秘密

世界で一番美しい本」の色鮮やかな挿絵。
その美しさの由縁は、絵の具の材料にありました。
随所に使われている鮮やかな青色は、中近東から運ばれたラピスラズリという鉱石が使われています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

ではこの《ベリー公のいとも豪華なる時祷書》はどのように作られたのでしょうか。
先ず元となる鉱石を砕いて、絵の具を作ります。
そしてその絵具で直接色を置いていきます。
一度乾いてしまうと塗り直しができない、慎重さの求められる作業で当時の最高の技術が求められました。

さらに《ベリー公のいとも豪華なる時祷書》には当時の最高材料が随所に使われているといいます。
その使われている顔料は世界中から集められました
そしてその高価な絵具を混ぜたり、塗り重ねていく事で画面に華やかさと奥行きが生まれたのです。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

こちらのターバンの赤色はスペインの昆虫コチニールの色素から作られたものです。

しかし、虫から絵具を作ろうなんて最初に考えた人は
なんでそんな発想になったのでしょう(笑)

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

こちらの袖の深みのある黒色は、アフリカ象の象牙を焼いた炭から作られました。

9月/ベリー公のいとも豪華なる時祷書


《ベリー公のいとも豪華なる時祷書》
9月

9月、実りの季節がやってきました。

なんだかお城がディズニーランドのシンデレラ城みたいですね。

農民たちが丹精込めて育ててきたブドウの収穫が行われています。
このロワール地方ではワインを作るため、ブドウが作られていました。

腰を曲げてブドウを収穫する人々。
その後ろではつまみ食いをしている人の姿も見えます。

10月/ベリー公のいとも豪華なる時祷書


《ベリー公のいとも豪華なる時祷書》
10月

続いて10月の光景を見てみましょう。
ここでは、次の年に実を結ぶ冬小麦の種まきが行われています。

後方にそびえるのはルーブル宮殿です。
つまりここはパリの中心地。
当時はこのように畑が広がっていたのがこの絵から分かります。

奥の畑には弓矢を構えたかかしが見えます。
この弓矢にはなんの意味があるのでしょう…(笑)
けれども手前の畑ではもう既に、人の目を盗んだ鳥たちが小麦の種をついばんでしまっています。

天変地異や自然災害がなく、季節が正しく巡り去年と同じ仕事ができる事
それが当時の人々にとって、とても大事な事だったのです。

パート2はここまでです。
次のパート3でラストです。
パート3では11月から3月、そしてこの本を作らせたベリー侯についてまとめていきます。
こちら☚からご覧いただけます。

コメント

  1. […] 2020年5月3日にNHKで放送された「日曜美術館」の【世界で一番美しい本 ベリー侯のいとも豪華なる時祷(とう)書】の回をまとめました。 こちらの記事はパート3です。 前回のパート2はこちら☚からご覧いただけます。 […]

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