【ぶらぶら美術・博物館】「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展⑤

ぶらぶら美術・博物館

2020年2月4日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#336 「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展】の回をまとめました。

番組内容に沿ってそれだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。

見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい。
前回のパート4はこちらからご覧いただけます☟☟
【ぶらぶら美術・博物館】「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展④

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萬來舍/イサム・ノグチ

レーモンド設計事務所出身の日本の巨匠といえば、前川國男氏(1905-1986)です。
そしてその前川國男の事務所には、丹下健三1913-2005がいました。
そしてその丹下健三と仲が良かった人物が、イサム・ノグチです。

イサム・ノグチはアメリカ・ロサンゼルス生まれの日系アメリカ人です。
彫刻家でもあり、絵画・インテリアデザイン・舞台芸術など幅広く活躍しました。

今回の「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展では、萬來舍(ばんらいしゃ)について紹介しています。
1950年にノグチが来日した際に、戦争で崩壊してしまった慶応義塾大学の再建工事の参加を要請されます。
それで出来上がったのが、「慶応義塾大学第二研究室 萬來舍」です。

萬來舍の設計は谷口吉朗氏が手掛け、ノグチは建物内部のインテリアを担当しました。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

ノグチルームと呼ばれるこの部屋は、まさにイサム・ノグチらしいデザインになっています。

このノグチルームの制作場所には、あの剣持勇から借りたスペースで作業をしていました。

パート4まで出てきた皆さんが、
こうやってつながってくるのですね・・・

また、丹下健三広島平和記念堂を設計した際に、当初はノグチの彫刻を置く予定でしたが、
原爆を落とした国から来た彫刻家の作品を飾るとは何事か
という批判の声があがり、結局実現されなかったというエピソードもあります。

「あかり」シリーズ/イサム・ノグチ

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらの「あかり」シリーズ

一度は目にした事のある方も多いのではないでしょうか。
お洒落なインテリアショップをはじめ、様々な場所で目にすることの多い作品です。

イサム・ノグチは1952年からの35年間で200作以上、このシリーズの作品を制作したといいます。

ノグチがこのシリーズを思い浮かんだきっかけは、岐阜県で鵜飼(鵜(ウ)という鳥を使ってアユなどを獲る、漁法のこと)を見に行った際に
船べりに岐阜の提灯が取り付けられているのを見て、「これだ」と閃いたといいます。

すぐに提灯を制作している工場を見学して、制作に着手しました。
岐阜県は昔から良質の和紙(美濃和紙)と竹がある事から、提灯和傘などが作られていました。

ノグチ自身もルナー彫刻と呼ばれる、内側に光源を入れて光らせる彫刻に1930年代から取り組んでいました。
この岐阜での出会いで、自身のルナー彫刻を発展させる事ができると考えました。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらの写真は、「あかり」シリーズを制作した際のプロモーション用の写真です。

撮影場所は建築家の丹下健三の自邸です。
「あかり」シリーズの製品だけよりも、何か写真にアクセントがあった方が良いという話になり、急遽丹下の娘さんがモデルに選ばれました
そして笑顔になった瞬間を捉えたその一枚が、プロモーション用の写真として採用されました。

さいごに

今回ご紹介した様々な建築家やデザイナー。
ブルーノ・タウトアントニン・レーモンドから始まり、日本人の剣持勇丹下健三イサム・ノグチなど互いに影響を与えながら、モダンデザインを発展させていきました。

今回ご紹介しました展覧会、「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展はパナソニック汐留美術館で2020年3月22日まで開催されています。

是非皆様も足を運んで見てください。
最後までご覧頂き、ありがとうございました(^^♪

コメント

  1. […] パート4はここまでです。 次のパート5でラストです! 最後は、イサム・ノグチについてまとめていきます。 【ぶらぶら美術・博物館】「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展Ⅴ […]

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