2022年4月24日にNHKで放送された「日曜美術館アートシーン」の展覧会紹介の内容をまとめました。
*画像出展元:テレビ番組「日曜美術館 アートシーン」より
特別展「燕子花図屏風の茶会 昭和12年5月の取り合わせ」@根津美術館
根津美術館の礎を築いた実業家、根津嘉一郎。
昭和12年5月。
政財界の友人を招き、豪華なコレクションで茶会を催しました。
数寄者(すきしゃ)ならではの趣向を凝らした茶会を再現した展覧会です。
茶室では嘉一郎自らが濃茶(こいちゃ)をたてました。
披露されたのは桃山時代の志野茶碗の名品です。
その後客人たちは50畳の大広間に通されます。
出迎えたのは尾形光琳が描いた《燕子花図屏風》。
『伊勢物語「八橋」』の場面を題材に群生する花をリズミカルに描いた作品。
燕子花が咲く5月に合わせました。
対するのは円山応挙の《藤花図屏風》。
金地を背景に精緻に表された花。
濃淡をつけ、一気に描いた幹や蔓(つる)との対比が見事です。
最後の番茶席には在原業平の姿を写した硯箱。
「伊勢物語」で締めくくるという趣向です。
この展覧会は東京・港区の根津美術館で5月15日まで。