【ぶら美まとめ】《聖母子》ギルランダイオ【ロンドン展③】

ぶらぶら美術・博物館

2020年3月31日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#342 世界初!奇跡の大規模展「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」前編〜ルネサンスって何?!英国が誇る国宝級名作で西洋美術が丸わかり!〜】の回をまとめました。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
今回はパート3です。前回のパート2はこちら☚からご覧頂けます。

*開幕が延期となっております。詳細は展覧会公式HPをご確認ください。

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《聖母子》ドメニコ・ギルランダイオ


《聖母子》1480-90年頃
ドメニコ・ギルランダイオ
ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵

作者のギルランダイオミケランジェロの師匠であり、レオナルド・ダ・ヴィンチの兄弟子(ヴェロッキオ工房での)にもあたる人物でルネサンス三大巨匠の先生ともいえる人物です。

活躍したのは15世紀の終わりのフィレンツェで、主にフレスコ画(壁に直接描く絵)を得意としました。
また多くの弟子を抱えた重要な画家でもあります。


描かれている聖母マリアの背景をご覧ください。
ここに”ぼかし”が入っています。
これが空気遠近法(遠くのものがぼやける)と色彩遠近法(遠くの物が青っぽく見える)です。
この2つの技法を使って、線遠近法だけに頼らず遠近感を表しています。

つまり遠近法の歴史で言いますと、線遠近法から始まり、それからこの空気遠近法と色彩遠近法に発展していったという事になります。
15世紀後半には、遠近法という手法が確立されていたことを示しています。


画面の下部の布の所には模様の線で線遠近法を表現しています。

この作品は、西洋絵画の基本的な技法である以下を全て含んだ作品と言えます

  • 遠近法(線・空気・色彩)
  • 陰影法
  • 人間のような表現

人間のような表現”というのは、例えばこの作品ですと頭上の輪っかがなければ”普通の親子”の肖像に見えます。
このように聖母子といえども、普通の人のように描く描き方が確立されます。

レオナルド・ダ・ヴィンチ以前のこの時代でルネサンスは完成したと言えるでしょう。



こうやって比較してみると、後の《モナ・リザ》への影響もどこか感じられます。

そして盛期ルネサンスへ

このようにルネサンス初期から発展してきた絵画技法は、後のルネサンス三大巨匠ダ・ヴィンチミケランジェロラファエロ)の時代にピークを迎えます。
そしてその時期の事を「盛期ルネサンス」と呼びます。

ロンドン・ナショナル・ギャラリーの基本情報

ここでロンドン・ナショナル・ギャラリーについて一度まとめようと思います。

 

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館#342」より

ロンドン・ナショナル・ギャラリーは年間入館者数600万人が訪れる世界的な大美術館です。
なんと現地では入場無料となっています。
*今回の日本での展覧会ではもちろん入館料は発生しますよ!

なぜ無料かと言いますと、この美術館は1824年に設立されましたが、その経緯が他の美術館と異なっているのです。
イギリス国民が議会を通し、国民による国民のための美術館として作られたのです。
ですので、「誰でも見に行くことができる」というのを重要視して、現在でも「入場無料」となっています。

またコレクションも国民からの寄贈であったり、国民からの寄付により購入された作品となっています。

ロンドン・ナショナル・ギャラリーは別名「西洋美術の教科書」とも呼ばれています。
コレクションの手持ちが最初は無かったため、自由に膨らませていく事ができたのです。
市民に教育するための美術館でもあったので、西洋美術の歴史がわかる美術館を目指してコレクションを充実させていきました。

いかがでしたでしょうか。

今回のパート3はここまでです。ご覧頂きありがとうございました。
続くパート4では17世紀・オランダ黄金時代の絵画についてまとめていきます。
こちら☚からご覧くださいませ(^^♪

コメント

  1. […] 今回はここまでです! つづくパート3では、その遠近法の技術と共に絵画がどのように進歩していったのかをまとめていきます。 こちら☚からご覧頂けますので、どうぞ(^^♪ […]

  2. […] 番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。 今回はパート4です。前回のパート3はこちら☚からご覧頂けます。 […]

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