【日曜美術館】新春SP #アートシェア2021②【美術番組まとめ】

日曜美術館

2021年1月3日にNHKで放送された「日曜美術館」の【新春スペシャル 「#アートシェア2021」】の回をまとめました。

今回の記事はパート2になります。
前回のパート1はこちら☚からご覧頂けます。

番組内容に沿って、+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

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#tussenkunstenquarantaine

2020年のコロナ禍で、世界中で流行したアートに関する(ハッシュタグ)があります。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

オランダ語で書かれたこちらのハッシュタグ、読み方は「ツッセン クンステン カランテーネ」、日本語訳すると「アートと隔離の間」という意味です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

美術館に行けないなら、自ら作品になりきって、楽しもうという企画です。
ステイホームが叫ばれた2020年3月。
「何か楽しい事はできないか」と考え、一人のオランダ人女性がSNSに投稿したのがきっかけでした。

このハッシュタグを始めたアネルス・オフィシールさんは日曜美術館のインタビューで次のように語っています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

「まさか自分がルーヴル美術館やメトロポリタン美術館にフォローされ、(投稿が)世界中に人に見られるなんて思いもしませんでした。
ハッシュタグもオランダ語で、綴りも長く難しいのにもかかわらず、投稿を見て理解してくれているのが分かって良かったです」

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

「絵に完璧になりきるというよりも、家にあるものを使って、どうにか絵になりきろうとする姿が楽しい」と語るオフィシールさん。

ハッシュタグは瞬く間に拡散し、世界中から7万件もの投稿が集まりました。
ここからはその一部をご紹介します。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

こちらはマグリットの《恋人たち》という作品をモチーフにしたものです。
オリジナルに忠実に再現されているのが分かります。

森美術館館長の片岡さんはこの作品には「コロナだから直接触れ合えない」という事も表しているのでは?といいます。
再現する上で、現代ならではの新しい意味を持たせているというのが、このハッシュタグの面白い所だと言えるでしょう。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

こちらは有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》をモチーフにした作品です。

最後の晩餐》はキリストが処刑される前夜に、12人の使徒と共に夕食を取る場面ですが、ご存知の通り、オリジナルは非常に「密」の状態で描かれています。
今は密で食事をするのはダメ」という読みが含まれているようにも考えられます。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

代わりにZoomを使って、”リモート晩餐”をしているのも非常に現代的で面白いです。

画家 山口晃さん

続いてアートシェアをしてくれるのは画家の山口晃さん
日本画の伝統を取り入れた独特の画風で知られ、また東京2020の公式アートポスターの一つを手掛けるなど現代を代表する画家の一人です。

山口さんはアートは”癒し”というよりも、”過剰な興奮で器官を痛める”ものと言います。
ですので、元気な時に年に一度くらいでいいのだとか。

《四季山水図(山水長巻)》雪舟

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

そんな山口さんが挙げた作品は、雪舟国宝四季山水図(山水長巻)》です。
全長16メートルに及ぶ絵巻物です。

室町時代に活躍した雪舟は、中国から学んだ水墨画を独自の表現へと昇華させました。
この作品では四季の移ろいの中、自然や人々の営みが表されています。

山口さんは雪舟について”無駄なことをしない人”だと語っています。
この『山水長巻』では勢いで描き切っており、その時にしか出ない線が見られるのです。
そしてそれが水墨画の醍醐味であるのです。

更に山口さんは、この『山水長巻』は作者である雪舟の追体験、或いは引っ張り込まれる、身を委ねるような感覚があり、それはある種の快楽であって、また危険な罠でもあると言います。

企業経営者 大林剛郎さん

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

続いては大手ゼネコンで会長を務める大林剛郎さんのアートシェア作品です。
大林さんは現代美術のコレクターとしても知られ、ニューヨーク近代美術館の諮問委員会のメンバーも務めています。

《究竟頂》杉本博司

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

まるで石室のような、あるいはピラミッドや古代の古墳のような空間で、天井から彫刻がぶら下がっています。
こちらは現代美術家、杉本博司の《究竟頂(くっきょうちょう)》という作品です。

究竟(くっきょう)」とは”究極に達すること”を表す仏教の言葉です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

天井から下に向かい少しずつ細くなっていますが、この形はどこまで伸びても決して交わらない”無限曲線”を表しているといいます。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

そしてその天井から伸びた円錐の先端がずっと交わる事がなく、ひたすら真下まで伸び続け、床にある1ミリ大のポイントに繋がるのです。

さらにそこから地球を貫通し、数ミクロンになってブラジルを突き抜け、やがて宇宙の果てまで永遠に続いていくのです。

この《究竟頂》という作品は、そういった無限性を可視化する作品だと大林さんは言います。

なんだかロマンのある作品ですね!

大林さんはこのコロナ禍のような大変な時に、そういった”宇宙に思いを馳せる”、”無限なものを見る”というのは「励まされる」ようだと感じるといいます。

こちらの作品は東京・表参道にあるオーク表参道のエントランスホールで実際に見る事ができます。

今回の記事は以上になります。
パート3へと続きます!
こちら☚からご覧いただけます。

コメント

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