2021年11月21日にNHKで放送された「日曜美術館」の【ルーブル美術館・美の殿堂の500年 〜“太陽王”のもとで花開くフランス美術】の回をまとめました。
番組内容に沿って、+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
イントロダクション
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
17世紀に現れ、フランス王朝の最盛期を築いたルイ14世。
自らを「太陽王」と名乗った王は、フランスの芸術を大きく花開かせることになります。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ルイ14世の登場により、フランスは美術大国としての歩みを始めることになります。
王の元で芸術家たちの多様な美の表現が生まれていきました。
今回は17世紀から18世紀半ばの時代。
フランス芸術が豊かな身を結んだ時代をまとめていきます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
収蔵点数およそ68万点をほこるルーヴル美術館。
その始まりは16世紀に遡ります。
イタリア・ルネサンスに憧れた時の王、フランソワ1世がレオナルド・ダ・ヴィンチをフランスに招へいし、美の殿堂の礎を築きました。
その後の17世紀の時代をフランスでは、「グラン・シエクル(偉大なる世紀)」と呼びます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ルーヴルの正面に立つルイ14世の騎馬像。
王が全ての権力を持つ「絶対王政」を敷き、およそ70年の間、王座に君臨し続けました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
17世紀の調度品で溢れたルーヴルの一室に、有名な肖像画があります。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
王家のユリの紋章がデザインされた青いマントを翻す、優雅な佇まい。
王の気品に満ち溢れたルイ14世の肖像画です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
すらりと伸びる足元にはハイヒール。
バレエをこよなく愛した王は、自らも優れたバレエダンサーでした。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
繊細なレースと豪華な毛皮。
リアルな描写は鑑賞者にその手触りまで伝えるようです。
1751年に『ルイ十四世の世紀』を著した哲学者のヴォルテールは次のような言葉を残しています。
「王は真に崇高な芸術を愛した。欧州で最も洗練された文化はこの王によって創られていった」
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ルイ14世がルーヴル宮殿の主となった当時、王室の美術コレクションはわずか数十点しかありませんでした。
そこで王は家臣を各国に派遣し、名画の収集を開始。
その数はやがて2500点に達することになります。
レオナルド・ダ・ヴィンチ《洗礼者聖ヨハネ》
《洗礼者聖ヨハネ》1516-1519年頃
レオナルド・ダ・ヴィンチ
ルーヴル美術館蔵
レオナルド・ダ・ヴィンチの《洗礼者聖ヨハネ》は、ルイ14世が22歳の時に莫大な資金を投じて手に入れた名画です。
実質的な”レオナルドの遺作”といわれる本作は、それまでの聖ヨハネ像とは異なる、妖艶な姿で描かれているのが特徴です。
ラファエロ《バルダッサーレ・カスティリオーネの肖像》
《バルダッサーレ・カスティリオーネの肖像》1514-1515年
ラファエロ・サンティオ
ルーヴル美術館蔵
当時レオナルド・ダ・ヴィンチ以上の評価がされていたのが、ラファエロでした。
”ルネサンスの到達点”とまで称されるこの名画もまた、ルイ14世によってルーヴルにもたらされました。
モデルのバルダッサーレ・カスティリオーネはルネサンスを代表する知識人で、「真の知性は慎みの中にこそ宿る」という言葉を残したことでも知られています。
ラファエロが描いたその肖像は、モノトーンで表す事で、彼のその精神を見事に表現しています。
鮮やかな色の瞳でじっとこちらを見つめています。
繊細で豊かなあごひげは、そんなカスティリオーネの思慮深さを表しているようです。
なぜルイ14世はそこまでして名画を集めたのでしょう?
その理由は王の若き日の経験が関係していました。
ルイ14世と美術
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ルイ14世が即位したのは、1643年。
わずか4歳のときでした。
しかし5年後の1648年、王家と対立する貴族の反乱が起こり、都を追われる事となります(フロンドの乱)。
王でありながら、何の実権もない屈辱を味わったルイ14世。
その後権力を取り戻し、22歳の時に絶対王政を宣言します。
そしてその権威を内外に示すために求めたものこそ、”芸術の力”だったのです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ルーヴル美術館内にある『アポロンのギャラリー』。
ルイ14世が”太陽”をテーマに作らせた、まばゆい黄金の空間です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
天井の中心には太陽の神であるアポロンの姿が描かれます。
アポロンはこの世のすべてを照らすギリシャ神話の神です。
王はそんなアポロンに自らを重ねて、「太陽王」を名乗りました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
そんな太陽の神の力にまつわる装飾が天井に施されています。
「王こそが太陽のようにこの世界の全てを司る」
ルイ14世は絶対王政の何たるかをここに表し、世に知らしめたのです。
今回の記事はここまでになります。
パート2へと続きます。
【日曜美術館】花開くロココ美術②【美術番組まとめ】
コメント
[…] 今回の記事はパート2になります。 前回のパート1はこちら☚からご覧いただけます。 […]