2020年3月28日にTOKYO MXで放送された「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」の【天才レオナルド・ダ・ヴィンチ 最期の日々】の回をまとめました。
番組内容に沿って、それでけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
今回の記事は前回からの続き、パート2です。
パート1はこちら☚からご覧頂けます。
今回のパート2では、レオナルド・ダ・ヴィンチの”万能の天才っぷり”、そして彼の残した名画についてまとめていきます。
万能の天才
「万能の天才」とも呼ばれるレオナルド・ダ・ヴィンチ。
彼は芸術以外の分野にもその才能を発揮し、建築・土木・工学・科学・天文学・解剖学などの知識がありました。
またそれらの知識を元に様々なものを発明・設計しています。
画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より
ヘリコプターのようなものも設計しているんですね!
さらに彼は音楽も詳しく、自身で演奏もできただけでなく、演劇の演出も手掛けたといいます。
絵画においても、彼は様々技法を発明しました。
例えば、スフマートと呼ばれる、ボリュームを表すために色彩の透明な層を上塗りする絵画技法を考案しました。
画像出展元:wikipedia「スフマート」より
また、色彩によって遠近感を表現する空気遠近法も発展させました。
これらの技法はそれ以降の画家たちに大きな影響を与えました。
《受胎告知》
それではここからはダ・ヴィンチの残した絵画作品をいくつかご紹介していきます。
じつは彼は十数点しか絵画作品を残していません。
《受胎告知》1472-1475年
レオナルド・ダ・ヴィンチ
イタリア、ウフィツィ美術館蔵
ダ・ヴィンチが20代の頃に描いた実質的なデビュー作品で、彼の絵画作品の中で最も大きいもの(98cm×217cm)になります。
正面ではなく、横のアングルからしか見る事のできない展示空間を意識して描かれました。
ですので、横から見た時に丁度良い長さになるよう、聖母マリアの腕が若干長く描かれています。
聖母マリアにイエスが宿ったことを、大天使ガブリエルが告げる有名な聖書の場面です。
大天使ガブリエルが手にしている白百合は、マリアの純潔さを表しています。
遠景の描写にはすでに空気遠近法が取り入れられている点も特徴です。
《聖アンナと聖母子》
《聖アンナと聖母子》
レオナルド・ダ・ヴィンチ
ルーヴル美術館蔵
聖アンナというのは聖母マリアの母親です。
この作品では、三角形の構図の中に親子3代が描かれています。
マリアが息子キリストの受難を意味する羊から、彼を引き離そうとしている所です。
その様子を優しい表情で聖アンナが見つめているといった図です。
この三角形の構図は後の画家たち影響を与え、模倣されました。
ダ・ヴィンチ自身、彼の両親が正式な結婚をしなかったので、婚外子となり実母から幼くして離された経験があります。
その影響もあって、ダ・ヴィンチの描く女性像は官能性よりも母性の方が前面に出てくる特徴があります。
この《聖アンナと聖母子》でも、聖母マリアと聖アンナのあたたかな眼差しや表情が印象的です。
未完成の傑作?!《モナ・リザ》
《モナ・リザ》1503-1506年頃
レオナルド・ダ・ヴィンチ
ルーヴル美術館蔵
ダ・ヴィンチが63歳でフランスに移り住んだ時(詳しくはこの記事のパート1でまとめています)に、じつはこの《モナ・リザ》も一緒にフランスに持っていきました。
元々この作品は、ジョコンダ家というイタリアの貴族からの注文を受けて、制作されたと考えられています。
その注文を受けたのは、1503年の51歳の時。
そしてそれはダ・ヴィンチがフランスに移住する10年以上も前の事です。
ダ・ヴィンチは自分の知識と技術の全てを注いでこの作品に取り組みました。
先で紹介したスフマート技法や空気遠近法などがそれにあたります。
しかし完璧主義者であったダ・ヴィンチは、《モナ・リザ》を完成させることができず、注文主に納品することができなかったのです。
結局彼は《モナ・リザ》を終生手元に置き続け、死ぬまで作品に手を加え続けたといいます。
ダ・ヴィンチの死後、《モナ・リザ》は弟子であるサライが相続します。
その後フランソワ一世に買い上げられた後、歴代のフランス王の宮殿を飾り、巡り巡って現在のルーヴル美術館におさまったのです。
だから、イタリア出身のダ・ヴィンチの作品がフランスのルーヴルにあるのですね!
誰もが知っている名画《モナ・リザ》が実は未完成であったというのは、なんだかロマンのある話ですね!
いかがでしたでしょうか。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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[…] パート1は一旦ここまでです。 パート2ではダ・ヴィンチが手掛けた絵画作品についてご紹介していきます。 こちら☚からどうぞご覧ください(*^^*) […]