【ぶらぶら美術・博物館】アルチンボルド展①【美術番組まとめ】

ぶらぶら美術・博物館

2017年7月28日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#245 国立西洋美術館「アルチンボルド展」~精巧・不思議!”だまし絵”の傑作が奇跡の集結~】の回をまとめました。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。

私、個人的にアルチンボルド大好きでして(笑)、この「アルチンボルド展」も2回足を運びましたね♪
ぜひ最後までご覧になってください!

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イントロダクション

管理人masaya撮影

2017年の6月から9月まで開催された「アルチンボルド展」。
この展覧会は”奇跡の展覧会”と呼ばれました。
とゆうのもアルチンボルドの作品、特に油彩作品は非常に少なく約30点しかありません。

フェルメールよりも更にすこし少ないくらいですね。

この展覧会ではその中から約10点(全体の3分の1!)の油彩作品が展示されていました。

画家:アルチンボルド

ジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo、1526-1593)はイタリア・ミラノの出身の画家です。
およそ25年間に渡り、神聖ローマ帝国の3代の皇帝に仕えた宮廷画家でした。

時代的にはレオナルド・ダ・ヴィンチが亡くなった少し後の時代になります。
(日本史で言うと、織田信長が生まれる数年前に生まれています)

アルチンボルドはよく”奇想の画家”という言われ方をしますが、彼の作品はただの「だまし絵」とだけでなく、そこには様々な意味が込められています。

神聖ローマ帝国とは?

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館 #245」より

神聖ローマ帝国は現在のドイツ、チェコ、オーストリア、イタリア北部を中心に存在していました。

その皇帝、ハプスブルク家のマクシミリアン2世(1527-1576)とルドルフ2世(1552-1612)らの宮廷画家として、アルチンボルドはオーストリアで活躍しました。

アルチンボルドの自画像

アルチンボルドといえば、花や野菜などを組み合わせた”構成肖像画”と呼ばれる作品を描きましたが、その本人はどんな顔をしていたのか。

先ず初めにアルチンボルドの自画像から見ていきます。

《自画像》


《自画像(Self-portrait)
ジュゼッペ・アルチンボルド
チェコ、プラハ国立美術館蔵

なかなかイケメンじゃありませんか!

描かれた詳しい時期は分かっていませんが、40代後半の自画像だと言われています。
まさに宮廷画家として活躍していた頃です。

自分が品格のある宮廷画家であり、教養人であるというのを見せつけるような凛とした表情をしています。
またこのように描いた背景には、自らが貴族の出自である事を主張する意図もあったと考えられています。

画家のベルナルディーノ・ルイーニが描いたアルチンボルドの父親の肖像画が残されていますが、広い額や長い鼻などの特徴がよく似ています。


《ビアージョ・アルチンボルド》
ベルナルディーノ・ルイーニ
ロンドン、大英博物館 素描版画部門

《紙の自画像(紙の男)》


《紙の自画像(紙の男)(Self-portrait on Paper (“The Man of Papers”))》1587年
ジュゼッペ・アルチンボルド
イタリ・ジェノヴァ、ストラーダ・ヌオーヴァ美術館ロッソ宮 素描版画室

こちらのタイトル《紙の自画像》とあるように、肖像がすべて””で構成されています。
ある意味アルチンボルドらしい作品といえるでしょう。

”というのは画家にとってはデッサンをしたり作品を描いたりと、重要な商売道具です。
そうした自分にゆかりのある素材を使って、自画像を描いているのです。

四季』や『四代元素』も、例えば《》は春に咲く花々で描かれているのを考えると、アルチンボルドが”紙”をモチーフに自画像を描くのは、ある意味当然の流れかもしれません。

ただ単に自画像を描くのではなく、こうやって凝った自画像を描くところに彼のセンスを感じます!


襟元には”1587”と数字が記載されていますが、これは描かれた年、すなわち1587年に描かれた事を示しています。


もう一か所数字が書かれています。
自画像の額の部分です。
まるで皺の線のように”61”と書かれています。

つまりここから1587年の61歳の時に描いた、というのが分かるのです。
この自画像のおかげで、アルチンボルド1526年に生まれた事が特定されたという、資料的にも大変貴重な自画像なのです。

前述した父親のビアージョ・アルチンボルドも画家をしており、アルチンボルドも父の下で修業をしていました。
父親と共にミラノの大聖堂のステンドグラスの図案を制作しています。

さらには他の画家たちと共同で大聖堂のタペストリーの図案制作も行ったりと、職人のような仕事も多い画家でした。

いかがでしたでしょうか。
パート1はここまでです。
続くパート2では『四季』シリーズから《》、そして『四代元素』の中から『大気』についてご紹介します。
こちら☚からご覧いただけます。

コメント

  1. […] 今回は記事パート2です。前回のパート1はこちら☚からご覧頂けます。 今回は『四季』から《春》と『四代元素』から《大気》を取り上げていきます。 […]

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