2021年7月18日にNHKで放送された「日曜美術館アートシーン」の展覧会紹介の内容をまとめました。
三菱創業150周年記念 三菱の至宝展
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
静嘉堂は6500点におよぶ東洋の美術品と、20万冊の古典籍のコレクションで知られます。
東洋文庫は、膨大な資料を収蔵するアジア研究専門の図書館です。
どちらも三菱を創業した岩崎家によって設立されました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
2館の名品が、三菱一号館美術館で一堂に会しています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
三菱は土佐の下級武士の家に生まれた岩崎彌太郎が明治初頭に創業。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
跡を継いだ弟の岩崎彌之助の代から本格的に文化財を収集しました。
収集にあたっては、明治維新後の日本の姿が意識されていたといいます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
「当時、近代国家を作るためにですね、欧米に軸足を移す。その反面ですね、古い東洋の日本の文化というものが、ないがしろにされてですね、優れた文化財、優れた美術品がどんどん海外に流出してしまうと。
これを見て、集めただけじゃない、広く公開して、国民に見て頂く。それによって近代国家における国民のアイデンティティー、統一感を高めるためにこれは非常に重要なことだということをよく認識していいたんじゃないかと思うんです」
期間中、2館が所蔵する国宝12点と重要文化財31点が展示されます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
まずは静嘉堂の国宝。
鎌倉時代、大和国(やまとのくに)最大の刀工集団、手掻(てがい)派の祖、包永(かねなが)の手による太刀。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
刀身が大きく反った優美な姿です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
「源氏物語」を題材にした俵屋宗達の屏風。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
住吉詣(すみよしもうで)の光源氏一行。
明石君(あかしのきみ)も船で参詣に来たものの、一行を見て会わずに引き返します。
牛車に乗る光源氏も、船の中の明石君も描かないことで、すれ違う恋の切なさを表現しています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
中国・南宋時代の宮廷画家、馬遠(ばえん)の作といわれる山水画。
雨の中、道行く人。
その作風は日本の画家たちに大きな影響を与えました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
こちらも南宋時代に作られたとされる『曜変天目』。
完全な形で現存するものは世界に3点しかないといわれ、その全てが日本にあります。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
斑紋の周りに青や虹色の光彩が現れ、宇宙に浮かぶ星のような輝きを放ちます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
東洋文庫にはおよそ100万冊の蔵書があります。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
「史記」は司馬遷が記した歴史書。
それを平安時代に書き写したものです。
日本の貴族や子弟が歴史や文章を学ぶ際のテキストとされ、上流階級の教養の基礎となるものでした。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
江戸時代、日本に滞在したドイツ人の医師で博物学者のシーボルトの著作です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
日本の動植物をヨーロッパに広く紹介しました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
図版は単色摺りの上に、色を塗って仕上げています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
東京丸の内の三菱一号館美術館で、9月12日まで。
京都市京セラ美術館開館1周年記念展 上村松園
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
明治から昭和にかけて京都画壇で活躍した上村松園。
100点余りを紹介する回顧展です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
腕に抱く我が子を慈愛に満ちた表情で見つめる女性。
青い眉にお歯黒。松園の母の面影が重ねられているといいます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
扇を手に、凛として前を見つめる女性。
優美な所作の中にも、内に秘めた強い意志が感じられます。
生涯にわたり、女性像を追求した松園の代表作《序の舞》です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
初公開の《清少納言》。
長らく行方不明でしたが、2019年に発見されました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
絢爛たる十二単。流れるような黒髪。
その精緻な描写と構成力に、40代半ば、脂の乗り切った松園の腕の冴えが伺えます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
京都市京セラ美術館で9月12日まで。
奈良博三昧-至高の仏教美術コレクション-
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
奈良国立博物館のコレクションから日本の仏教美術の歴史をたどります。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
京都の若王子社(にゃくおうじしゃ)に伝わった、国宝《薬師如来坐像》。
どっしりとした体や、流麗な衣。
くっきりとした目鼻立ちに、平安初期の仏像の特徴がよく表れています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
平安仏画の最高峰といわれる、国宝《十一面観音像》。
細かな截金文様。
頭上の仏面は、十一面全て精緻に描かれています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
疫病を引き起こす鬼を退散させる神を描いた『辟邪絵(へきじゃえ)』。
厄除けとして信仰されました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
展覧会の後期には『辟邪絵』5幅が公開されます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より
奈良市の奈良国立博物館で9月12日まで。
今回の記事はここまでです。































