【美術展レポート】新年一発目!博物館に初もうで@東京国立博物館

2020年

「masaya’s ART PRESS(マサヤ・アート・プレス)」へようこそ。
当ブログの記事を書いているmasayaと申します。
以前は「masayaのブログ美術館」というブログで記事を書いていましたが、2020年から心機一転!という事で新しいブログを始めました。

このブログではこれまで同様に美術にまつわる情報や、美術展のレポート、また美術検定に役立つ知識など美術にまつわる情報を発信していきたいと思っています。
よろしくお願いいたします(^^♪

新しいブログで書き方がまだ今一つ分かっていない所もありますが、慣れるまで見守っていただけますと幸いです。

鑑賞日:2020年1月5日(日)

「博物館に初もうで」

会場:東京国立博物館

鑑賞時間:約20分

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博物館に初もうで(2020年1月2日㈭~1月26日㈰)概要

私が2020年の美術館初めに選んだのは東京国立博物館(以下トーハク)で開催中の「博物館に初もうで」です。

こちらは毎年トーハクで同じ時期に開催される展覧会で、その年の干支にちなんだ美術品を鑑賞できる展覧会です。

今年は鼠年でしたので、ネズミにちなんだ美術品を楽しむことができます。

また例年これに合わせて、長谷川等伯の国宝《松林図屏風》も見る事が出来ます。

美術ファンの間では「お正月はこれを見ないと始まらない!」という人も居るほど風物詩になっている展覧会です。

 

料金は一般で620円と、特別展ほど高くないのもありがたいですね☻

感想、気になった作品

次に今回の展覧会で気になった作品を何点か紹介していきたいと思います。

作品◆《鼠草子》筆者不詳、江戸時代・18世紀

 

今回の展覧会で一目惚れした作品《鼠草子》です。
(読み方は、”ねずみのそうし”です)
描かれている鼠の顔がなんとかわいい事!
つるんとした顔に、目は黒でちょん、と描かれています。
鼠が簡単に描かれている割に、猫はかなりリアルに描かれている対比も良い!

描かれている鼠の動きも面白いです(笑)
駆け寄っているのか、転んでいるのかw
なんだか分かりませんが、笑いを誘うタッチです。

「鼠草子」のストーリー自体も大変面白く、権頭(ごんのかみ)という鼠が人間の姫君と結婚します。
しかし、鼠だという事がばれて姫は家出。挙句別の人と再婚してしまいます。
落ち込んだ権頭は高野山で猫の御坊(ごぼう)の元へ出家をし、仏道修行に励むというお話です。

奥さんに逃げられるというなかなか悲惨の状況なのに、なんでこんな飄々とした様子なんだろう」と、解説を読んでから更に面白くなってしまいました(笑)

作品《鼠よけの猫》歌川国芳

 

歌川国芳(1797~1861)筆
大判、錦絵
江戸時代・19世紀

画面右上にありますように、タイトルは《鼠よけの猫》。
鼠というより、猫が主役の作品です(笑)

描かれている猫は恐らく視線の先に鼠を見つけ、飛び掛かるタイミングを今か今かと伺っているようです。
作者の歌川国芳は猫好きであったと言われています。
脚の力の入れ具合や、ジャンプをする為に丸めた背中が臨場感を伝えます。

画面上部の文章には「この絵を家の中に貼ると、ねずみが恐れて出てこなくなる」と書かれています。
江戸時代はこのような鼠よけを目的とした猫の絵が流通しました。

作品《鼠、猫と遊ぶ娘と子供》鈴木春信

 

鈴木晴信(1725?~70)筆
中判・錦絵
江戸時代・18世紀

縁側にいる親子と共に描かれているのは、鼠とそれを狙う猫の姿です。
江戸時代は鼠をペットとして飼うこともあり、特に白い鼠は福を招く縁起の良い動物とされていました。

ここでもやっぱり鼠は猫とセットなんだな~と笑ってしまいました。
去年の猪年の時はイノシシ単独の作品が多かったのに対し、子年の今回はネズミ単独の作品そんなに数がない印象でした。
やっぱり鼠は昔からあまり良い印象ではないのか、なんて事を思いました。

作者の鈴木春信は、江戸時代中期に活躍した浮世絵師です。
可憐な美人画によって人気を博しました。

国宝《松林図屏風》

 

日本の山水画・水墨画の一つの到達点とも言われる《松林図屏風》。

描いたのは安土桃山時代に活躍した絵師、長谷川等伯です。
この作品を描いたころは50代半ば頃と考えられています。
描かれているのは深い霧の中の松林の光景。それを墨の濃淡だけで表しています。
その筆運びは、描写されていないはずのひんやりとした空気も捉えているかのようです。
西洋の印象派とは異なるアプローチで、大気や光の表現に挑んだ作品といえます。

しかしながら謎が残っている作品でもあります。
例えば描かれている紙質です。
こちらは大変粗末な紙になっており、一説にはこの作品自体下書きだったのでは?と言われています。

私自身この作品を見るのは3回目と記憶しているのですが、今回はあまり印象に残りませんでしたね。
なぜでしょうか・・・。前はもっと感動したはずなのですが。。。

この作品は毎年お正月この時期に展示されます。
*今年は1月13日(月・祝)までです。
*「博物館に初もうで」の開催時期とは異なりますのでご注意ください。
この時期以外ではあまり見る事はできませんので、未だの方は必見ですよ~。

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