【新美の巨人たち】長沢芦雪「虎図」②【美術番組まとめ】

新美の巨人たち

2019年6月8日にテレビ東京にて放送された「新美の巨人たち」の【長沢芦雪「虎図」】の回をまとめました。

今回の記事はパート2になります。
前回の記事はこちら☚からご覧いただけます。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。

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長沢芦雪が紀州串本で描いたもの

京の都からやってきた芦雪は南国の串本に約5カ月滞在しました。
その間『虎図』のある無量寺以外にも、近在の寺に作品を残しています

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

こちらの圓光寺というお寺に、芦雪の作品が残されています。

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

それがこちらの《蘇鉄に雀図》。
刷毛を使い、リズミカルに墨を重ねて、蘇鉄(そてつ)を浮かび上がらせています。

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

蘇鉄の隣には愛らしい雀が描かれています。

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

一方、こちらは草堂寺というお寺。ここには見事な屏風絵があります。

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

重要文化財にも指定されている《群猿図屏風》。

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

左隻には気ままに毛づくろいをする猿たちの姿が。

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

右隻には崖のてっぺんで佇む白い猿が描かれています。
崖の表現もどこか抽象的です。

”好きなもの”を好きなように描いて過ごした芦雪
南国の楽園とも呼べるこの地は、まさに彼の”運命を変えた場所”だったのです。

実物大で再現!

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

番組内で《虎図》の実物大の再現に挑んだ大竹卓民氏。
その完成版がこちらです。

描くのにかかった時間はおよそ3時間半
大竹氏によると、模写でこの時間なので、1から描く場合はもっと時間がかかるだろうと言います。

模写を描いた大竹氏は次のように述べています。
作品の中の墨をどうやって演じるか。筆のタッチをどうやって演じるか。それを意識して作品を組み立てる。
筆遣いの面白みをわざと演じる、わざと見せる。(そして)見る人を自分の作品に引き込むように意識している

「虎図」の凄みに迫る

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

虎図》が元々描かれていたのは、無量寺の本堂のふすまでした。
現在、本堂には精巧な複製画がはめられています。

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

井浦さんは描かれた当時のように、ろうそくの火だけで《虎図》を鑑賞してみました。
それを見た井浦さんは「芦雪が描きたかった本来の絵を見れているような気がする」と話します。

本当にたくましい。(昼間見るのと)表情も全然違う。たけだけしくて、可愛らしさがもう微塵も感じない」(井浦新氏)

「龍図」の裏に描いたもの

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

パート1でもご紹介したように《虎図》の虎は、その裏に描かれた魚の視点からみた子猫でした。

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

それでは《虎図》の正面にある《龍図》。
この裏側に何が描かれているのでしょう?

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

重要文化財にも指定されている《唐子琴棋書画図》。
ここには無邪気に遊ぶ子ども達が描かれていました。

いたずらっ子や手に墨をつけてふざけている子。
夢中になってカラスを描いている子達がいます。

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

上を見上げるこの子ども。
この子が実は重要なのです。

その視線の先にあるのは…

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

1匹のネズミです。
芦雪節をしっかり入れてくる。おしゃれですよね」(井浦新氏)

画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より

ネズミが龍に見えてきた」と話す井浦さん。
いわれて見れば確かに、龍のようにも見えます。

もし龍の見立てだとしたら、あんなに威厳のある龍が見ているものは、こんなに幸せな楽しい空間だという物語性って、芦雪っぽくていいですよね」(井浦新氏)

今回の記事はここまでになります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. […] この続きはパート2にて。 【新美の巨人たち】長沢芦雪「虎図」②【美術番組まとめ】 […]

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