2023年12月24日にBS日テレにて放送された「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」から【大塚国際美術館】の内容をまとめました。
番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
大塚国際美術館
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
渦潮に近い大毛島。
今回紹介する美術館はこの島にあります。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
それが大塚国際美術館です。
ここでは精巧に作られた世界の名画のレプリカ、およそ1000点を見ることができます。
イタリアの名画の数々
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
こちらはヴァチカン市国のシスティーナ礼拝堂を再現したものです。
ミケランジェロの壁画・天井画が実物と同じサイズ、原寸大で表されています。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
これらはすべて陶板(陶器の板)で再現されています。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
大塚国際美術館の展示作品はすべて焼き物で作られています。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
ここでは国内外の約190の美術館の所蔵作品、およそ1000点が陶板名画で再現されています。
日本にいながら世界の美術館を回ったような体験ができるのです。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
こちらはイタリアにあるスクロヴェーニ礼拝堂を再現したものです。
この礼拝堂は2021年に世界遺産に登録されました。
現地では鑑賞時間は15分ほどに制限されていますが、大塚国際美術館では思う存分この空間を堪能することができます。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
ジョットの《ユダの接吻》も見ることができます。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
こちらはイタリア・ポンペイの『秘儀の間』を再現したものです。
古代ローマの貴重な遺跡を日本で見ることができます。
絵柄だけを再現したものではなく、壁画の表面のざらつきや、ひび割れまでも再現されています。
陶板名画の作り方
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
大塚国際美術館で再現された名画はどのように作られたのでしょうか?
まず初めに所蔵している美術館から許認可を得たのち、作品の画像を借りたり、現地で写真撮影をします。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
それらの画像や写真を元に、大塚オーミ陶業の職人が陶板名画を制作します。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
こちらは陶板に絵を焼き付けるための特殊な転写シートです。
原画の画像を解析し、4色に分解。焼き物用の絵具にして、すり重ねたものです。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
それを陶板に乗せて焼き上げると、4つの色が一体となり原画が再現されます。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
焼き上がった陶板は原画写真と見比べて確認されます。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
最後の仕上げは手作業で行われます。
釉薬を塗り重ね、微妙な色合いを修正します。
思い通りの色が出なければ、何度でも焼き直しになるといいます。
陶板は日光や温度変化にも強く、耐久性も高いため、2000年持つといわれています。
2枚の《最後の晩餐》
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作、《最後の晩餐》も見ることができます。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
しかし大塚国際美術館では《最後の晩餐》が2枚、向かい合うように展示されています。
これは一体どういうことでしょうか?
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
じつは《最後の晩餐》は、1977年から約20年にわたり大規模な修繕作業が行われました。
大塚国際美術館にあるこの2枚は、それぞれ修復前のものと、修復後の現在の状態なのです。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
こういう楽しみ方もできるのも大塚国際美術館ならではですね!
《受胎告知》の部屋
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
こちらの展示室では「受胎告知」をテーマにした作品が集合しています。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
「受胎告知」とは、大天使ガブリエルが聖母マリアにキリストを妊娠したことを伝える場面です。
西洋絵画では伝統的に描かれてきたモチーフです。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
ここには14人の画家による『受胎告知』が展示されています。
当然、本物の作品はそれぞれ違う美術館に展示されていますので、こういった見方ができるのも大塚国際美術館ならではです。
7つの《ヒマワリ》
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
最後に紹介するのはゴッホが描いた、代表作《ヒマワリ》を集めた部屋です。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
世界中の美術館や個人所蔵になっているヒマワリが一つの空間に集まっているのです。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
ゴッホの盛り上がった独特なタッチも再現されています。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
こちらの《ヒマワリ》は美術館所蔵の作品ではなく、現在個人が所蔵しているもののレプリカです。
本物は個人蔵ですので展覧会に出ることはほとんどありません。
ここ大塚国際美術館でしか見ることができない貴重な《ヒマワリ》です。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
こちらの《ヒマワリ》は本物が既に焼失してしまったものを再現した、幻の《ヒマワリ》です。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
焼失する前は日本人実業家が所有しており”芦屋のひまわり”と呼ばれていました。
当時この《ヒマワリ》は、美術館建設のために購入されたものでした。
そんな貴重な作品ですが、1945年の空襲で残念ながら焼失してしまいました。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
失われた作品はどのようにして再現されたのでしょうか?
じつは大正時代にこの《ヒマワリ》のカラー印刷で図版が残されていたのです。
大塚国際美術館では、それを参考に”幻のひまわり”が再現されました。
画像出展元:テレビ番組「絶景!瀬戸内アート旅 北川景子の感動島めぐり」より
他の《ヒマワリ》には見られない、ロイヤルブルーの背景が特徴です。
二度と見ることのできない作品が陶板でよみがえったのです。
今回の記事はここまでになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。