2023年12月27日にBS日テレにて放送された【京都・天下人が愛した美 北川景子が迫る名宝の秘密】の内容をまとめました。
番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
この記事では「世界遺産 醍醐寺」についてまとめていきます。
名庭園の秘密
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
京都市伏見区にある醍醐寺。
平安時代に創建されたこのお寺は、世界遺産に登録されています。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
春には約700本の桜が咲き誇る醍醐寺は”花の醍醐”と呼ばれる、京都屈指の桜の名所です。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
三宝院に豊臣秀吉ゆかりの庭園が残されています。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
三宝院庭園は静かな空気が流れる、格式高いお庭です。
まさに絶景ですね!
この庭園は、特別史跡・特別名勝に指定されています。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
三宝院庭園を眺めることができる建物、表書院(おもてしょいん)も国宝に指定されています。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
この庭は豊臣秀吉の発案によって1598年に造られました。
約1300人を招待して行われた「醍醐の花見」。
その下見で秀吉が醍醐寺を訪れた際に、その荒廃した姿に心を痛め、復興するとともに庭を自ら設計したといわれています。
この三宝院庭園には普通のお庭には見られない、秀吉ならではのこだわりが随所に見られるといいます。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
三段の滝から水が流れています。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
池があり、その手前に枯山水があらわされています。
枯山水は通常、水のないところに造られますが、この三宝院庭園では違います。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
またこちらの二つの島はそれぞれ亀島と鶴島と名付けられています。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
こちらは木の橋です。
こちら以外にも土の橋と石の橋があります。
この三宝院庭園には庭造りの全ての要素が入っているのです。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
通常、こういった日本庭園では数ある庭園造りの要素から幾つかをピックアップして造られますが、秀吉は全部の要素をこの庭に詰め込んだのです。
全てごちゃまぜにしても全体として調和が取れている、独自の美しさをつくり出しているのです。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
住職の仲田順英さんは秀吉がこの庭に込めた思いを次のように語ります。
「秀吉公が目指したのは、人もお互いに調和をして、仲良くやっていきましょうねという。本当に平和を願っていたのが秀吉公ではないかと」
しかし残念ながら秀吉はこの庭の完成を見ることなく、1598年に亡くなってしまいました。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
この庭のもう一つのポイントが「石」です。
通常、日本庭園は石の種類や色味をある程度統一して造られます。
しかし、三宝院庭園には全国各地から運ばれた様々な趣の異なる石が置かれています。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
中でも有名なのがこちらの『賀茂の三石』です。
枯山水は”水”を表現していますが、これらの三石はそれぞれ川の流れを表しています。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
まず一番左側の石ですが、この荒い模様から加茂川上流の水流の激しさを表しています。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
真ん中の石は穏やかな中流を表しており、一番右側のどっしりとした石で下流を表しています。
この3つの石で加茂川を表現しているのです。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
これらはすごく変わった風合いの石ですが、どのように集めたのでしょう?
住職の仲田さんは「色んな人がそれぞれの名石を秀吉に持ち寄ったことで、自然と良い石が集まったのでは?」と言います。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
もう一つ、三宝院庭園で有名な石が『藤戸石(ふじといし)』です。
別名”天下を取る石”ともいわれ、歴代の天下人が持っていたと伝わります。
秀吉が聚楽第からこの庭園に移したと伝わり、それ以前には織田信長も所有していたといわれます。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
”藤戸”いう名称は能の演目である「藤戸」が由来です。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
庭園の中でもひときわ目立つ藤戸石。
藤戸石があるのとないのとでは、庭園の雰囲気も変わるほどの存在感です。
醍醐寺の美仏像
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
1100年以上の歴史を持つ醍醐寺には、国宝や重要文化財の数が7万5千点以上。
未指定の文化財を含めるとその数は10万点以上にのぼります。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
貴重な醍醐寺の寺宝を見ることができるのがこちらの霊宝館で、毎年春と秋に特別展が開かれています。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
こちらは国宝の《薬師如来坐像》です。
平安期に醍醐天皇の発願によってつくられたこちらの仏様は、大きな頭と太い腕が特徴で、どっしりとした力強さを感じられます。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
同じく平安期につくられた《如意輪観音座像》は、6本の腕を持ち、人々に救いをもたらしてくれる仏様です。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
こちらは《五大明王像》です。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
《五大明王像》のうちの《不動明王像》は憤怒の形相で、目を大きく見開いています。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
こちらは三宝院のご本尊の『三宝院本堂』。
ここに快慶作の仏様がいらっしゃいます。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
弥勒菩薩は遠い未来に人々に救いをもたらしてくれるという仏様です。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
とても優しく穏やかな表情の仏様です。
こちらの仏像がつくられた鎌倉時代には、仏様の顔がだんだんと人間のような表情に近づいてきます。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
作者の快慶は、鎌倉時代に活躍した仏師です。
東大寺の金剛力士像で運慶とともに知られています。
運慶作は力強さを感じられるのが特徴ですが、快慶の作品は優美さがその特徴です。
画像出展元:テレビ番組「京都・天下人が愛した美」より
流れるようなお体のラインからは穏やかさ・優しさを感じられます。
今回の記事はここまでになります。