『葛飾北斎コーナー』【アートステージ、2021年3月放送分】

アート・ステージ

TOKYO MXで放送された「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」内のコーナー【葛飾北斎コーナー】にて取り上げられた作品をまとめました。

今回の記事では2021年3月に取り上げられた内容についてまとめていきます。

番組内容に沿ってそれでけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。

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葛飾北斎の揃物

揃物(そろいもの)』というのは、「シリーズもの」という意味で、最もよく知られているのが『富嶽三十六景』でしょう。
富嶽三十六景』は富士山を様々な場所から描いた揃物で、北斎70代前半の頃の作品です。

全46図から成る『富嶽三十六景』を仕上げたあたりから、北斎は錦絵の揃物を次々に発表しています。一例を挙げていきますと…

  • 百物語
  • 千絵の海(ちえのうみ)
  • 諸国瀧廻り(しょこくたきめぐり)
  • 諸国名橋奇覧(しょこくめいきょうきらん)

などがあり、これらの揃物にはいずれも北斎の代表作があります。
また上に挙げた『百物語』以外は、いずれも「海」「瀧」「橋」など”水”に関連したものという共通点があります。

『諸国瀧廻り』

続いてはその揃物の中から、『諸国瀧廻り(しょこくたきめぐり)』についてまとめていきます。
諸国瀧廻り』は全八点からなる揃物で、それぞれの滝を北斎が実際に目で見た上で、北斎ならではのアレンジで描かれたもので、たいへんに人気があります。

今回はその中から2点、ご紹介します。

『下野黒髪山きりふりの滝』

こちらは『下野黒髪山(しもつけくろかみやま)きりふりの滝』という作品です。
描かれているのは、栃木県日光の三大名瀑の一つです。
霧降(きりふり)の滝は二段になっており、その水の流れがまるでタコの足のように生き生きと表現されています。

流れ落ちた水しぶきも、細かくリアルに描かれています。

『木曽路の奥阿弥陀ケ滝』

木曽路の奥阿弥陀ケ滝(おくあみだがたき)』は、岐阜にある東海一の名瀑といわれる滝を描いています。


この作品ではなんと、丸の中から水が流れ落ちるという斬新な構図が用いられています。
まるで現代美術のような新しさで、「奇想の滝」としても知られています。

北斎の人物像

北斎が印象派に影響を与えた事はよく知られていますが、じつはそれ以外にも様々な分野において影響を与えています。

万能の絵師」と呼ばれた北斎は、自然や人間をとてもよく観察して描き、積極的に古典も学んでいます。

画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より

西洋の遠近法や、中国の故事や物語の人物まで描いている事からも幅広い視野を持っていたことが分かります。
江戸最大の知識人」ともいわれており、当時百科事典を作ろうともしていたとか。
その原画の一部を2020年に大英博物館が購入し、話題になりました。

画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より

細やかで繊細な絵を描く北斎ですが、じつは180センチ近くの身長があったといわれています。
その体のとおり、人としての器、度量の大きい人物でした。

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