【アートシーン】ゴッホ展/曽我蕭白展

その他美術番組

2021年10月31日にNHKで放送された「日曜美術館アートシーン」の展覧会紹介の内容をまとめました。

*画像出展元:テレビ番組「日曜美術館 アートシーン」より

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ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとフィンセント

木立を描いた1枚の絵。
少々地味にも見えますが、作者は誰か分かりますか?

フィンセント・ファン・ゴッホです。
本格的に油絵を描き始めて間もない30歳の時の作品。

ゴッホは無名のままで生涯を終え、20世紀初頭までほとんど知られていませんでした

そんな頃、このごく初期の油絵を買ったのが、オランダ人の資産家ヘレーネ・クレラー=ミュラーでした。

美術評論家からゴッホの話を聞いて以来、その魅力に取りつかれ、20年間で90点余りの油彩画180点を超える素描や版画を集めます。

彼女の熱心な収集がゴッホの世界的な評価に繋がりました

ファン・ゴッホ美術館に次ぐ世界第二のゴッホコレクションクレラー=ミュラー美術館から選りすぐりの作品が来日しています。

ヘレーネゴッホ作品を集め始めたのは、1908年のことでした。20世紀初頭、ゴッホの評価は今日のように広く確立されたものではなく、今よりもかなり低い金額で作品を集めることができました

ヘレーネは購入を始めたかなり早い段階から美術館を設立することを志しました。ですので、人々とゴッホ作品を共有するために、初期から晩年まで体系的に収集をしています

まず初期の素描から。
「画家になるためには、素描に習熟しなければならない」と、ゴッホはデッサンに取り組みます。

ジャガイモ畑で働く農民たち。
何度も引かれた線には試行錯誤の跡が見られます。

オランダ時代のゴッホは、バルビゾン派ハーグ派の影響を受け、身近な風景や農民などを暗い色調で表現しました。

作風がはっきり変わったのは1886年、パリに住んでから

新印象派の画家たちの点描表現を取り入れ、光と色彩にあふれる作品を描きました。

1888年より強烈な光と色彩を求め、ゴッホ南仏アルルに向かいます。

これはミレーの《種まく人》をモチーフにした作品。

巨大な太陽の光を受け、麦畑が黄金色に輝きます。

クレラー=ミュラーの収集は、ゴッホが精神を病んだ晩年の作品にも及びます。

ゴッホが入院した療養所の秋の庭。
色づく木々の落ち着いた色調とうねるようなタッチが、複雑な心模様を映しているかのようです。

天に向かって燃え上がる炎のような糸杉。
こちらも療養所で描かれました。

星を中心に黄色から緑、白へと変わるタッチは拡散する光を表しています。

さまざまな色が響き合い、生き物ような生命感が生まれています。

これを描いてから2か月半後、ゴッホは自らの命を絶つこととなりました

上野の東京都美術館で12月12日まで。
その後福岡市美術館、名古屋市美術館に巡回します。

曽我蕭白 奇想ここに極まれり

江戸時代に活躍した奇想の絵師、曽我蕭白の全貌に迫る展覧会。

たそがれの光に包まれた水辺の風景。
中国の文人、林和靖(りんなせい)とその詩をモチーフにしています。

うねるように幹を伸ばし、画面全体に動きを与える梅の古木。

梅を愛したことで知られる林和靖(りんなせい)ですが、蕭白は退屈したような表情で描いています。

口を開けた阿形(あぎょう)と、口を閉じた吽形(うんぎょう)
一対の唐獅子図です。

太い筆で勢いよく引かれた線が躍動感を表しています。

その顔はどこかユーモラス。

飢えた鬼の空腹を満たすため、自らの身を差し出そうとする童子。
蕭白は色使いにも独自の感性を発揮します。

童子の衣の赤。

鬼の体の青。
目の覚めるような原色が強烈なインパクトを与えます

名古屋市の愛知県美術館で11月21日まで。

今回の記事はここまでになります

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