【レポート】東郷青児 蔵出しコレクション@SOMPO美術館

2021年

こんにちは、masayaです。
「masaya’s ART PRESS」をご覧頂きありがとうございます。

今回は2021年の展覧会一発目!
東京・新宿のSOMPO美術館で2020年11月11日㈬から2021年1月24日㈰まで開催の「東郷青児 蔵出しコレクション」の感想レポートを書いていきたいと思います。

鑑賞日:2021年1月6日(水)
*2021年の展覧会初め!!

展覧会名:東郷青児 蔵出しコレクション~異国の旅と記憶~

鑑賞時間:60分
料金:1,000円(一般)
写真撮影:一部の作品に限り可
グッズ購入額:1,500円(収蔵品目録)

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展覧会の感想

今回僕が2021年の展覧会初めに足を運んだのは、SOMPO美術館の『東郷青児 蔵出しコレクション~異国の旅と記憶~』です。

この展覧会、じつは元々予定されていた展覧会ではなかったんですね。

本来のSOMPO美術館のスケジュールでは、2020年の10月から12月にかけて『ゴッホと静物画~伝統から革新へ~』という展覧会が予定されていました。
しかしコロナ禍の影響で、作品が来日できずこの展覧会は中止

代わり企画されたのが、今回の展覧会『東郷青児 蔵出しコレクション~異国の旅と記憶~』だったわけです。
そういった背景もあり、この展覧会の出展作品がほとんどSOMPO美術館が所蔵する作品です。

僕自身、東郷青児が大好き(日本人画家でトップ3に入るほど!)なので、過去の展覧会なども行ってますが、この展覧会は今まで知らなかった一面も見られる、良い展覧会でした。
特に、晩年東郷が足を運んだ、海外の光景や人物をモデルにした作品は素晴らしかったです。

2017年にSOMPO美術館の前身、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催された『生誕120年 東郷青児展』が美人画に注目した展覧会だったのに対し、今回の展覧会は東郷画業の全般を振り返るような展覧会だったように思います。

ただ展示作品数がおよそ140点と若干少なめです。
(チケット代も1000円と低めの値段設定ですしね)
元々予定していた展覧会が中止になっての開催ですから、そこは仕方ないかなと思いました。

作品紹介

展覧会会場に入ると、先ず見えるのが東郷青児が実際に使用していたという旅行カバン、イーゼルやパレットなどの画材道具です。

この展覧会は、「旅」というテーマを切り口に紹介しているとの事で、そのスタートに相応しい展示になっています。

また今回の展覧会では、一部の作品が撮影可となっていました。
今回の記事では私が実際に撮影した作品をまとめていきます。

5階展示室


《コントラバスを弾く》1915年
東郷青児
SOMPO美術館蔵
撮影:masaya(2021年1月)

東郷の画業のスタートはキュビスム的な作品です。
この絵を描いた頃、東郷はあの有名な作曲家・山田耕筰と交流がありました。
また音楽に対しても強い関心を持っていました。

個人的にこの作品は非常にセンスが感じられる作品だなと思います。
そしてこの作品が描かれたのが18歳の頃だというのですから、更に驚きです。


《南仏風景》1922年
東郷青児
SOMPO美術館(寄託:一般財団法人 陽山美術館)
撮影:masaya(2021年1月)

こちらは《南仏風景》という作品で、東郷青児がフランスに留学して約1年後に描かれました。
描かれている場所はカーニュと呼ばれる南仏にある町です。

この頃の東郷は”未来派”で有名なマリネッティとも交流がありました。


《赤いベルト》1953年
東郷青児
損害保険ジャパン株式会社蔵
撮影:masaya(2021年1月)

東郷青児の美人画”といえば!な画風の作品ですね。
今日私たちがイメージする”青児美人”のスタイルは、7年間のヨーロッパ留学から帰国した後に確立されました。

この作品は特にベルトの陰影の表現が美しかったですね。

4階展示室


《女体礼賛》1972年
東郷青児
SOMPO美術館蔵
撮影:masaya(2021年1月)

僕の中での東郷青児の美人画のイメージは、多少姿・形はデフォルメされていますが、それが美しさの秘密だと思っていました。

首や体型がここまで細く描かれて、ここまで現実離れした姿の作品はあまり見た事なかったので、少し衝撃的でした。
また腕が5本と奇数なのもちょっと怖かったです(笑)

ただこれが75歳の時の作品だというのは、驚きです…


《タッシリの男》1972年
東郷青児
SOMPO美術館蔵
撮影:masaya(2021年1月)

美人画で有名な東郷青児が、男性を描いたらどうなるか?

こうなります!めちゃくちゃイケメンですね!

彼の腕に掛かれば、男性もこんなに美しくなるのですね。
この作品を見て思ったのは、東郷青児は対象の中に美を見つける観察眼、そしてそれを表す表現力が素晴らしいなと思いました。

東郷青児は晩年はサハラ砂漠に行き、現地のトゥアレグ族と共にテント生活をしていました。
この作品はこの時に描かれたものです。

タイトルにある”タッシリ”とはアルジェリア南東部の地名です。


《日蝕》1976年
東郷青児
SOMPO美術館蔵
撮影:masaya(2021年1月)

東郷青児75歳から彫刻制作に取り組みます。
こちらの《日蝕》は79歳の時の作です。

3階展示室

5階と4階は東郷青児の作品が展示されていますが、3階からは外国人作家のコレクション東郷作品が3点、そして収蔵品コーナーになっていました。


《貴婦人》1976年
東郷青児
SOMPO美術館蔵
撮影:masaya(2021年1月)

この作品も見た時は衝撃的でした。
東郷作品といえば、筆跡の残らない、非常に滑らかなタッチが特徴だと思っていたので、このような作品を描いていた事に驚きでした。

画面の作り方はジョルジュ・ブラックのように見えますし、画面上部の女性の顔の描き方もどこかピカソ風に見え、キュビスム作品のように感じられます。

キャリア初期はキュビスム的の作品を描いていた事を考えると、この作品はある意味「原点回帰」のような作品なのかな、と思いました。

《ひまわり》ゴッホ


《ひまわり》ゴッホ
1888年
SOMPO美術館蔵
撮影:masaya(2021年1月)

収蔵品コーナーでは、あのゴッホの《ひまわり》が撮影OKになっていました。

開館記念展の時は撮影NGだったんですよね。

やっぱりこの作品はいつ見ても素晴らしいですね。
東郷作品ももちろんですが、2021年のスタートから《ひまわり》を見られて良かったです。
なんだかパワーをもらえた気がします。

展覧会会場は非常に空いており(僕の他には2,3人のお客様しかいませんでした)、《ひまわり》も一人独占して見る事ができました。

とても贅沢な時間でした!

今回の記事は以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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