【美術展レポート】ハプスブルク展@国立西洋美術館

2020年

今回は上野の国立西洋美術館で開催されてました「ハプスブルク展」のレポートです。
2019年10月から約4か月間開催されましたが、まさかの最終日に行くという・・・
そして当たり前ながら大変混雑しているという・・・(笑)

そんな既に終了した展覧会の感想ですが、是非読んで頂ければ幸いです(^^♪

鑑賞日:2020年1月26日(日)*最終日

展覧会名:
日本・オーストリア友好150周年記念
ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史
会場:国立西洋美術館

鑑賞時間:約30分
料金:1,700円(当日一般)
写真撮影:NG

スポンサーリンク

展覧会の感想

最終日の天気はでした。
寒くて外に出るのも億劫になるほどでしたが、頑張って支度。

前日のインスタのストーリーで「明日までだー行かなきゃー」的な投稿を挙げたところ、沢山の方から「良かったので、行った方がいいですよ」と返信を頂いたおかげで、「行かなきゃ」と思えました。
それがなかったらもしかしたら行ってなかったかもしれません(笑)

やはり行って正解でした。
ハプスブルク家なんて教科書の中だけの世界だと思っていたのが、その豪華絢爛な世界の一端を実際に見られた事に感動しました。
絵画作品のみならず、鎧から工芸品、最後の方はピストルまでありましたね。

実際にその世界に触れる事で、いかに強大な権力を持っていたか。
そしてそれが美術の世界にどれほど影響を与えたか。
それを感じることができた素晴らしい展覧会でした。
絵画作品で特に感動したのが、《マリーアントワネットの肖像》と《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》でした。
(詳しい感想や解説は下に書きます☟)

歴史上の人物の肖像画を見るのってやっぱりテンションがあがりますね♪

ただ展示の大半がハプスブルク家関連の美術と宗教画のため、分からない(理解が難しいもの)が多かったです
予習した作品は問題なかったですが、600年の歴史をそう簡単に分かるようにはなりませんよね・・・(-_-)

もしいつか今度は僕がウィーンに行くことがあれば、今よりもっとハプスブルク家や宗教画に対する理解を深めて、今回見た作品を再び見られたらなと思いました。

気に入った5作品

今回のハプスブルク展で私が良かった思った作品、気になった作品を5つ(5項目)取り上げようと思います。

《神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世の(1459-1519)の甲冑》

画像出展元:「ハプスブルク展」公式図録より

今回の展覧会の目玉の一つは、やはり「甲冑」ではないでしょうか。

全部で4点の甲冑が展示されていましたが、折角なのでその中から一つピックアップしようと思い、一番良いなと思ったのがこちらの甲冑でした。
他の甲冑が溝状の模様が入っていたり、キラキラ装飾されていたのに対して、こちらはかなりシンプルな造りだなと思いました。
凝りすぎてないところが逆に良いと申しますか。

およそ500年前のものなので、もうちょっと傷んでいたり、光沢もなかったりするのか思っていましたが、想像以上に綺麗な状態で驚きました。

こちらはタイトルにもある通り、マクシミリアン1世によって注文された甲冑で、宮廷付き甲冑師のロレンツ・ヘルムシュミットによって作られたものです。

《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ(1651-1673)》ディエゴ・ベラスケス


《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ(1651-1673)》
1659年
ディエゴ・ベラスケス
ウィーン美術史美術館蔵

正直この一枚が見られただけで満足といえる程素晴らしい作品でした。
まさに名画
ドレスの光沢や腕のレースは、こうやって画像でみてもその質感が見事ですが、近くで見ると粗いタッチで驚きました。
それがこうやって画像でみたり、実物を距離を取って見た時に、そのタッチが抜群に特徴をを捉えており、さすがベラスケスすごいなと、と感心しきりでした

すぐ隣にベラスケスの弟子が描いた《緑のドレスの王女マルガリータ・テレサ》も展示されていましたが、上手さは格別でしたね。

《緑のドレスの王女マルガリータ・テレサ(1651-1673)》


《緑のドレスの王女マルガリータ・テレサ(1651-1673)》1659年頃
フアン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソ
ブダペスト国立西洋美術館蔵

ベラスケスの娘婿で一番弟子のフアン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソが模写した作品ですね。
これはこれで良かったのですが、ベラスケスと比べてしまうとどうしてもという感じですね。

なんだか顔に生気を感じられないというか、陶器でできたみたいな顔付きでしたね。

あと個人的には、今「ブダペスト展」ブームなので(笑)、この作品が、「ブダペスト国立西洋美術館」の収蔵作品だという事にびっくりしましたね。
他にもその美術館から来てるものが多く、「ブダペスト国立西洋美術館」はすごい数の作品を今日本に貸し出ししているのだなーと思いました。

《ユピテルとメルクリウスを歓待するフィレモンとバウキス》ペーテル・パウル・ルーベンス工房


《ユピテルとメルクリウスを歓待するフィレモンとバウキス》
1620-25年頃
ペーテル・パウル・ルーベンス工房
ウィーン美術史美術館蔵

この主題は以前、アダム・エルスハイマーという画家の作品で見聞きをした事があります。
オウディウスの『変身物語』に基づくお話です。
タイトルにもある通り4人の人物が登場しますが、向かって左から
ユピテルメルクリウスフィレモンバウキスです。

神々の父ユピテルとその伝令使のメルクリウスが、人間に変装して一夜の宿探しをしていました。
ところが誰も二人に宿を提供せず、たらい回しにされます。
やっとの事でフィレモンバウキスという老夫婦と出会い、小屋へと招かれます。
老夫婦は二人をもてなそうと食事やお酒を出しますが、お酒がいくら飲んでも減っていないのを見て、二人が神とその使いである事に気が付きます

ユピテルメルクリウスは老夫婦を山の頂上へと連れ出し、他の不親切な人間に罰を与えるために、大洪水を起こして全てを滅ぼします。
老夫婦は親切にしたおかげで、洪水には巻き込まれず助かったいうお話です。

こえ~~

神様といえ無茶苦茶やないかい!

と思いました(笑)
老夫婦だけが何かから助かるとかならまだ分かりますが、わざわざ洪水を起こさんでも😅

《フランス王妃マリー・アントワネット(1755-1793)の肖像》


《フランス王妃マリー・アントワネット(1755-1793)の肖像》
1778年
マリー・ルイーズ・エリザベト・ヴィジェ=ルブラン
ウィーン美術史美術館蔵

僕の好きな画家の一人、ヴィジェ=ルブランの作品です。
この画家は女性なんですが、すごく綺麗な方なんですよね😍

そして描く肖像画も美しいという。
このマリー・アントワネットの肖像も綺麗でしたね。
ドレスの質感は絵画とは思えないほど見事。
そしてマリー・アントワネットを照らすスポットライトのような、優しい光の表現も良かったです。

《エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像》


《エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像》
1796年
エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン
ルーヴル美術館蔵

こちらは今回の「ハプスブルク展」の作品ではありませんが、同じヴィジェ=ルブランの作品です。
そうなんです!女性の肖像画が本当に美しい!
見覚えのある方もいらっしゃるかとは思いますが、2018年の「ルーヴル美術館展」に出品されていた作品です。

《聖母子》カルロ・ドルチ


《聖母子》1660-70年頃
カルロ・ドルチ
ウィーン美術史美術館蔵

国立西洋美術館ファンには御馴染み、カルロ・ドルチの作品がありました。
「はて、そんな画家は知らんな?」という方も、常設展を見たことある方はこちらを御存知ではないでしょうか?


国立西洋美術館所蔵の《悲しみの聖母》という作品です。
こちらを描いたのが同じカルロ・ドルチなのです。
(ちなみに同じ日に常設展に行ったら、この作品は展示されていませんでした~😭)
個人的に「ザ・綺麗な西洋美術」と思っているカルロ・ドルチ(笑)
この作品でも筆跡の残らない綺麗なグラデーションや、人物の美しく憂いのある表情、良いですね~~😍イエス様は後光を放ち、カメラ目線で存在感抜群です。
でも、僕はどうしても美しいマリア様に目が行ってしまいますが。。。

《オーストリア大公クラウディア・フェリツィタス(1653-1676)》カルロ・ドルチ


《オーストリア大公クラウディア・フェリツィタス(1653-1676)》
1672年
カルロ・ドルチ
ウィーン美術史美術館蔵

もう一点、今回の「ハプスブルク展」にはカルロ・ドルチの作品が来てましたね。
こちらはそんなに好みではないですが・・・

さいごに

以上、ハプスブルク展のレポートでした。
「あの絵も良い、この絵も良い」というよりは、めちゃくちゃ好きな作品が数点ある、といった感じでしたね。

冒頭でも書きましたが、いつか本場のウィーンで今回見た作品にまた出会えたら嬉しいなと思いますね。

最後までご覧頂きありがとうございました(*^-^*)

コメント

  1. […] 【美術展レポート】ハプスブルク展@国立西洋美術館 […]

タイトルとURLをコピーしました