第2部 デュシャンの向こうに日本がみえる。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
『マルセル・デュシャンと日本美術』では展示の最後、日本美術の作品が展示されていました。
デュシャンの作品や表現活動を知った上で、”枠にとらわれない見方”で日本美術を見ると、また違った発見があるといいます
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
こちらは茶人・千利休の作と伝わる竹製の花入れです。
豊臣秀吉が小田原攻めをした際に、千利休が同行します。
その際に箱根の山から取ってきた”ただの竹”を茶席で花入れとして使いました。
日本の自然の造形美を、茶の湯の新しい美意識として持ち込んだのです。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
この作品の後方には「園城寺(おんじょうじ)」と銘が入っています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
さらに前方にはひび割れがあります。
これは滋賀県にある三井寺(園城寺)の鐘に、ひびが入っているのと掛けているのです。
(この三井寺の鐘は「弁慶の引き摺り鐘」と呼ばれています)
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
現代でも茶席に竹製の花入れが置かれますが、これはこの作品、千利休以降に定着していくのです。
それ以前は、中国からきた唐物が使われていました。
千利休が”何でもない物に価値を見出した”結果、そこに”新しい価値”が生まれたのです。
確かにこれはデュシャンののレディメイドに通ずるものがありますね!
いかがでしたでしょうか。
今回の『デュシャンと日本美術』の特集記事は以上になります。
最後までご覧頂きありがとうございました。