【トーハク】デュシャンと日本美術③【ぶらぶら美術館】

ぶらぶら美術・博物館

2018年11月6日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#288 アートの秋!トーハクで名作ざんまい豪華2本立て!~快慶の傑作仏!「大報恩寺」展と芸術を揺るがした「マルセル・デュシャン」~】の回をまとめました。

今回の記事はパート3になります。
前回のパート2はこちら☚からご覧いただけます。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

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《瓶乾燥機》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

画家を辞めてしまったデュシャンは、”画家でないアーティスト”として活動していきます。


《瓶乾燥機》1961年
マルセル・デュシャン
(レプリカ/オリジナル1914年)
撮影:masaya(2018年12月)

こちらもパート1でご紹介した《自転車の車輪》同様、レディメイドの作品です。
自転車の車輪》の翌年1914年に発表されました。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらは元々はワインの瓶などを逆さまにして乾かすためのボトルラックです。
フランスで大量生産されたもので、デュシャンはこれをパリのデパートで購入、それを展示会場に置いたのです。

せめて色を加えるとか、もうひと手間して欲しいですが…

当然これを見た当時の人たちの最初の反応は、「は?これがアート⁇」といったものだったといいます。

そりゃそうだ!

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

”瓶乾燥機”がオブジェとして展示会場に置かれる事で、本来の意味や要素がなくなります
そして新たな芸術作品としての価値、もっといえば金銭的な価値が生まれるのです。

今日の現代美術の世界でも様々な形で創作活動がなされますが、その起点はデュシャンにあるといえるのです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらの”瓶乾燥機”はそのままのタイトルですが、デュシャンはここからタイトルに凝り始めます
何かにちょっと変わったタイトルを付けたら、イケる!」と気づいたのだと、山田五郎さんは言います。

《泉》


《泉》1950年
マルセル・デュシャン
(レプリカ/オリジナル1917年)
撮影:masaya(2018年12月)

こちらはご覧の通り”便器”です。
そこに「R. MUTT 1917」とサインし、《》というタイトルを付けました。

「便器」に”泉”はセンスがあるなぁ

デュシャンはこの《》を、1917年のニューヨーク独立芸術家協会の展覧会に出品します。
デュシャンはその展覧会の審査員も務めていました。

そこでデュシャンは名前を伏せて、架空の人物「リチャード・マット」の名義でこの《》を出品するのです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

ちなみに「リチャード・マット」の由来は、インテリア等を手掛けるメーカーの「J・L・モット・アイアンワークス」の”モット”から取られ、この便器もそのメーカーのショールームで購入されたものです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

展覧会の審査員たちに議論された後、「どうみても芸術作品ではない」として展示を拒否されます

その決定に憤慨した(ていの)デュシャンは、友人が発行する『ザ・ブラインド・マン』という雑誌に「R・マット事件」として記者に記事を掲載させ、協会批判をするのです。

一方、メディアでも《》について論争が巻き起こりますが、その多くが否定的な拒否反応だったといいます。

そりゃそうだ(笑)

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

しかしこれらの騒動まで全部含めて、デュシャンの芸術だといいます。
MUTT氏の作品はこんなに意義のある事だ」などと、自らの作品である事を隠して世間を煽りました。そしてそれがまた世間をお騒がせするのです。

山田五郎さんはこのデュシャンの一連の行動を、元祖「炎上商法」、そして元祖「自演商法」だといいます。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

便器が芸術だなんて」という反応が巻き起こるかどうかを試し、”芸術の価値観の問題提起”を意図的に引き起こしたのです。

観た人が色々な想像を膨らませて、色々な事を言ってくれそうなものを選ばなければ、という意味でも「便器」をチョイスしたのはデュシャンのセンスのといえるでしょう。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この《》という作品は世界中に幾つもレプリカがあります。
この『マルセル・デュシャンと日本美術』で展示されていたものもレプリカです。

デュシャンが便器に「R. MUTT 1917」とサインすれば、それは《》になるのです。

ちなみに山田五郎さんがドイツの美術館を訪れた際、館内の便器すべてに「R. MUTT 1917」のシールが貼ってあったといいます(笑)

良いですね、そのシール!
僕も自宅のお手洗いに貼りたい!

今回の記事はここまでです。
パート4へと続きます。
こちら☚からご覧頂けます。

コメント

  1. […] 今回の記事はパート4になります。 前回のパート3はこちら☚からご覧いただけます。 […]

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