【トーハク】デュシャンと日本美術①【ぶらぶら美術館】

ぶらぶら美術・博物館

2018年11月6日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#288 アートの秋!トーハクで名作ざんまい豪華2本立て!~快慶の傑作仏!「大報恩寺」展と芸術を揺るがした「マルセル・デュシャン」~】の回をまとめました。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

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特別展「マルセル・デュシャンと日本美術」

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

今回は2018年に東京・上野の東京国立博物館平成館で開催された展覧会『マルセル・デュシャンと日本美術』についてまとめていきます。

マルセル・デュシャン(1887-1968)は”現代アートの産みの親”と言われる偉大なアーティストです。
この展覧会は彼の没後50年を記念して、アメリカのフィラデルフィア美術館が所蔵する作品、およそ150点が展示されました。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

とにかくお洒落でカッコいい!センスの塊のようなアーティストです。

時代的にはピカソよりも少し後、藤田嗣治(1886-1968)とほぼ同時代を生きました。

デュシャンにより西洋美術が終わった
デュシャンから現代アートが始まった
とまで言われるほど、美術史上重要な人物なのです。

《自転車の車輪》


《自転車の車輪》
マルセル・デュシャン
1964年(レプリカ/オリジナル1913年)
撮影:masaya(2018年12月)

展覧会会場入って先ず見えるのが、こちらの《自転車の車輪》という作品。
見ての通り、自転車の車輪を逆さまにして、台所の椅子に付けた”だけの作品です。

これを”アートだ”って言って、世に出したのがすごいですね!

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この作品が、デュシャン初のレディメイド作品であり、西洋美術史上でも初めての事でした。
レディメイド」は既製品という意味で、反義語は「オーダーメイド(=注文で作るもの)」になります。

それまでの”アート””芸術”というものは基本的に一点ものであり、芸術家が手仕事で作った作品でした。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

しかしデュシャンは自らの手で作品を作るのではなく、”百貨店で材料を購入”し、それに名前やタイトルをつけて、作品として発表したのです。

何を選ぶか?」「どう組み合わせるか?」「どんなタイトルを付けるか?
それが作品なんだ!”と主張したのです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

それまでにない発想で、”西洋美術を終わらせた男”と呼ばれたマルセル・デュシャン
今回の展覧会を通して、デュシャンの足跡を辿ると、彼がどのようにしてそこへ至ったのか分かるかもしれません。

《ブランヴィルの教会》

じつはデュシャンはキャリア前半は、画家としていわゆる”普通”の絵画作品を描いていました。


《ブランヴィルの教会》1902年
マルセル・デュシャン
フィラデルフィア美術館蔵

こちらはデュシャン15歳の時の作品です。

15歳でこの完成度は既にただ者でないのは分かりますね!

デュシャンはフランスのノルマンディー地方の村で生まれます。
描かれている教会は自宅からほど近くにあり、デュシャンはここで洗礼を受けています。

彼の家庭は父親が村長を務めるなど、非常に裕福だったといいます。
また祖父が芸術を愛する人だった事もあり、これがデュシャンを含む一家の兄弟に影響を与えました

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

デュシャンは7人兄弟で、その内一人が早くに亡くなっています。
残った6人の内、デュシャンを含め4人が芸術家になっています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この展覧会では、その兄たちと一緒に写った写真も展示されていました。

この写真は”ピュトー”という場所で撮影されました。
ピュトーはパリの少し外れの場所で、そこに兄二人のアトリエがあり、キュビスムの仲間が集まっていたのです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

キュビスムといえばの画家、ピカソブラックはモンマルトルにあるバトー・ラヴォワール(洗濯船)を拠点に活動していました。
ピュトー”と”バトー”で音が似ている事から、デュシャン兄弟は「あっちはバトーグループ、こっちはピュトーグループ」として、ここでキュビスムの作品を制作していたのです。

《デュムシェル博士の肖像》


《デュムシェル博士の肖像》1910年
マルセル・デュシャン
フィラデルフィア美術館蔵

モデルになっているデュムシェル博士とは、デュシャンの友人です。
全体的に不思議なオーラのようなものが描かれています。

特に手の部分は、ハンドパワー感がすごいですね!

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この不思議なオーラのようなものは、X線を表しているのではないかと言われています。
1895年にX線が発見されて以降、当時はX線ブームが起こっていました。

それまでのオカルト的なものが、科学的に説明する事ができるようになっていった時代です。
デュシャンは目に見える自然の描写だけではなく、超自然的なものも描こうとしたのかもしれません。

今回の記事はここまでです。
続くパート2では、デュシャンキュビスム作品について見てまいります。
こちら☚からご覧頂けます。

コメント

  1. […] 今回の記事はパート2になります。 前回のパート1はこちら☚からご覧いただけます。 […]

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