【ぶら美】マティス展①【美術番組まとめ】

ぶらぶら美術・博物館

2023年5月31日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#438 ピカソが嫉妬!“色彩の魔術師”アンリ・マティス大回顧~日本初公開も!初期から晩年までの画業が丸わかり~】の回をまとめました。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。

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『マティス展』@東京都美術館

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

今回は2023年8月20日㈰まで上野の東京都美術館で開催された『マティス展』についてまとめていきます。

今回のような大規模なマティスの展覧会が日本で開催されるのは約20年ぶりです。
この展覧会見れば、”色の魔術師”と呼ばれたマティスの全てがわかるといいます。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

世界最大規模の近現代美術のコレクションを誇るポンピドゥー・センター(フランス・パリ)が、2023年末より大規模な改修工事に入るということで、それに伴ってマティスの傑作の数々が来日しました。

展示作品はすべてマティスで、その作品数なんと約130点です。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

マティスといえば、「フォーヴィスム(野獣派)」のイメージが強いですが、今回の展覧会では彼の色彩の才能が開花する前、さらにはある意味”迷走していた”時代の作品など、一見するとマティス作だと分からないような、そんな作品も見ることができるといいます。

《自画像》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

展覧会の第1章は「フォーヴィスムに向かって」。
マティス初期の頃からフォーヴィスムになるまでを紹介しています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらは30歳頃に描かれたマティスの自画像です。

30歳頃で初期なの?」と思った方もいるかもしれません。
じつはマティスは当時の他の画家に比べると、非常に遅いスタートだったのです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

元々は法律家を目指して勉強していたマティス
ところが21歳の時に盲腸で入院し、その時に絵の道具を貰ったのをきっかけに画家を目指すようになるのです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらの自画像は”近代絵画の父”と呼ばれたセザンヌの影響を受けているといわれます。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この頃、マティスセザンヌに傾倒しており、実際にセザンヌの作品を購入したりしています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

マティスは早くに結婚しており、子供もいましたので、あまりお金に余裕はありませんでした。
そんな状態にもかかわらず、奥さんの指輪を売って、セザンヌの絵を買ったりしていたといいます。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この自画像はマティスの初期の作品ですが、すでに独特な色彩センスが垣間見られます。

マティスはどこか天才肌のように感じますが、実はとても努力家だったといいます。
更には新しい美術の動向にも関心があり、実際にそういった画家の元に足を運んだり、彫刻家のロダンに作品を見せにいったりしています。

《読書する女性》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらの作品は先ほどの《自画像》よりもさらに5年前。
26歳頃に描かれた《読書する女性》という作品。

マティスらしさは感じられないですね!

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

21歳の時に画家を目指したマティスは、その後国立美術学校を受験しますが何度も失敗。
やっとの思いで25歳の時に合格し、ギュスターヴ・モローに師事します。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

モローは神話や聖書を題材とした幻想的な作品を描いた画家で、国立美術学校の教授も務めていました。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

読書する女性》に直接的なモローからの影響はあまり見られませんが、ルネサンスやギリシャ古典からの影響をマティスは受けています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この作品がマティスの画家人生のスタートと見ると、以降の作品はかなり印象が変わるように思えます。
けれども、”画中画”や”窓”を使った画面構成・構図など、描きたいモチーフは一貫していることが分かります。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この《読書する女性》では「様々なモチーフを一つの画面におさめる」という実験を行っていると見ることができます。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この作品はその後、国に買い上げられることになります。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

作品が国に買い上げられ、評価を得たマティス
しかしそこに甘んじる事はなく、「新しい時代を切り開く芸術をやろう」と決意します。

そこでマティスがテーマとしたのが”旅”でした。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

マティスはフランスの北部のカトー=カンブレジで生まれました。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この時代、ゴーガンやナビ派の画家たちがポン=タヴェン(ブルターニュ地方)に集まり、新しい芸術を目指していました。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

マティスはそこでオーストラリア人の画家ジョン・ピーター・ラッセルに出会います。
彼からゴーガンやゴッホといったポスト印象主義の画家たちを教えられます。

彼らの作品を知る事で、マティスの中に「自分ももっと自由な絵を描いていいのではないか?」という思いが芽生えるのです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

さらにその後、南仏へと足を運び、”光”と”色”に着目していくようになります。

マティスは自分の目の前にある世界をどのように絵画に移し替えるか、ということを意識していました。
色彩がどのように自分の目に映るかが重要であり、旅をしながらその場所の風景の見え方に感化されて、作品を残していったのです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

ポスト印象主義のゴッホゴーガンセザンヌの影響を受けたマティス
さらに「光」を意識することで彼の作品は変化していくのです。

今回の記事はここまでになります。

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