【ぶらぶら美術・博物館】「ちょっと可笑しなほぼ三十六景」展③

ぶらぶら美術・博物館

2020年6月9日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#349 ぶらぶらプロデュース!夢の特別展①~葛飾北斎の凄さがわかる!漫画家・しりあがり寿「ちょっと可笑しなほぼ三十六景」展~】の回をまとめました。
今回の記事はパート3になります。
前回のパート2はこちら☚からご覧頂けます。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

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葛飾北斎《富嶽三十六景 尾州不二見原》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらは『富嶽三十六景』の中でも有名な作品です。
尾州不二見原(びしゅうふじみばら)》、通称「桶屋の富士」です。

今でも名古屋市の中区に富士見町という地名があり、その場所からの光景を描いていると言われます。
しかし実際はこの場所から富士山は見えないといいます。

昔の人は見えていた別の山を富士山だと信じて、「富士見町」としたと言われています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この「桶屋の富士」が『富嶽三十六景』の中では最西端の場所になります。
ですので富士山もたいへん小さく描かれています。

一度見たら忘れられないような桶の〇のインパクトが強烈な作品です。
名古屋という土地柄、この桶は味噌を仕込むためのものかもしれません。

しりあがり寿作《メビウスの桶》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

しりあがり寿さん曰く「この作品(桶屋の富士)は桶の輪っかをどうにかするしかない」との事でした。

この作品ではもう一つパロディー作品を作られています。

しりあがり寿作《たいへんよくできました》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

なんだか可愛らしい作品ですね。

輪っかを開いてはなまるに見立てています。
しりあがり寿さんは《メビウスの桶》の方はなんとなく頭のよさそうな感じになっているので、この《たいへんよくできました》ではもう少しくだけた表現を目指したといいます。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この作品では肝心の富士山は隠れてしまっています。

葛飾北斎《富嶽三十六景 甲州石班沢》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

作品の読み方は「こうしゅうかじかざわ」です。
一見海のように見えますが、実はここは山梨にある富士川という急流で知られる川のほとりです。
しかしここまでは激しい流れではないようで、これも北斎のデフォルメが入っていると考えられます。

この地域は鵜飼が盛んな地域でした。
男性が手にしているのは、鵜飼の手綱だと考えられます。

こちらは初刷りに近いもので藍色一色(ベロ藍と本藍)で表わされています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

この作品は後刷りになってくると、このように色が入ってくるようになります。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらも恒例の△尽くしになっています。
富士山の三角形と、岩から男性の頭を頂点に手綱へとつながる三角形が呼応するよう画面が構成されています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

隣に腰かけているのは子供です。
魚の入った籠を覗いています。

洗練された線の使い方が見事な作品です。
横の線は水や風の流れを表しているのに対して、手綱の糸はピンと張りつめており緊張感が伝わるようです。

しりあがり寿作《カンチョーいたす》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

これは今までのパロディー作品の中で一番好きかも!(笑)

子どものニヤけた緩い表情が見事です。
黙ってカゴを見ているのに飽きて、父親にちょっかいを出すというストーリーも見えてくる感じがしますね。

ここでカンチョーされたら岩場から落ちてしまいそうです(笑)

葛飾北斎《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

誰もが一度は目にした事のある代表的な作品といえるでしょう、《神奈川沖浪裏》です。

ここでいう「神奈川沖」というのは、東海道の宿場町の神奈川宿の沖合という意味で、現在の東京湾上から見た富士山の光景になります。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」

北斎は同世代に活躍した「波の伊八」こと武志伊八郎信由(たけしいはちろうのぶよし)が手掛けた波の欄間彫刻の影響を受けていると考えられます。


北斎は水の表現には強いこだわりをもっており、『富嶽三十六景』以外にも”滝”をテーマにした『諸国瀧廻(しょこくたきめぐり)』や”海”をテーマにした『千絵の海(ちえのうみ)』といったシリーズも描いています。


実際にこのような波はないと思われますが、誰もが「波」というとこの作品を想像する、まさに「THE 波」といった作品でしょう。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

ここでも北斎の持ち味の〇と△の構図が活きているのが分かります。

描かれている船は「押送船(おしおくりぶね)」と呼ばれる小型の高速船です。
江戸近辺で獲れた魚を輸送するために運航していました。

しりあがり寿作《地球温暖化日本水没》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

画面奥にあった富士山が海の中、波の中に置かれてしまいました。
これは地球温暖化による海面上昇を表現したパロディー作品になっています。
空も赤く怖い感じになっています。

先ほどのカンチョーの作品とは打って変わって怖い感じになりましたね。

富士山の標高が3776メートルなので、この波の高さは1万メートルくらいになります。

しりあがり寿作《太陽から見た地球》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

先ほどまでは東京湾から見た視点でしたが、それを一気に太陽まで持っていっています。
波の表現がここでは太陽表面のフレアに置き換えられています。

この《神奈川沖浪裏》では距離や視点を変える事で、パロディー作品を仕上げています。

しりあがり寿さんの新作《コロナ退散》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらは葛飾北斎の肉筆画をベースに、現在蔓延しているコロナウイルを足元に踏みつけている作品です。
ここで描かれているのは鐘馗(しょうき)という、中国の疫病退散の神様です。

江戸時代には疱瘡に効くとして、北斎を含めた多くの絵師に描かれました。

まさに今の時代にぴったりのパロディーですね。

今回の記事は以上になります。
最後までご覧頂きありがとうございました。

「ぶらぶら美術・博物館」のこの回以外の記事もアップしています!
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