【ロンドン展⑭】モネとルノワールの作品【ぶらぶら美術・博物館】

ぶらぶら美術・博物館

2020年4月7日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#343 世界初!奇跡の大規模展「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」後編〜古典から印象派の誕生へ、ゴッホ「ひまわり」日本初公開!〜】の回をまとめました。
今回の記事はパート14です。
前回までのロンドン・ナショナル・ギャラリー展の特集記事一覧は、こちら☚からご覧ください。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。

*開幕日及び会期が変更となっております(2020年6月7日現在)
詳細は展覧会公式HPをご確認ください。
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展公式HP:リンク

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第7章 イギリスにおけるフランス近代美術受容

イギリスとフランスはドーバー海峡を挟んですぐの所にありますが、近いが故に歴史上覇権争いなど仲は良くありませんでした
ですので、ロンドン・ナショナル・ギャラリーをはじめとするイギリスにおいて、フランス美術は特に手薄だったのです。

フランスでは印象派の展覧会が開催され続けたおかげで、1880年代には批評家や収集家の間で市民権を獲得します。
その後1886年にはニューヨークで印象派の展覧会が開催され、アメリカへの進出を果たします。

しかしイギリスでは、1882年と1883年にロンドンで印象派の展覧会が開催されるも全く無視される結果になりました。
イギリスの批評家や市民は、アカデミーが規範としている古典主義の美学や技法が使われた芸術が素晴らしいものであると考え、印象派の革新性は理解されず、結果受け入れられるのに時間が掛かりました。


そこでイギリスにフランス印象派絵画のを積極的に紹介したのが、実業家のサミュエル・コートールド(Samuel Courtauld、1876-1947)でした。

2019年に東京都美術館で「コートールド美術館展 魅惑の印象派」が開かれましたね!
あのコートールドさんです。

コートールド氏は自身のコレクションを発展させるためだけではなく、ナショナル・ギャラリーのコレクションにも信託基金を作り、様々な作品を購入する援助を行いました。

そうしてナショナル・ギャラリーは20世紀に入ってようやく、印象派やポスト印象派の絵画を収集していくのです。
コートールド氏以外にも、ジョージ・ソルティングサー・ヒュー・レーンといった美術収集家が持っていた印象派作品がナショナル・ギャラリーに遺贈された事で、コレクションが充実していきます。

これからご紹介するモネルノワールの作品は、そのコートールド氏の基金で購入されたものです。

《睡蓮の池》モネ


《睡蓮の池》1899年
クロード・モネ
ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵

モネは『睡蓮』を題材とした作品を何枚も描いていますが、その中でも比較的初期の作品です。

画面を横切るように橋がありますが、その両端、陸地に橋が着いている部分を描かないという大胆な表現をしています。
このような構図の切り方は当時出始めの写真や、日本の浮世絵から学んだとされています。

さらに画面に降り注ぐ光の効果は、イギリス人画家のターナーを参考にしていると考えられます。

モネは1883年にパリから西へ約80キロに位置するジヴェルニーに制作と生活の拠点を移します。
そして亡くなるまでの約40年間をこの地で過ごしました。

モネは土地を徐々に買い足していき、1893年には近くの川から自宅の庭に水を引いて池を作ります。
そこに睡蓮を浮かべ、周囲に柳の木を植え、日本風の太鼓橋を掛けます。
モネは大の日本美術好きで、多くの浮世絵を収集して邸宅の壁に飾っていました。
池に太鼓橋を掛けるというアイディアも、その日本趣味から生まれました。

この《睡蓮の池》はモネ59歳の時の作品ですが、年齢を重ねる毎に段々と水面に近づいていき、最終的にはパッと見で分かるような作品ではなくなっていきます。


画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

《劇場にて(初めてのお出かけ)》ルノワール


《劇場にて(初めてのお出かけ)》1876-77年
ピエール=オーギュスト・ルノワール
ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵

ルノワールの初期の作品です。
この作品のような”劇場の光景”というのはルノワール作品で頻繁に描かれています。

人物を大きく描いていますが、肖像画や人物画というよりは、劇場の”雰囲気”が主役に据えられています。
ですので人物も後ろ四分の三くらいの角度から描かれています。

タイトルには『はじめてのお出かけ』という副題が付けられています。
この女性はきっと初めて劇場に足を運んだのでしょう。

彼女の手には花束があります。
もしかすると贔屓にしている俳優に花束を渡そうと考えているのかもしれません。
背筋を伸ばして開演を今か今かと待っている、そのワクワク感が伝わってきます。

今回の記事は以上になります。
次のパート15で「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の特集はラストです。
最後はゴッホの《ひまわり》についてまとめていきます。
*現在記事作成中です。

コメント

  1. […] いかがでしたでしょうか。 今回の記事は以上になります。 次のパート14ではフランス印象派の作品について見ていきます。 こちら☚からご覧いただけます。 […]

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