【日美まとめ】ルーブル美術館(2)永遠の美を求めて【パート2】

日曜美術館

2020年5月24日にNHKで放送された「日曜美術館」の【ルーブル美術館(2)永遠の美を求めて】の回をまとめました。
今回の記事はパート2になります。
前回のパート1はこちら☚からご覧いただけます。

番組内容に沿って、+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

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《メデューズ号の筏》ジェリコー

19世紀、フランスの画家たちに大きな変化が生まれます。
自分たちの生きる時代の”美”について見つめ始めるのです。

それまでの美術は神話や聖書の一場面が題材の中心でしたが、そうではない当時の社会を映し出し、そこから見えてくる”普遍化された人間のテーマ”を探り始めるのです。


《メデューズ号の筏(いかだ)》1818-1819年
テオドール・ジェリコー
ルーヴル美術館蔵

1816年に軍艦船が座礁するという実際の事故をもとに描かれています。

飲食料がほとんどない状態で、彼らは13日間大海を漂流しました。
当初147人以上いた乗員も最終的な生存者数は15人となっていました。

この事故の原因とされたのが船長の判断ミスによるもので、フランス政府はこの事実を隠蔽しました。

ジェリコーはこの事件を聞きつけ、自ら作品に残そうと制作を始めます。

既に亡くなった人や死にかけている人の肌は青黒く、リアルに描かれています。
ジェリコーはこの表現のために実際に死体置き場や病院に足を運び、デッサンを重ねました。

この作品では、絶望に沈む乗員が彼方に船の影を見つけて、必死に助けを求める姿を描いています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

その先頭で必死に手を振るのは、当時フランス社会の底辺にいた黒人の青年です。

悲惨な現実を劇的に描いたこの作品は、発表当初は激しい非難を浴びました。

しかし画家ジェリコーは、このような言葉を残しています。
真実こそが美である』と。

《トルコ風呂》アングル


《トルコ風呂》1862年
ドミニク・アングル
ルーヴル美術館蔵

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

フランス近代絵画の巨匠、ドミニク・アングル(1780-1867)は楽園の中に自分の求める美を見出しました。
この《トルコ風呂》は82歳の時に描かれた作品です。

円形の画面からは、まるでのぞき穴から覗き込んだような世界が広がります。
浴槽のまわりには裸姿のハーレムの女性たちが描かれています。

アングルは実際にトルコへ行ったことは無く想像でこの作品を描きました。
彼はこのような裸の女性の作品を生涯描き続けました。
そんなアングルが最晩年に辿り着いた、”美の結晶”とも言うべき作品です。

《ダイヤのエースを持つ いかさま師》ジョルジュ・ド・ラ・トュール

1914年、ヨーロッパ諸国は第一次世界大戦へと突入します。
戦勝国となったフランスでも140万人が戦死。
憎しみの感情がヨーロッパ中を覆いました。

そんな時代に相まって一人の画家が注目されます。


《ダイヤのエースを持つ いかさま師》1635年
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
ルーヴル美術館蔵

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(1593-1652)は17世紀前半に活躍したフランス人画家です。
生前は「国王付画家」にまで出世しましたが、次第に忘れられていきました。

しかし第一次世界大戦の時代、この作品はパリ市民の間で評判になり、画家の再評価へと繋がりました。

4人の男女はポーカーの原型となったゲームをしています。
テーブルの上に置かれた金貨から、これが「賭け」である事が分かります。


一番右のどこかあどけなさが残る豪華な装いの若者。
この若者以外の3人がグルで、彼はカモにされているのです。


中央に座る女性は給仕に視線を送りつつ、手元では男性に何やら合図を送っています。
これが”いかさま”への合図なのです。


男の右手のカードはすべてダイヤのカードです。
一方背後に回した左手で、ダイヤのエースとクラブのエースがすり替えられています


若者は疑う素振りもなく、目の前で起こっているいかさまには気づきません。

この作品に描かれているのは自分より弱い人間を平然と欺く冷徹さ、そしてそれを悟られぬよう振舞う人間の狡猾さが表現されています。
「自らの欲望のために他者を欺き、奪う」という人間の醜さが、再発見が起こった20世紀前半の不穏な空気と呼応したのです。

第二次世界大戦と美術

1939年には第二次世界大戦が勃発します。
翌1940年、ヒトラー率いるナチスによってパリは占領されます

大戦中、ナチスは占領した国々から多くの美術品を奪いました。

映画「アデーレ 名画の帰還」でも描かれていましたね。

しかしルーヴル美術館は開戦間際に作品を避難させる事に成功します。
およそ4000点の美術品をフランス各地に隠したのです。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

避難する直前に撮られた《ミロのヴィーナス》の写真が残されています。

守りきれずナチスに奪われてしまった作品も中にはありました。
その中の一つが16世紀に制作された《聖マグダラのマリア》、宗教彫刻の傑作です。

《聖マグダラのマリア》エアハルト

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

一般的に知られているストーリーは、かつて娼婦をしていたマリアはキリストによって聖女に生まれ変わる、というものです。
(ただ娼婦だったという記載は実のところ聖書にはないのだそう)

マグダラのマリアはイエスの復活を見届けたのち、洞窟にこもり祈りの日々を送ったといわれています。

このグレゴール・エアハルト(Gregor Erhart、1470?-1540)の彫刻では、マリアは一糸まとわぬ姿で、長い髪の毛だけが身体を覆っています。
祈りの姿はイエスのいる天に向かおうとしているようです。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

16世紀に作られて以来、数えきれない多くの人々がこの像に祈りを捧げてきました。
「戦争」という時代の混沌に巻き込まれた作品ですが、その表情は人間そのものへの愛に満ちています。

今回の記事は以上になります。
最後までご覧頂きありがとうございました。

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コメント

  1. […] 今回の記事は一旦ここまでです。 続きはパート2にて。 こちら☚からご覧いただけます。 […]

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