2021年11月9日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#390 東京国立博物館「最澄と天台宗のすべて」〜国宝・重文・寺外不出の秘仏も!比叡山延暦寺や全国の天台宗のお宝が集結!〜】の回をまとめました。
番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
東京・上野の東京国立博物館・平成館では2021年11月21日(日)まで『伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」』が開催されています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
延暦寺のみならず、全国の寺院から秘仏をはじめとする貴重な品々が展示されます。
全82件の展示のうち、国宝が17件、重文46件、秘仏が9件です。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
まずは天台宗の基礎知識からまとめていきます。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
歴史の授業では、「最澄が天台宗を開き、空海が真言宗を開いた」というふうにセットで習い、またそのどちらも”密教”と習います。
しかし天台宗における密教は4つの教えの柱のうちの一つで、いわば密教は天台宗の一部分にすぎないのです。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
天台宗はそういった点から「仏教の総合大学」と呼ばれています。
後に浄土宗を開く法然や、日蓮宗を開く日蓮も比叡山で学んでおり、天台宗以降の日本の仏教はほとんど比叡山延暦寺から出てるといっても過言ではありません。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
東京会場の会期が終わった後は、2022年2月からは九州国立博物館、そして4月からは京都国立博物館に巡回します。
3会場合わせると、展示数は230件以上になります。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
いずれの三館も最澄にゆかりのある場所という事で、それぞれ趣の異なる展示が見られるといいます。
東京会場となる東京国立博物館は元々は寛永寺(天台宗関東総本山の寺院)の敷地でした。
また最澄は東国まで布教に赴いたり、また江戸時代になると関東で天台宗が広まったりという歴史があります。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
九州は最澄が中国留学する際の出発の地という事で、最澄の足跡がそこかしこに見られます。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
そして京都はもちろん比叡山のお膝元という事で、京都国立博物館の一歩外に出ると、天台宗の寺院が数多くあります。
国宝《聖徳太子及び天台高僧像 十幅》
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
こちらの掛け軸は、天台宗の祖師をインド、中国、それから日本とずらり掛け並べている、天台宗の祖師たちのゆかりのご尊像。
全部で十幅あり、そのすべてが国宝に指定されています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
この十幅の中に、教科書にも載っている有名な最澄の肖像画も含まれています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
こちらは兵庫県にある一乗寺の所蔵です。
天台宗の寺院では、こうしたご尊像をかけて法要が営まれます。
かつては他の多くの天台宗の寺院にもこのようなご尊像があったと考えられていますが、それらは残っていません。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
描かれたのは11世紀の平安時代。
その頃の仏画で現存するものは非常に数が少なく、このように十幅も残っているのはたいへん貴重なのです。
国宝たる所以ですね!
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
こちらは中国天台宗の開祖、智顗(ちぎ、538-598)というお坊さんです。
最澄よりも150年近く前の時代の人です。
手を合わせ合掌した姿で、頭には頭巾を被っています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
頭頂部に乗せているのは禅鎮(ぜんちん)というもので、座禅の際に居眠りをしないようにするものです。
これを頭に乗せて「落ちちゃダメですよ」って感じですね!
後に臨済宗や曹洞宗といった”禅宗”が出てきますが、天台宗の要素の一つにも”禅”が含まれているのです。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
最澄は中国に留学した際、智顗が天台宗を開いた地に足を運びました。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
中国に渡った最澄は、天台山という所にも行っています。
天台山が天台宗の名前の由来という事ですね。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
続いては伝教大師最澄の肖像画です。
教科書で目にする有名な絵ですね。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
智顗と最澄の姿は非常に似せて描かれています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
最澄の肖像画の左上に黒い四角があります。
この部分に特殊な光をあてて光学調査を行ったところ、「智顗」と書いてある事が分かりました。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
恐らくこれは描かれた後の時代の人が、智顗と最澄があまりにも似ていたので、智顗と間違えられたのだと考えられます。
智顗が中国で天台宗を確立し、その仏教理念を最澄が持ち帰り、日本天台宗を築いたのです。
その後日本天台宗は智顗の教えを核としながらも、そこに少しずつ別の要素も加わり、日本独自のものになっていきます。
続くパート2では、冒頭でも少し触れた「天台宗の4本の柱」についてまとめていきます。
【ぶら美】最澄と天台宗のすべて②【美術番組まとめ】
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[…] 今回の記事はパート2になります。 前回のパート1の記事はこちら☚からご覧いただけます。 […]