2020年7月18日にテレビ東京にて放送された「新美の巨人たち」の【「今こそアートのチカラを」⑩ バンクシー「Game Changer」】の回をまとめました。
番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
イントロダクション
画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より
今回取り上げるのは”21世紀のピカソ”と言われるほど、今や誰もが知るストリートアーティストとなったバンクシーです。
彼は世界各地に現れて、そこの壁にまるで落書きのような”グラフィティ”と呼ばれる作品を残してきました。
彼の正体は未だ謎に包まれています。
噂では、彼の本名は「ロビン・カニンガム」で、イギリス生まれの男性、2020年現在46歳だとか。
ですが真偽の程は確かではなく、何もかもが謎の存在です。
画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より
けれども彼の強烈なメッセージが込められた作品は常に世間の注目を集めてきました。
そこには強い怒り、そして絶妙なユーモアと哀愁が込められています。
社会やアートビジネスに媚びを売らないバンクシーの表現は、世界中の多くの人を惹きつけています。
《Girl with Ballon / Love is in the Bin》
バンクシー
ニュースにもなったこちらの作品を覚えていますでしょうか?
2年前のオークションで作品が高額で落札された直後、彼は額縁に仕掛けたシュレッダーで自らの作品を裁断してしまいました。
アートビジネスをあざ笑うかのような彼の行動は世界中のメディアによって大きく報道されました。
まず初めにそんなバンクシーの作品を見ていきましょう。
《Untitled》2020年
《Untitled》2020年
バンクシー
今年2020年に発表されたこちらの作品。
人種差別への抗議運動を支援するこの作品も、世界中のニュースになりました。
遺影には黒人らしき人物が描かれています。
その横にはロウソクが置かれ、その炎がアメリカの国旗を燃やしています。
《Brexit》2017年
画像出展元:CNN style「Banksy’s famous Brexit mural mysteriously disappears from the side of a Dover building」よ
これはイギリスがEU離脱に向かっていた2017年に描かれた作品です。
タイトルの《Brexit》は”英国のEU離脱”という意味で、”British“+”Exit“がその語源です。
イギリスの港町ドーバーのフェリーが停泊するターミナル、いわばEUとの玄関口に描かれました。
作業員がEUの旗から星の一つを削り落とす作業をしています。
この作品が描かれた当時は、イギリス国内でEUの離脱交渉備えた解散総選挙のための選挙運動が行われているまさにその最中でした。
現在はビルの持ち主によって、ペンキで塗りつぶされており、見る事はできません。
《Parking》2010年
画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より
アメリカ・ロサンゼルス市内のビルの壁に描かれた作品です。
「パーキング(駐車場)」の文字の一部が消され、「パーク(公園)」に書き換えられています。
世界中の都市において、空地は有料の駐車場になり、壁は企業の広告で埋め尽くされる今日。
このグラフィティでは、公共空間の私有化と商業化を風刺しています。
都市化が進み、遊び場がなくなって行き場無くした子どもなのでしょう。
ブランコに乗る女の子の目は笑っていません。
車の大きさから見て、かなり大きな作品です。
バンクシーはおそらく、塗装業者になりすまして白昼堂々と「PARKING」と書き、最後に少女とブランコを書き足したと考えられます。
《Bench Birmingham》2019年
画像出展元:テレビ番組「新美の巨人たち」より
2019年のクリスマス前に描かれたこちらのグラフィティ。
イギリスのバーミンガムの裏通りにあるベンチと壁を使って作られた作品です。
ベンチで横たわる人物はライアンという名のホームレスの男性です。
彼をサンタに、そしてベンチをそりに見立てています。
YouTubeのバンクシーチャンネルにはこの作品のショートムービーが公開されています。
日本で見られる⁈「バンクシー作品らしきネズミの絵」
画像出展元:「小池百合子氏twitter」より
2019年1月に小池百合子東京都知事のツイートで一躍有名になったこちらの”バンクシーらしきネズミ”の絵。
ニュースなどでご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
バンクシーの公式作品集『Wall and Piece』にもこの絵を反転させたものが掲載されており、ネズミの周りのビスや地面の歪みまで一致している事から本物の可能性が高いといわれています。
写真のキャプションには「TOKYO 2003」と記されています。
じつはバンクシーは2002年9月に自身がデザインを提供したアパレルブランドのイベントに出席するために来日しています。
このネズミはその時に描かれたものだと考えられます。
もともとは東京都港区の防潮壁に描かれていたものでした。
2019年には東京都庁内の廊下で一般展示が行われ、14日間で約35,000人の来場者数を記録しました。
2020年7月現在は、日の出ふ頭営業所の2号船客待合所(シンフォニー乗り場)で公開されています(時間10~19時)。
*クルーズの運行時間に沿っての公開となっているそうです。
事前にホームページ等でご確認をお願い致します。
今回の記事は以上になります。
続くパート2ではバンクシーの新作で、イギリスの病院に寄贈された《Game Changer》についてまとめていきます。
こちら☚からご覧頂けます。
コメント
[…] 2020年7月18日にテレビ東京にて放送された「新美の巨人たち」の【「今こそアートのチカラを」⑩ バンクシー「Game Changer」】の回をまとめました。 こちらの記事はパート2になります。 前回のパート1はこちら☚からご覧頂けます。 […]