鈴木福と巡る「正倉院 THE SHOW」

その他美術番組

2025年に日本テレビで放送された【鈴木福と巡る『正倉院 THE SHOW』】をまとめました。

番組内容に沿ってそれでけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。

*画像出展元:テレビ番組「鈴木福と巡る『正倉院 THE SHOW』」より

※正倉院宝物実物の展示はありません

1300年の時を超えて今に伝わる正倉院宝物。
そのはじまりは光明皇后の「聖武天皇の遺品を残したい」という思いでした。

国家珍宝帳』には光明皇后が東大寺に納めた600件以上の聖武天皇の遺愛品が記録されています。
これらの品々が”正倉院宝物”として今に伝わっているのです。

紫地鳳形錦御軾(むらさきじおおとりがたにしきのおんしょく)』は聖武天皇が愛用したと伝わる肘置きです。

国際色豊かなデザインからは中国・唐の影響を感じられます。

展覧会では約20メートルの巨大スクリーンの大画面で、宝物を圧倒的スケールで堪能することができます。

ここでは正倉院の展覧会でも見ることができない細部や裏側まで、360度宝物美を堪能することができます。

こちらの『漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)』では、蓮の花が一枚一枚分解された姿を見ることができます。

こちらの宝物、実際に持ち運ぶときもスクリーンの映像のようにフワフワと花弁が揺れるといいます。
通常の展示では見ることができない、宝物の動きも知ることができるのです。

さらにこの展覧会では、ダイナミックな映像と再現模造を同時に鑑賞することができます。

今回展示されている正倉院宝物はいずれも「再現模造」で正倉院宝物実物ではありません。
そしてこの「再現模造」は、ただの「レプリカ」ではないのです。

「再現模造」はいずれも宮内庁正倉院事務所が製作し、「材料」「構造」「技法」のいずれも本物と同じ製法で作成されているのです。

ですので製作も簡単なものではありません。
螺鈿紫檀五弦琵琶』は、何人もの職人の手によって、完成まで8年の歳月を要しました。

今回の展覧会『正倉院 THE SHOW』では計10件の再現模造を見ることができます。

正倉院に伝わる巨大な香木『蘭奢待』。
その高貴な香りは、足利義政や織田信長といった時の権力者をも魅了しました。

今回の展覧会では、その『蘭奢待』の再現した香りを楽しむことができます。
これは史上初の試みです。

ごく小さな欠片などから香りの成分分析を実施し、今回その香りが再現されました。

「正倉院 THE SHOW-感じる。いま、ここにある奇跡-」は、上野の森美術館で2025年9月20日(土)~11月9日(日)まで開催予定です。

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