2021年11月14日にNHKで放送された「日曜美術館」の【ルーブル美術館・美の殿堂の500年 〜革命とナポレオンのルーブル】の回をまとめました。
今回の記事はパート3になります。
番組内容に沿って、+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
《金貸しとその妻》
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ナポレオンは自らの名を冠した美術館、「ナポレオン美術館」を世界一の美術館にしようと試みます。
そのために他のヨーロッパ諸国の作品やコレクションになかった時代の作品など、5000点以上を収集します。
その中に謎めいた一枚があります。
《金貸しとその妻》1514年
クエンティン・マサイス
ルーヴル美術館蔵
16世紀のヨーロッパ経済の中心地だったベルギー・アントワープで描かれた作品です。
描かれているのは金貸し夫婦の日常の一場面。
夫は天秤を使って金貨の重さを量っています。
その表情は真剣そのもの。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ヨーロッパ中から集まってきた金貨に混ぜ物がないか、偽物がないか見極めているのです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
一方隣にいる妻は聖書を手にしていますが、その手は聖母子の絵の前で止まっています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
その視線は祈りや信仰とは違う何かに奪われているようです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
視線の先には金貨の他に指輪や真珠の粒があります。
これはこの世の富と欲望の象徴です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
テーブルの上に置かれた小さな凹面鏡。
よく見ると、その中には男性の姿が見えます。
その右手の先には教会の塔があります。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
更に夫婦の後ろ、僅かに開いた扉の向こう側にも人がいます。
左の男性は人差し指を立て、何かを忠告しているような身振りです。
「信仰を忘れ、欲望のままに生きる」
人間の業を描いた傑作です。
《エイロー戦場におけるナポレオン》
ナポレオンは自らの栄光が永遠に続くことを願いました。
《エイロー戦場におけるナポレオン》1808年
アントワーヌ=ジャン・グロ
ルーヴル美術館蔵像
こちらは彼の権力が絶頂期を迎えた頃に描かれた作品です。
作者のアントワーヌ=ジャン・グロはジャック=ルイ・ダヴィッドのアトリエに入門し、彼のもとで絵の修行をしました。
ここで描かれているのは、ナポレオンがロシア・プロイセン連合軍に勝利した姿です。
非常に激しい戦いで、わずか1日で両軍の死傷者が5万人にもなるほどでした。
画面の手前や奥、至る所に兵士の亡骸が積み重ねられています。
戦争の現実を克明に描き出しているのです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
戦闘に勝利したナポレオンですが顔は青白く、どこか疲れも感じさせます。
この5年後の1812年のロシア遠征で、ナポレオンは24万の兵士を失う惨敗を喫っします。
国民の心も次第に離れていき、1814年には退位することになります。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ナポレオンの時代はここで終焉を迎えます。
フランス革命から25年の月日が流れていました。
戦争に勝つことですべて手に入れたナポレオンは、戦争に敗れた事によって全てを失うことになったのです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ナポレオンが退位したのち、フランスでは再び国王が即位(王政復古)、ルーヴルは「王立美術館」となります。
ここでナポレオンの時代にはなかった芸術が花開きます。