【アートシーン】国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ

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2021年7月11日にNHKで放送された「日曜美術館アートシーン」の展覧会紹介の内容をまとめました。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

東京国立博物館で、かつて奈良・三輪山にまつられていた御仏や神像が廃仏毀釈で離散して以来、およそ150年ぶりに再会を果たしました。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

奈良盆地の東部、神の鎮まる山として信仰されているのが三輪山です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

その麓にある大神(おおみわ)神社は本殿がなく、三輪山をご神体としています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

かつて大神(おおみわ)神社には大御輪寺(だいごりんじ)がありました。

ここに神と仏が共にまつられていました。

この寺院には、明治元年の神仏分離令で四散(しさん)するまで多くの仏像がまつられていました。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

その本尊が十一面観音でした。
現在、奈良の聖林寺(しょうりんじ)に安置されている国宝の『十一面観音菩薩立像(ぼさつりゅうぞう)』です。

漆と木粉(もくふん)の練り物を使った木心乾漆造り(もくしんかんしつづくり)という技法でつくられています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

厳しいまなざしと引き締まった頬。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

頭上にはあらゆる方向を見渡す仏たち。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

大御輪寺の本尊にふさわしい堂々とした姿です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

現在は法隆寺にまつられている、国宝『地蔵菩薩立像』。
台座から頭部まで一本の木で彫り出した、一木造りの仏

顔の幅が広く、大ぶりな目鼻だちは、平安初期の密教彫刻に通じています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

これは奈良・正暦寺(しょうりゃくじ)に移された日光と月光(がっこう)の菩薩像。
どちらも高い宝冠をかぶり、腰をひねる姿勢など平安前期の様相が見られます。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

日光菩薩はケヤキ材の一木造り。
大ぶりな目鼻だちと耳の張り出しが大きいのが特徴です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

一方、面長で穏やかな面相が特徴の月光(がっこう)菩薩。
こちらはヒノキ材を使った一木造り。

三輪山信仰にとって、大変貴重な御仏でした。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

この神像は大神(おおみわ)神社にまつられていた『大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)』。
姿は仏教の大黒天ですが、神像として広くあがめられてきました。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

三輪山では長年にわたり神と仏が共存していましたが、明治に入り分離されたのです。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

「明治政府が神と仏を分ける政策を進めるわけですね。一度離れてしまった仏像がですね、元のあった所に戻るという事はございませんし、もともと一緒にあった仏像が再会する機会もなかなかありませんが、この展覧会ではもと大神(おおみわ)神社にあった仏像たちがですね、一堂に会する、そんな機会になります」

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館アートシーン」より

この展覧会は9月12日まで開かれています。

その後、奈良国立博物館で開催予定です。

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