【アートシーン】北斎をめぐる美人画の系譜~名手たちとの競演~

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2025年9月28日にNHKで放送された「日曜美術館アートシーン」の展覧会紹介の内容をまとめました。

*画像出展元:テレビ番組「日曜美術館 アートシーン」より

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展覧会『北斎をめぐる美人画の系譜~名手たちとの競演~』

ほおずきの実をくわえて音を鳴らす、「ほおずき遊び」に興じる女性たち。
葛飾北斎の作品で、彼の作では珍しい大首絵で描かれたものです。

2人の表情はどこかユーモラスですが、そんな中にも女性の美しさが描き出されています。

「女性の髪の毛のうねるような迫力のある描写ですとか、その持っている手拭いに少し唇の紅が移っているような、そういった色香を感じさせる描写があるところも魅力かと思っております」
(学芸員・山際氏)

じつは美人画の名手としても知られた葛飾北斎
その魅力に迫る展覧会です。

50代前半の頃の作とされる北斎の肉筆画。
桜の下、手を組み首をかしげる姿が愛らしく描かれています。

肉感的で艶やかな女性像が当時の流行でした。
太く流れるような描線による振り袖、ふくよかな首にその影響が見て取れます。

北斎の三女・葛飾応為
彼女もまた美人画の名手で、その腕前は父・北斎をうならせるほどのものでした。

うちわを手に姿勢を崩してくつろぐ女性。

そばに立つのは扇を手に舞う少女です。
ふっくらとした顔立ちが、あどけない娘らしさを感じさせます。

驚くべきは薄茶の虹彩の中に、黒い瞳を描き込むほどの細密な描写。

現在8点しか知られていない応為の肉筆画
その最初期のものと考えられる貴重な作品です。

会場には美人画で一世を風靡した喜多川歌麿の名品も。

腕のやわらかな曲線と、指先のこまやかな描写。

少ない線で表現された表情。
道ならぬ恋に悩む心の内を見事に描き出しています。

この展覧会は東京・墨田区のすみだ北斎美術館で11月24日まで開催。

※前後期で一部展示替えが行われます。
前期:9月16日(火)~10月19日(日)
後期:10月22日(水)~11月24日(月・振休)

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