2021年10月5日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#386 世界中のストリート・アートを完全再現!「バンクシーって誰?」展~天才?反逆者?全てが謎!アート界の異端児の、その正体に迫る~】の回をまとめました。
今回の記事はパート3になります。
前回のパート2はこちら☚からご覧ください。
番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
《Gangsta Rat》
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
バンクシーといえば、この《Gangsta Rat》のようなネズミの作品がよく知られています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
1990年代からアーティストとして活動を始めたバンクシーですが、2000年代に入るとロンドンを拠点に活動をしていきます。
この時期から街中にネズミの絵を大量に描くようになりました。
同じ時期に今回展示されているような、アトリエで製作された「オリジナル作品」も販売されるようになります。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
バンクシーはステンシル(型紙を当ててスプレーを吹き付ける手法)という技法を使っています。
ステンシルで作品を制作する利点についてバンクシーは「まず第一に早く描ける」、「そして第二に大量生産ができる」という点を挙げています。
画家として名前を売るのには、ある種のイメージやキャラクターが必要になってきます。
このネズミを大量に描く事で、「またあのネズミだ」という話題性を生むことができるのです。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
ストリートアートというものは、基本的に収入にはつながりません。
そこでバンクシーは活動資金を得るために、こういったステンシルによるプリント作品を販売するようになったのです。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
バンクシーはネズミについて”庶民の比喩”だと言っています。
ネズミは一匹だけでは特に影響はありません。
しかしかなりの数の群れとなり、何かをしようとした場合には、それは”脅威”となり得ます。
またネズミは一般的に厄介者扱いされ、嫌われる存在であり、人が寝静まった夜に現れてはこそこそと活動します。
その人目を盗んで活動する姿を、グラフィティアーティストに重ねてもいるのです。
事実バンクシーはネズミを”自分自身の分身”だと語っています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
こちらもネズミをモチーフにした《Rader Rat》という作品です。
集音装備を身につけたネズミが音を拾っています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
落合ギャラン健造氏によると、このネズミは「人の会話を盗聴しているのではないか?」といいます。
じつはイギリスは”超監視社会”といわれており、監視カメラの台数も世界屈指なのです。
バンクシーはそういった社会を、自身のモチーフであるネズミを使って批判しているのです。
展覧会では《Rader Rat》以外にも監視社会を批判する作品が展示されています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
それがこの《Spy Booth》という作品。
これはイギリスの諜報機関の近くの電話ボックスに描かれた作品で、周りには電話を盗聴しようとする怪しい人たちが描かれています。
《Laugh Now》
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
バンクシー作品で、ネズミと並んで有名なモチーフが”サル”です。
この《Laugh Now》という作品は、元々は2002年にイギリスのナイトクラブの壁に描かれた絵で、それを翌年にプリント作品にして販売したのが本作です。
オリジナルの壁に描かれた作品は既に壁ごと売却されており、今は見る事ができません。
ちなみにその時の売却金額は50万ドル(日本円で約5500万円)だったとか。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
サルの首から掛けられた板には「Laugh now, but one day we’ll be in charge」の文字が書かれています。
日本語に訳すと、「笑いたきゃ笑え、いつか俺たちが勝つ」。
サルが主導権を握る日が来る、ということでしょうか…
バンクシーの正体は??
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
バンクシー本人のポートレートも顔にサルのお面をつけています。
この写真は現在、イギリスのナショナル・ポートレート・ギャラリーに正式に収蔵されています。
ちなみにバンクシー本人の素顔は、現時点で公にはされていません。
「この人なんじゃないか?」みたいな報道やニュースが出ても、それさえも替え玉だったりするケースがあるのだそう。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
山田五郎さんは「バンクシーは多分…チームだよね」と推測します。
その理由について山田さんは、例えば壁に書かれた大きな作品などを制作する際には、一人で作業するのは難しいからだと言っています。
今回の記事はここまでになります。
パート4へと続きます。
【ぶらぶら美術・博物館】「バンクシーって誰?」展④【美術番組まとめ】
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[…] 今回の記事はパート4になります。 前回のパート3はこちら☚からご覧ください。 […]