【ぶらぶら美術・博物館】「バンクシーって誰?」展②【美術番組まとめ】

ぶらぶら美術・博物館

2021年10月5日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#386 世界中のストリート・アートを完全再現!「バンクシーって誰?」展~天才?反逆者?全てが謎!アート界の異端児の、その正体に迫る~】の回をまとめました。

今回の記事はパート2になります。
前回のパート1はこちら☚からご覧ください。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

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《Girl with a Pierced Eardrum》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらは17世紀オランダの画家、ヨハネス・フェルメールの《真珠の耳飾りの少女》のパロディー作品です。

パート1で取り上げた『Aachoo!!』と同じブリストルの街にあるレコーディングスタジオの外壁に描かれました。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

2014年時点では、上の写真のような状態でした。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

そしてこちらが2020年4月時点の状態。
コロナ禍という事で、少女の口の上にはマスクが足されました

ただ、このマスクを足したのがバンクシー本人なのか、別の誰かなのかは分かっていません

少女が付けているマスクは医療従事者の方が使用するものにも見えます。
イギリスではこの時期にコロナによる死者数が増えていたので、「マスクを着用することの大切さ」が込められているのかもしれません。

フェルメール《真珠の耳飾りの少女》

もう一つのポイントは”耳飾り”です。
フェルメールの作品では、少女の耳に真珠の耳飾りが付いています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

しかしこのバンクシーの作品では真珠の部分が、壁に実際に備え付けらえれている警報器になっています。
バンクシーはこの作品に《Girl with a Pierced Eardrum(鼓膜の破れた少女)》というタイトルを付けました。

街中にあるもの(この作品でいう警報器)を作品の一部として取り入れる手法を「ファウンド・オブジェ」と呼びます。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらの《Hammer Boy》という作品では、実際にある消火器をグラフィティで描かれた少年が叩き割ろうとしています。
これも「ファウンド・オブジェ」の作品になります。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

Girl with a Pierced Eardrum》にマスクが足されたのと同じ頃、バンクシーはイギリス南部のサウサンプトンの病院に《Game Changer》という作品を寄贈しています。

Game Changer》は病院でしばらく展示された後、2021年3月にロンドンでオークションにかけられました。
その落札価格はなんと25億円!!
当時のバンクシーの落札価格の最高額を記録しました。

ちなみにこの25億円はイギリスの国民保険サービスに全額寄付されました。

《Whitewashing Lascaux (The Cans Festival)》

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

こちらの作品は2008年にイギリスのウォータールー駅近くのトンネルに描かれた作品です。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

清掃員が高圧洗浄機を使って、旧石器時代に描かれたといわれる『ラスコーの洞窟壁画』を消してしまっています。

古代の人が描いた貴重な壁画を、現代人が現代のルールで消してしまっている
そんなメッセージとあわせて、バンクシー達アーティストが描いたストリートアートも同様に消されてしまう、そんな皮肉が込められていると考えられます。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

Girl with a Pierced Eardrum》におけるフェルメールであったり、《Whitewashing Lascaux》のラスコー洞窟壁画であったりと、バンクシーは色々な過去のアーティストや美術史を踏まえた上で、作品を制作しているのが分かります。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

バンクシーは2008年、この《Whitewashing Lascaux》が描かれたトンネルで『カンズ・フェスティバル』と呼ばれる、様々なアーティストを招いての展覧会を開催しました。
そのトンネルは今でも展覧会の名残で、「バンクシートンネル」と呼ばれているといいます。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

Whitewashing Lascaux》は既に上書きされたため、今はもう現存していません

貴重なバンクシーの作品に上書きするの?!」と思われた方もいるかもしれません。
しかしそれこそが”ストリートアート”なのです。

屋外に描かれたアートであるストリートアートは、永続的なものではなく日々変わっていくのです。
まさに”生きたアート”といえるでしょう。

今回の記事はここまでになります
パート3に続きます。
【ぶらぶら美術・博物館】「バンクシーって誰?」展③【美術番組まとめ】

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