2022年4月26日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#405 東京国立近代美術館「没後50年 鏑木清方展」〜幻の最高傑作が揃い踏み!“美人画”に込められた温かいまなざし〜】の回をまとめました。
今回の記事はパート2になります。
前回のパート1はこちら☚からご覧いただけます。
番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
《ためさるゝ日》
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
続いての作品。
こちらの《ためさるゝ日》は二幅(にふく)揃って公開されるのは40年振りというとても貴重な作品です。
*放送日の4/26時点でこの作品は展示がすでに終了しています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
足元には踏絵が置かれています。
着飾った遊女が踏み絵を行っている、そんな場面を描いた作品です。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
描かれているのは長崎の丸山の遊女だといいます。
当初はキリシタンを見つけるために行われていた踏み絵ですが、次第に年中行事のようになっていき、”遊女が着飾って踏み絵をする”という一種のイベントのようになっていったといいます。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
清方40歳前後の作品で、第12回文展に出品するために描かれたものです。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
当初はこの展示のように二幅セットで制作されていましたが、出品直前で「右幅は蛇足では?」と考えた清方は左幅だけを発表することにしました。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
その後展覧会に出品された左幅は、30年の間行方が分からなくなっていました。
一方で右幅は鎌倉の美術館に収蔵されていましたが、右幅だけだとなぜ《ためさるゝ日》というタイトルなのか、ずっと謎の状態だったのです。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
この作品をよく見てみると、清方の細やかな仕事がよくわかるといいます。
女性が前に抱えているのは着物の帯だといいます。
その帯の柄は更紗模様(さらさもよう)と呼ばれますが、その精緻な描き込みは圧巻の一言です。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
かんざしや櫛といった髪飾りも細かく描かれています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
足元に目をやると、今まさに踏み絵に足を乗せようとしているようですが、そこにはどこか躊躇している様子も感じられます。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
解説の鶴見氏は、この仕草や表情から「もしかしたらキリシタンだったのでは?」と推察します。
「そういった緊張感が画面から漂っているなと思います」(主任研究員・鶴見香織氏)
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
一方、右幅に描かれた女性は打って変わって、どこかのんびりとした様子が見て取れます。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
右幅の女性が来ている着物の柄が見事です。
描かれているのは梅の花ですが、染物や刺しゅうではなく肉筆(画家が着物に直接描いたもの)だと思われます。
これは贅沢ですね!
ちなみにこの着物は、今回の展覧会の別の作品でも登場するのだとか。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
清方は大正7年から14年まで自分の描いた作品のリストを作成しており、さらにそこには「出来」「不出来」の自己評価も記していました。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
”会心の作”には★3つ、”やや会心の作”には★2つ、”まあまあ”が★1つとして、約500点の作品に自己採点を残しています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
今回の展覧会では、109件の作品のうち清方が自己採点をつけた23点にはその自己評価も併記されています。
この清方の自己評価も見ながら、自分の感想と照らし合わせてみるのも面白いかもですね!
《墨田河舟遊》
冒頭にも書いた通り《ためさるゝ日》はすでに展示が終了となっており、現在はこちらの作品が展示されています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
《墨田河舟遊》という作品で、大名の姫君一行の舟遊びの様子が描かれています。
この作品は文部省美術展覧会で最高賞を受章しています。
今回の記事はここまでになります。
パート3へと続きます。
*現在記事作成中です。