2020年6月28日にNHKで放送された「日曜美術館」の【ようこそ! 私たちの美術館】の回をまとめました。
今回の記事はパート2になります。
前回のパート1はこちら☚からご覧頂けますので、よろしければどうぞ。
番組内容に沿って、+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
今回取り上げる美術館は予約制や定員制になっています(2020年6月28日時点)。
足を運ばれる際には公式ホームページ等で事前のご確認をお願い致します。
アーティゾン美術館
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
続いてご紹介するのは、東京・京橋にあるアーティゾン美術館です。
東京駅から歩いて5分、オフィス街の中に位置しています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
地上1階から6階までが美術館です。
吹き抜きもある開放的な造りになっています。
アーティゾン美術館は元々は「ブリヂストン美術館」の名称で2015年まで同じ場所にありました。
その後ビルの建て替えの為に長期休館となっており、今年2020年に名称も新たにリニューアルオープンしました。
画像出展元:wikipedia「石橋正二郎」より
この美術館を作ったのはブリヂストンタイヤの創業者であり、実業家の石橋正二郎(1889-1976)です。
石橋は美術作品を通じて日本の文化向上に貢献したいという思いから、1952年にブリヂストン美術館を開きました。
当時の人々はモネやルノワール、セザンヌなど巨匠たちの絵画が常設で見られる美術館の開館にたいへん喜んだと言います。
日本人とアートの距離を縮めるのに一役買う存在になりました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
リニューアルオープンした美術館が挑むのは、「現代作家とのセッション」です。
年に一度、現代作家が所蔵作品をベースにした作品の展覧会を開催します。
《雪の中を駆ける鹿》クールベ
《雪の中を駆ける鹿》1956-1857年
ギュスターヴ・クールベ
アーティゾン美術館蔵
こちらは一回目にセッションする作品の一つ、クールベの《雪の中を駆ける鹿》です。
クールベは19世紀フランスの写実主義の画家です。
雪山に鳴り響いた銃声に驚き、逃げ惑う鹿の姿が描かれています。
クールベは現実をありのまま描き、「生きた絵画」を追求しました。
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子
アーティゾン美術館の新しいコンセプトの一つにあるのは「創造の体感」です。
来館者は「新しい美術が生まれてくるその場所」を体感する事ができます。
その一回目の展覧会では現代美術家の鴻池朋子さんがフィーチャーされました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
この展覧会は2020年10月25日まで開催中です。
(2020年7月2日現在)
弘前れんが倉庫美術館
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
青森県弘前市にある弘前れんが倉庫美術館。
こちらの美術館も当初4月11日の開館を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響で延期となっていました。
その後6月1日から予約制のプレオープンとなり、7月11日からはグランドオープン(入館対象制限なし、予約不要)を予定しています。(*7月2日現在)
外壁の赤レンガが印象的なこちらの建物、元々は大正時代に酒造工場として建てられたものでした。
2015年に弘前市が文化芸術施設として利用するために取得しています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
エントランスには地元弘前出身のアーティスト、奈良美智(なら よしとも)氏の作品が来館者を迎えます。
煉瓦倉庫の歴史
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
この建物は明治・大正期の実業家・福島藤助(ふくしま とうすけ)により酒造工場として造られました。
当時の最新技術を導入して建てられたこの工場は「吉野町煉瓦倉庫」と呼ばれ、地元に人に愛されてきました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
福島藤助は「たとえ事業が失敗してもこの建物が将来役に立てば」という思いからレンガ造りにしたといいます。
その後工場は地元の名産品であるリンゴを使ったシードルがヒットし、一躍有名になります。
工場が閉鎖してから半世紀が経ち、地元が誇る遺産は新しい歴史を歩み始めました。
展覧会「Thank You Memory – 醸造から創造へ –」
この美術館の特徴は、「建築や地域に合わせたコミッション・ワーク(新たな作品制作)を重視し、完成した作品を展示」する事です。
開館記念プログラムとして開催される「Thank You Memory – 醸造から創造へ –」では、国内外8名のアーティストたちの作品が展示されます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
こちらのインスタレーション作品はニューヨーク在住の笹本晃氏によるものです。
ここのレンガ倉庫に残されていた扉や梯子などが使われています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
こちらも展覧会の出展作品です。
手掛けたのはタイ人のアーティストのナウィン・ラワンチャイクン氏の作品です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
作品の中心に描かれているのは通称「いのっち」です。
弘前で出土し、国の重要文化財に指定された4000年前の猪型の土器が基になっています。
パネル全体の形は弘前のねぷたから着想を得ています。
弘前の風景や地元の人々、そしてかつてこの地に生きていた人々の姿も描き込まれています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ここにはレンガ倉庫の生みの親でもある福島藤助の姿もあります。
この作品を見た地元の人は、「改めて歴史を知る機会はなかったので、タイ人の方が作ってくれる事によって気づかせられるというか、逆に教えられる感じがする」と言っています。
地元の人にとってたいへんありがたい作品になったのが分かりますね。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
作家のナウィンさんはこの作品を作るにあたり、地元に住む約30人の人に取材しました。
今この作品を見る意味について、「現代の暮らしはコミュニティとの結びつきが薄く、人々は都会で一人で暮らしている。アートはこのパンデミックの中で、人々を励まし”共にある事”の価値に思いを至らせることができる」と話します。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
[…] 今回のパート1はここまでです。 パート2では東京の”アーティゾン美術館”と青森の”弘前れんが倉庫美術館”についてまとめています。 こちら☚からご覧頂けます。 […]