2020年4月14日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#344 祝!10周年スペシャル 春の熱海アートツアー①〜パワースポット・來宮神社とMOA美術館 国宝「紅白梅図屏風」〜】の回をまとめました。
番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
今回は「熱海」のアートスポットを中心にご紹介していきます。
このパート1では、來宮神社とMOA美術館について先ずまとめていきます。
熱海 來宮神社
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
まず最初は、熱海にある來宮神社(きのみやじんじゃ)です。
パワースポットで知られるたいへん人気のある神社です。
(特に20代から40代くらいの女性に人気があるそうです)
この來宮神社は、国の天然記念物にも指定されている樹齢2000年以上の大楠の木が有名です。
來宮神社は今からおよを1300年前、710年頃に建立されたと伝わっています。
江戸時代末期までは「木宮明神」と呼ばれていましたが、参拝者がご神木の大楠に集まる事から”木の下に人”と書く「來」が使われ、「來宮神社」となりました。
今ではたいへん人気の神社ですが、じつは運営の厳しい時代がありました。
熱海はかつては”東洋のナポリ”と呼ばれ、新婚旅行や温泉客で賑わっていました。
しかし今からおよそ10年ほど前、2011年頃は宿泊客がピーク時の半分になり廃業する旅館・ホテルも多かったといいます。
熱海への観光客が減る事で、來宮神社の参拝客が激減してしまいました。
そこで神社の改革が始まります。
しかし歴史と伝統のある神社を変えるのは容易な事ではありません。
そこで「変えてはいけないもの」をピックアップし、それ以外を変えていこうと積極的な改革が始まるのです。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
「心清かに参拝できる環境づくり」というのを一つのテーマとして、参道の整備や境内に植栽(竹を3千本、笹を1万本)を行いました。
特に竹には”悪いものを払い落とす”という信仰があるので、「神様に会う前に竹で清める」という意味が込められています。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
本殿もガラス張りに変えられ、外から中の様子が見えるようになりました。
そうする事で参拝客が「あ、こういう神事をやっているんだ」というのが分かるようになりました。
猪目
特に若い女性に人気なのが、こちらの猪目(いのめ)です。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
ハートの形のこれが猪目と呼ばれるものです。
多くの神社やお寺に、この猪目と呼ばれるハート型のマークがあります。
イノシシの目は眼光が鋭い事から、猪目には”災いや魔を避ける”効果があると信じられてきました。
こちらの葉っぱで作られた猪目は、神職の方がちょっとした遊び心で作ったところ、参拝客の方々がSNSにアップするようになり名物になっていきました。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
來宮神社の境内には、このようなフォトスポット台も置かれています。
これは東京ディズニーリゾートのフォトスポットを参考にしたとか。
カフェ「茶寮 報鼓」
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
境内には神社にあるとは思えないお洒落なカフェがあります。
改革前は小さな売店のような所で甘酒とおしるこだけを販売していました。
カフェやコーヒーと聞くとあまり神社とは関係のないような印象を受けますが、節分で”豆を撒く”のは「魔(ま)を滅(め)す」から「まめ」を撒くという由来があります。
なのでコーヒー豆も「魔を滅す」という事で、カフェが設置されているという事なのです。
オープンテラスの席もあり、ゆったり時間を過ごすことができます。
このような企業努力ならぬ神社努力の甲斐もあり、2019年には約72万人に方が参拝されたといいます。
天然記念物『大楠』
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
天然記念物であり御神木である『大楠』には、「楠への小路」と呼ばれる緑のトンネルをくぐって行く事ができます。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
こちらが來宮神社の御神木の大楠です。
その大きさは本州一を誇り、樹齢は2100年以上になります。
この大楠の幹の周りを一周すると、「寿命が一年延びる」という言い伝えがあります。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
じつはこの大楠の周りにはLEDライトが取り付けてあり、夜にはなんとライトアップがされます。
素敵な雰囲気ですね~
MOA美術館
続いては熱海駅から車で5分ほどの高台にある美術館、MOA(エムオーエー)美術館をご紹介します。
MOA美術館は約3500点の作品を所蔵しており、その中には国宝が3点、重要文化財が65点あります。
”日本文化の情報発信をする美術館”として、施設内には能舞台や茶室がしつらえてあります。
庭園には琳派の尾形光琳の自宅を再現した”光琳屋敷”があります。
この光琳屋敷では、不定期でガイドツアーが行われています。
MOA美術館は2017年にリニューアルオープンしていますが、展示スペースの設計は新素材研究所(現代美術作家の杉本博司(すぎもと ひろし)氏と建築家の榊田倫之(さかきだ ともゆき)氏両名が主宰)が手掛けました。
画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より
リニューアルオープンのコンセプトは「日本の伝統の技を現代に活かすこと」でした。
こちらの入り口から入って2枚目の扉から既に凝った造りになっているのです。
じつはこちらの扉は漆塗りの扉となっています。
手掛けたのは漆芸家で人間国宝の室瀬和美(むろせ かずみ)氏です。
日本産の漆を約15キロ使って作られました。
室瀬氏も「一生分以上の漆を使った」と仰せられたそうです。
パート1は一旦ここまでです。
つづくパート2では、MOA美術館の所蔵作品についてまとめていきます。
こちら☚からご覧いただけます。
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[…] 2020年4月28日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#344 祝!10周年スペシャル 春の熱海アートツアー①〜パワースポット・來宮神社とMOA美術館 国宝「紅白梅図屏風」〜】の回をまとめました。 今回の記事はパート2になります。 前回のパート1はこちら☚からご覧いただけます。 […]