【開運!なんでも鑑定団】伊東深水の美人画【美術情報まとめ】

美術番組

2026年3月10日にテレビ東京で放送された「開運!なんでも鑑定団」の【美人画の巨匠 伊東深水】についてまとめました。

番組内容に沿ってそれでけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。

*画像出展元:テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」より

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美人画の巨匠 伊東深水

時に艶っぽく。

時に可憐に。

時に凛として…。

伊東深水(1898~1972)は、明治・大正・昭和へと社会が変貌する中で、しなやかに生きる女性の姿をひたすら見つめた画家である。

1898年、東京・深川の生まれ。

実家は裕福な商家だったが、10歳の時に父が事業に失敗し一家は離散。
家計を助けるべく深水は小学校を中退し、印刷会社の活字工となった。

そんな苦境のなか、会社の同僚から日本画の手ほどきを受けたのを機に画家を志した。

13歳のときに美人画の大家である鏑木清方の門を叩いた。

その際、深水が持参した絵を見た清方は天賦の才を見抜いた。

清方深水の月謝を免除した上、優れた画家には教養も必要として夜学にも通わせた。

以来深水は朝5時に起きて会社勤めし、その足で夜学と画塾に通い、帰宅後も寝る間を惜しんで絵筆を握った。

その甲斐あって、十代にして院展・文展と立て続けに入選
”天才少年画家”と謳われた。

深水は迫力に満ちた風景画や、叙情を溢れる風俗画など、様々なジャンルに挑んだ。

そんな中でも、とりわけ得意としたのが”美人画”であった。

》は24歳の時に発表した初期の代表作である。
薄物をまとった女性が、夜顔の咲く庭に腰掛け、指輪をじっと見つめている。

これは新婚当時、妻の好子がふと見せた一瞬を捉えたもので、赤らんだ頬が方が初々しくも艶っぽい。

この淡い色彩表現は、横山大観らが風景画で用いた”朦朧体”
すなわち輪郭線をなくし、色の濃淡だけで表す画法を美人画に応用したものである。

師の清方が品格や詩情など”理想美”を追求したのに対し、

深水が追求したのは”リアリティ”である。

鋭い観察眼と卓越した写実表現で、なまめかしい官能性をも描き出さんと試行錯誤を繰り返す。

秋の宵、すだれの奥でまどろむ日本髪の女。
正面に尻を向けた大胆な構図で、浴衣から紅色の腰巻がほのかに透けて見える。

表情は分からないが、それがかえって想像力をかき立てる。

深水は戦後、全く新たな境地にたどり着く。

コスモスの花束を抱えるセーラー服姿の少女。

官能性は払拭され、遠くを見据える大きな瞳は希望に満ちている。
ぎゅっと結んだ口元に、現代女性らしい意思の強さが感じられる。

深水の言葉である。
「時代は目まぐるしく推移する。それに従って風俗も変わる。変遷する風俗を端的に表すのが女性だ。美人画も時代とともに変化すべきだ」

女性が自らの生き方を決めることが、ようやく認められるようになった時代。

服装や髪型など見た目の変化はもちろん。
はつらつと未来を切り開いていく生き様を描き残すことこそ、自分の使命と悟ったのであろう。

伊東深水の美人画

改めて依頼品を見てみよう。
伊東深水の美人画で題名は『春麗』。

日本髪の女性が川べりにしゃがんで、白詰草をつんでいる。

どこか物憂げな表情が実に色っぽいが…

果して鑑定やいかに?

名品 120万円!

本物!120万円!

深水の真作に間違いありません。画風とか署名から大正の14、15年、27~28歳の頃に描いた作品だと分かります」

「背景は水分を多く含んだ筆遣いで、題名の通り、春のうららかさがとてもうまく表現されている」

「一方で中央に描かれるその人物の着物。これは非常にメリハリのある線。それから黒・灰色といって寒色系の色を配置することによって、背景とすごくはっきりと差が出る」

「また先ほどおっしゃられた赤。これがすごく効果的な差し色になって、観る人の視線を自然とこの女性のところに引っ張っていく。深水の優れた色彩感覚をうかがうことが出来る、すごく品のいい作品だと思います」

今回の記事はここまでになります。

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