2022年4月10日にNHKで放送された「日曜美術館アートシーン」の展覧会紹介の内容をまとめました。
*画像出展元:テレビ番組「日曜美術館 アートシーン」より
『藝大コレクション展 2022 春の名品探訪 天平の誘惑』
@東京藝術大学大学美術館

著しい損傷を被りながらも、なお威厳に満ちた『月光菩薩坐像』。
写実的で引き締まった表情が特徴的な天平時代の仏像です。
明治の初めの廃仏毀釈により寺院の仏像の多くが破壊され、流出しました。

東京藝術大学の前身である東京美術学校は、教育資料や研究素材として日本各地の作品を集めました。

東京藝術大学大学美術館がコレクションする、天平美術にまつわる展覧会です。

五穀豊穣をもたらす天女、吉祥天(きちじょうてん)。
京都の浄瑠璃寺(じょうるりじ)にある木造彫刻の模刻です。

その周囲に展示されるのは『浄瑠璃寺吉祥天厨子絵』。
明治22年に東京美術学校が購入しました。

木の扉に描かれているのは端正な顔立ちで彩り鮮やかな帝釈天や、

四人の眷属(けんぞく)を従えた弁財天など仏教の守護神たち。

確かな線描と豊かな色彩に天平美術の影響が指摘されています。

近代日本画の傑作、狩野芳崖の《悲母観音》。

美しい線描とパステル画のような淡い色調。
その表情は天平時代の仏像の面影を宿すものといわれます。

上野の東京藝術大学大学美術館で5月8日まで。
今回の記事はここまでになります。

