【2021ゴッホ展①】ヘレーネ・クレラー=ミュラー【ぶら美】

ぶらぶら美術・博物館

2021年11月16日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#391 ゴッホが巨匠になるまでの全て!東京都美術館「ゴッホ展」〜世界最大のゴッホコレクター珠玉の名画が一堂に!傑作〈糸杉〉も!〜】の回をまとめました。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

スポンサーリンク

イントロダクション

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

今回は東京・上野の東京都美術館で2021年12月21日まで開催の『ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』についてまとめていきます。

ゴッホ展は過去に何度も開催されていますが、これまでと違うのは副題に”響き合う魂ヘレーネフィンセント”とあります。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

”フィンセント”はもちろんゴッホの事です。
”ヘレーネ”というのは、ヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869-1939)という名のオランダ人女性で、ゴッホ作品の世界最大の個人収集家といわれています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

彼女が建てた美術館がオランダにあるクレラー=ミュラー美術館です。
ここはファン・ゴッホ美術館に次ぐ、世界第二位のゴッホ作品のコレクション数を誇ります。

またゴッホの作品のみならず、新印象派のシニャックスーラ、抽象画のモンドリアンなどの巨匠たちの作品も収蔵しています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

ゴッホといえば、今はその名を知らない人はいないほど巨匠の扱いですが、生前はほとんど絵が売れず、評価が高まったのは亡くなった後のことです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

そんな評価の低かったゴッホ作品の価値を上げた一人といわれるのが、ヘレーネなのです。
当時、世界中のどの美術館でもゴッホの作品をまとまって見る事はできませんでした。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

ヘレーネは20世紀の初頭にゴッホ作品の収集を始め、美術館設立の目標を持って奔走しました。
そして1938年にオランダのオッテルローにクレラー=ミュラー美術館を開館するのです。

こうして本物のゴッホ作品を鑑賞できる場所ができたことで、人の目に触れ、評価がされるようになっていきました。
まさに現代の”ゴッホの評価を作った立役者の一人”なのです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

最もゴッホ作品を所蔵するファン・ゴッホ美術館よりも、かなり早い時期に開館している点も、ヘレーネの先見の明を物語っています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

展覧会会場では、ヘレーネが購入したゴッホ作品の一覧が表でまとめられています。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

作品を購入した年とその金額が表記されており、値段がどんどん上がっているのが分かります。
ヘレーネが数多くのゴッホ作品を購入したことが市場からの注目を浴び、結果として価値を上げる事になったのです。

《ヘレーネ・クレラー=ミュラーの肖像》

まずは、ヘレーネ・クレラー=ミュラーがどんな人だったのかを見ていきます。


《ヘレーネ・クレラー=ミュラーの肖像》1910年
フローリス・フェルステル
クレラー=ミュラー美術館

こちらはフローリス・フェルステル(1861-1927)というオランダ人画家が描いた、ヘレーネ41歳頃の肖像画です。

何だかちょっと怖そうというか、不機嫌そうというか…

ヘレーネ自身はこの厳しそうな自分の表情について、「自分の性格が適切には描かれていない」と不満を持っていたとか。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

ヘレーネは幼い頃から非常に勉強熱心で、あまりの熱心さに両親が心配するほどだったといいます。

また彼女の育った家庭は、父親が石炭と鉄鉱石を商って大成功を収めた事で、非常に裕福な家庭でした。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

ヘレーネは19歳と若くして結婚しています。
お相手は父親のビジネスパートナーの弟、アントン・クレラーという人物でした。

この夫であるアントンが非常に優秀な人物で、会社をどんどん拡大し、一時はヘレーネが「オランダで一番お金持ちの女性」と呼ばれるほどでした。

《H.P. ブレマーの肖像》


《H.P. ブレマーの肖像》1911年
フローリス・フェルステル
クレラー=ミュラー美術館蔵

そのヘレーネを美術の世界に誘ったのがこちらのH.P. ブレマーです。
こちらも同じフローリス・フェルステルの作品です。

モデルのH.P. ブレマーは、”美術界のローマ法王”と呼ばれるほどオランダの美術界で強い力を持っていました。

自らも絵を描く以外にも、美術評論家であり、美術教師であり、美術コレクターとしての顔も持っていました。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

そのブレマーヘレーネの娘の美術教師を務めるのです。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

娘のヘレーネ・ジュニアがイタリアに旅行する、その下準備としてブレマーから美術の講義を受けていましたが、母ヘレーネブレマーの話に興味を持ち、ブレマーの美術教室に通うようになります。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

そこがヘレーネと美術との出会いでした。
こうして37歳から美術収集を始めることになるのです。

そしてそのブレマー強く推していた画家こそ、ゴッホだったのです。
その後ブレマーヘレーネ美術収集のアドバイザー的役割を果たしていくのです。

今回の記事はここまでになります
続くパート2では、ゴッホの素描作品についてまとめていきます。
【ぶら美】2021年ゴッホ展②【美術番組まとめ】

コメント

  1. […] 今回の記事はパート2になります。 前回のパート1こちら☚からご覧いただけます。 […]

タイトルとURLをコピーしました