【アートステージ】ジョルジュ・ルオー①【美術番組まとめ】

アート・ステージ

2020年6月20日にTOKYO MXで放送された「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」の【ジョルジュ・ルオー 20世紀最大の宗教画家が描く「聖なる絵画」】の回をまとめました。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

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イントロダクション

画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より

ジョルジュ・ルオーの作品は、厚く塗り重ねた絵具力強い線激しい色彩がその特徴です。
彼の絵はどんな画派にも分類できない、独自の魅力を放っています。

画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より

ジョルジュ・ルオー(1871~1958)は20世紀フランスを代表する画家です。

画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より

敬虔なカトリックだったルオーは、生涯に渡ってキリストや聖書をテーマにした作品を描きました。

宗教画は西洋絵画の中で、最も重要なジャンルでした。
西洋美術史において、宗教画の傑作は時代や国を問いません。
ラファエロエル・グレコレンブラントなど数多くの画家がこの主題に取り組んでおり、「西洋絵画の歴史は宗教画の歴史」と言われるほどです。

画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より

しかしその宗教画の中でもルオーの作品は、他とはその性格が異なります。
教会からの求めに応じてこれらの作品は描かれましたが、ルオーにとって絵を描く事は、神への祈りと同じ事でした。

ルオー《キリスト》

画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より

こちらの作品は東京のパナソニック汐留美術館が所蔵する、ルオーの代表作です。

不穏な色の夜空を背に、じっと目を閉じうつむく男が描かれています。
この男性がタイトルにある”キリスト”です。

ユダの裏切りによって捕らえられたキリスト。
彼はその後ムチ打ちにされ、辱めを受けます。

頭上の朱色が、やがて十字架へと至るキリストの受難を象徴しています。
苦難の中で神に祈りを捧げるキリスト。その周りには黄色い後光がかすかに見えます。
わずかに置かれた明るい色彩、それが救済への希望を暗示するようです。

ルオーの深い祈りが込められた一枚です。

ルオーの生い立ち

ルオーの生きた20世紀は、宗教画やキリスト教信仰そのものが下火になっていたという背景があります。
そんな時代の中で、ルオーを宗教画に向かわせたもの。それは若き日の苦悩がきっかけでした。

画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より

ルオーは1871年、パリの家具職人の家に生まれました。
1885年、14歳の時に父親の勧めでステンドグラス職人のジョルジュ・イルユに弟子入りします

画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より

後年のルオー作品に見られる黒く太い輪郭線は、その時(ステンドグラス)の影響だと考えられています。

画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より

ルオーは職人修行の傍ら、絵の勉強を始めます。
やがて本格的に画家を目指して、19歳の時に国立高等美術学校、エコール・デ・ボザールに入学します。

そこで運命的な出会いがありました。

ギュスターヴ・モロー

エコール・デ・ボザールでは当初ジュール・エリー・ドローネーの指導を受けますが、1891年にドローネーが死去。
その後任としてやってきたのが、フランス象徴主義の巨匠、ギュスターヴ・モローでした。

モロー《出現》

モローの作品は、神話や聖書から題材とした幻想的な作風で知られています。
印象派と同じ頃に活躍しましたが、彼らからの影響は全くといって良い程受けませんでした。

独自の道を進んだモローでしたが、自分の生徒に自身の芸術観を押し付けるようなことはしませんでした。

そんなに尊敬しないで、ちょっとは愛してください」。
そう語るモローは学生からの人気が非常に高く、彼の意見を聞こうとする学生がひっきりなしにモローの元にやってきたといいます。

ルオーもまたモローをたいへん尊敬し、師も愛弟子の作品を「素朴だが宗教的だ」と高く評価しました。
2人の信頼関係は強い信頼関係で結ばれ、ルオーモロー美術館の初代館長も務めています。

そんなモローは1898年、病に倒れこの世を去ります。

心から尊敬する師を失ったルオーは、その悲しみから美術学校を退学し、やがて絵も描けなくなってしまいます。

画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より

そんな状況下、ルオーは修道院に通うようになります。
そこで神に「人生とは何か」「信仰とは何か」を問い続けました。

やがてルオーは芸術制作への意欲を取り戻します。
彼は生涯に渡って、キリストや聖書を主題にした作品を描きました。

ルオーにとって”絵を描く事”と”神への祈り”は、同じ意味を持つことだったのです。

今回の記事は一旦ここまでです。
パート2へと続きます。
【アートステージ】ジョルジュ・ルオー②【美術番組まとめ】
☝こちらからご覧いただけます。

コメント

  1. […] 今回の記事はパート2になります。 前回のパート1はこちら☚からご覧いただけます。 […]

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