さて今回は上野の東京国立博物館で1月19日㈰まで開催されている
「特別公開『高御座と御帳台』」
についてのレポートです。
おそらくは今回の改元のタイミングでしか見る事のできない、大変貴重な展覧会だと思います。
感想や、今回行われた宮中行事なども併せてまとめていこうと思います。
これから鑑賞される方のお役に立てれば幸いです。
「特別公開『高御座と御帳台』」
会場:東京国立博物館 本館特別4室・特別5室
鑑賞時間:約20分
料金:無料(但しその他の展示を観覧する場合は、入館料が必要です)
写真撮影:OK
(スタッフさんに確認し、SNSやブログ等に掲載する事も問題ないとのことです)
高御座と御帳台とは?
読み方は「たかみくら」と「みちょうだい」です。
ここで先ず「高御座」と「御帳台」についてまとめていきます。
「高御座」と「御帳台」は天皇の即位の儀式の際に用いられてきた調度品です。
高御座は天皇陛下が、御帳台は皇后陛下が、それぞれ御座として使用なされました。
「高御座」の方が「御帳台」に比べ、若干大きな造りになっています。
現在の「高御座」と「御帳台」は大正天皇の即位(1912年)に造られたものになります。
およそ100年前に造られたのですね。
令和の「即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)」は、10月22日に宮殿の正殿松の間にて行われました。
現代にまで伝わる即位の儀式が確立されたのは、平安時代初期まで遡ります。
儀式の行われる場所も変遷があり、大正・昭和の両度の即位の儀式は京都御所にて行われました。
次の平成の即位の儀式は、この度と同じく皇居・宮殿の正殿にて行われています。
「特別公開『高御座と御帳台』」の感想
私も会場内の様子は事前にSNSなどでチェックをしていましたが、実物はやはり迫力がありました。
一目見るやいなや、思わず「おぉ」と感嘆の声が出るほどです。
私が特に惹かれたのは幕の内側の朱色です。
これがなんとも綺麗な色合いでした。
裏の紫色もなんと鮮やかなこと。
今回の特別公開は、それぞれの御座から見て右側面以外は全ての方向(前後・左側)から鑑賞できるのも嬉しいです。
「高御座」も「御帳台」も上から見ると八角形の形をしています。
装飾も大変豪華で、「高御座」に施された金色の鳥は鳳凰で、頂上に大鳳(たいほう)が一羽、八角形の角の部分に小鳳が8羽で、合わせて9羽の鳳凰が見えます。
「御帳台」にも頂上部分に一羽の鳥が見えますが、こちらは鸞(らん)という鳳凰の亜種となる瑞鳥が見えます。
会場は第一会場と第二会場に分かれており、「高御座」と「御帳台」に展示されています。
第二会場では即位礼正殿の儀における服装や威儀物(いぎもの)が展示されています
鑑賞までの流れ
入館口
今回の特別展は通常、東京国立博物館の入り口とは別の専用の入り口から入場します。
その際下の写真のような「特別観覧パス」が係員の方から渡され、首から下げるように言われます。
「高御座と御帳台」見に来た人(=無料で入館した人)はこちらで識別されるようです。
従ってこのパスを首からさげた状態では、他の展示や建物内に入館することは基本的にできません。
その他の場所には係の方が入り口前に立っており、チケットの半券の提示を求められます。
他の展示もご覧になりたい場合は、チケット売り場でチケットを購入してください。
展示は本館会場(入口から見て真正面の建物)になります。
入場列は基本的に向かって右側にできている事が多いです。
(私は会期中に2回行きましたが、2回ともそうでした)
待ち時間の札を持った係員の方が立ってる付近が最後尾です。
こちらから並んでください。
(ちなみに私が行った13日(月・祝)は待ち時間が50分でした)
公開スペースの様子
展示室に入ると、「高御座」の正面から見ていく形になります。
そこから「御帳台」の正面⇒「御帳台」の側面⇒「御帳台」の背面⇒「高御座」の背面
という流れです。
外の列がかなり伸びているため、待ち時間も長く大変な混雑ではないかと思いますが、展示室内は正直そこまで混んでいないという印象でした。
(もちろん、曜日や時間帯によるかと思いますが)
と言いますのも、ほとんどのお客様が写真を撮るのを目的とされるようで、
割と写真を撮るとすぐ移動される方が多かったのです。
写真を撮るスペースを確保するのも難しくはなかったです。
私も写真は撮りましたが、むしろ肉眼にじっくり焼き付けたいタイプ(笑)なので、私みたいにじっくりと見るという人はあまりいない印象でした。
お邪魔にならないように隅っこからじっくり見てましたよ。
恐らく、あまりそういうお客様はいないのでしょう。
端で突っ立ってたら「パンフレット下さい」と係の人に間違えられてしまいました(笑)
無料でもらえる冊子について
今回の特別公開ですが、無料で鑑賞できるだけでもありがたいのですが、無料で冊子も頂く事ができます。
ページ数は約10ページで、「即位礼正殿の儀」の様子や、「高御座」と「御帳台」の詳細な説明など充実したした内容になっています。
資料として充実していますし、鑑賞の記念にもなるのでうれしいですね。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
先にも書きましたが、今回の令和の改元のタイミングでないとおそらく見る事のできない貴重な機会かと思います。
残り日数も少なく、待ち時間も長くなるかと思いますが是非この機会に見に行ってみて下さい(^^♪