2019年1月9日にTOKYO MXで放送された「フランス人がときめいた日本の美術館」の【ソフィー・リチャード出演スペシャル「旧朝倉邸」&「三菱一号館美術館」】の回をまとめました。
番組内容に沿って、+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
今回の記事では、東京・丸の内にある三菱一号館美術館についてまとめていきます。
三菱一号館美術館について
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
クラシックなレンガ造りが特徴的な三菱一号館美術館。
2010年に開館したこの美術館は、元々明治時代に建てられた『三菱一号館』という建物を復元したものなのです。
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
『三菱一号館』は1894年(明治27)年に、丸の内初のオフィスビルとして建造されました。
この『三菱一号館』を皮切りに、丸の内はオフィス街として発展していったのです。
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
設計を手掛けたのはイギリス人建築家のジョサイア・コンドル(1852-1920)です。
1877年に明治政府に招聘され来日し、鹿鳴館(1940年取り壊し)や重要文化財にも指定されているニコライ堂を手掛けました。
その功績から『日本近代建築の父』と呼ばれ、また片山東熊や辰野金吾といった日本の建築家も指導しました。
その後三菱一号館は1960年代後半に解体されましたが、2010年に残されていた図面などを参考に、忠実に復元され、『三菱一号館美術館』として生まれ変わりました。
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
展示室もかつての三菱一号館の間取りそのままに構成されています。
元々三菱一号館は日本初の賃貸オフィスビルとして、様々な会社が間借りしていました。現在展示室になっている空間は人々が働くオフィスだったのです。
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
一番広い展示室は、三菱一号館時代、三菱合資会社の執務室として使われていました。
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
そしてこちらが賃貸用のスペース。
賃貸部分と三菱合資会社のスペースとは、自由に行き来ができないようになっており、借りた会社ごとにそれぞれ入り口が設けられていました。
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
現在三菱一号館美術館にあるこちらのガラス張りの通路は、建物の全体で行き来ができるように新たに造られたもので、元々の三菱一号館にはありませんでした。
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
『フランス人がときめいた日本の美術館』の著者のソフィー・リチャードさんは三菱一号館美術館について次のように述べています。
「違う時代の建物を街の中に残す事は、素晴らしいアイデアです。
それは私たちに街の歴史を教え、街の景観に深みと多様性をもたらします」
フィリップス・コレクション展
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
2019年の放送時には、『フィリップス・コレクション展』が開催されていました。
フィリップス・コレクションは、アメリカで一番最初に”近代アート”、いわゆるモダン・アートを専門とする美術館として開館しました。
モダン・アートは主に19世紀後半から1945年頃までの作品を指します。
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
フィリップス・コレクションは1921年にワシントンで、『フィリップス・メモリアル・アート・ギャラリー』として開館しました。
鉄鋼会社を創業したジェームズ・ラフリンの孫、ダンカン・フィリップス(1886-1966)によって創設されました。
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
彼は美術に関して高い見識を持ち、また同時代の画家も積極的に支援しました。
通常、美術展というと、その画家ごとであったり、あるいは制作年代順に展示される事が多いですが、この『フィリップス・コレクション展』ではダンカン・フィリップスが作品をコレクションした順に展示するという、少し変わった展示方法が取られていました。
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
また、フィリップス・コレクション自体も三菱一号館と同じくレンガ造りで、部屋のサイズも両館はよく似ているといいます。
ダンカン・フィリップスは「足を運ぶお客様が、我が家のようにくつろげる環境を作りたい」と考えていたのです。
三菱一号館美術館とフィリップス・コレクションにはそんな共通点もあったのですね。
《ヴェトゥイユへの道》
クロード・モネ
フィリップス・コレクション蔵
展覧会の最初を飾るのは、フランス印象派の画家クロード・モネの《ヴェトゥイユへの道》です。
この作品はダンカン・フィリップスが絵画収集を始めた頃、1920年に購入されたものです。
そこからウジェーヌ・ドラクロワ、ギュスターヴ・クールベなど西洋絵画の巨匠たちの作品の展示が続きます。
画像出展元:テレビ番組「フランス人がときめいた日本の美術館」より
この最初の展示室の作品はすべてフランス人の画家の作品となっており、ソフィーさんは「故郷に帰ってきたようだ」と感激していました。
今回の記事はここまでになります。
続くパート2では、フィリップス・コレクション展の展示作品について詳しく見てまいります。
こちら☚からご覧いただけます。
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[…] 今回の記事はパート2になります。 前回のパート1はこちら☚からご覧ください。 […]