2020年5月9日にNHKにて放送された「地球ドラマチック」の【ルーブル美術館の舞台裏】の回をまとめました。
番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
ルーヴル美術館で働く人々に密着し、舞台裏に迫ったこの番組。
今回のパート1では、夜間警備スタッフと古代エジプト美術のスタッフ、そして運搬業務を担うスタッフの仕事を紹介していきます。
イントロダクション
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
フランス・パリにあるルーヴル美術館。
世界三大美術館にも数えられる美の殿堂です。
入館者数は年間でおよそ900万人。
多い時には一日で5万人の入場者が訪れます。
展示作品数は3万8000点にも及びます。
ここはかつては歴代フランス国王の宮殿でした。
美術館になったのは1793年の事です。
ルーヴル美術館では約2000人の人が様々な部門で働いています。
この番組では1年間に渡りルーヴル美術館の舞台裏に密着しました。
(2017年にフランスで放送)
夜間警備スタッフ アレックス氏の仕事
真夜中のルーヴル美術館では、巡回警備が行われています。
チェックするのは窓の施錠、天井からの水漏れ、入館者の忘れ物など多岐に渡ります。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
そんな中でも最大の注意を払うのは、世界で一番有名な絵画《モナ・リザ》のある部屋です。
警備員はこの時《モナ・リザ》を独占して見る事ができます。
なんとも贅沢な瞬間です。
もちろん警備が第一ですが、同時に絵の見事さも堪能できるといいます。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
夜間の警備を担当するアレックス。
彼の仕事は午後5時から始まります。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
アレックス氏は仕事を始める前に立ち寄る場所があります。
17世紀のオランダの画家、ピーテル・デ・ホーホの作品です。
アレックス氏はこの作品について「光の揺らぎ、透明感が素晴らしい」と述べています。
取材したこの日の閉館時間は午後6時。
アレックス氏はすべての入館者が退出するのを確認します。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
閉館後の午後11時から展示室の巡回が始まります。
展示室で確認するのは、館内の空調システムによって水漏れが起きていないかどうか。
もし水漏れが起きてしまったら、作品が損傷してしまうからです。
しかしアレックス氏のような入念な夜間警備のおかげで、ルーヴル美術館が開館してからの220年以上の間に大きな水漏れ事故が起きた事はないといいます。
古代エジプト美術部門のスタッフ
ルーヴル美術館休館日の火曜日。
その日はスタッフが様々なメンテナンスを行います。
古代エジプト美術も同様です。
世界有数と言われるルーブルのエジプトコレクション。
常設展示だけで7000点もあるのです。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
こちらは有名な《書記座像》です。
目の部分は水晶とマグネサイトで作られており、生命力を感じられます。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
学芸員のエレーヌ氏。
この展示室では古代の棺が独特のレイアウトで並べられています。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
古代エジプト美術の展示室では、間もなく3000年前の王女の棺が到着する予定になっていました。
棺は繊細で壊れやすいため、運搬には細心の注意を払わなければいけません。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
その王女の棺はこちらの棺の中に収められていました。
中には古代(紀元前8世紀)の王女がおり、二重の棺に入れられて埋葬されていたのです。
その内側の棺はルーブルから1キロほど離れたオペラ座(ガルニエ宮)の屋根裏に安置されていました。
棺の表面には鮮やかな装飾が施されています。
運搬業務スタッフ ウィリアムの仕事
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
棺の移動に備えてルーヴルの地下では、運搬用の箱が作られます。
担当するのは運搬業務スタッフのウィリアム。
ウィリアム氏の仕事はルーブルのあらゆる作品を梱包する事です。
あの《モナ・リザ》も梱包した事があるといいます。
運搬用の箱はすべてその作品に合わせた特注品で、運搬が終わると廃棄されます。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
運搬作業~ルーヴル美術館の展示室へ
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
王女の棺がオペラ座からルーヴル美術館に運ばれる日になりました。
朝の9時からルーヴルのスタッフによる棺の状態の点検が始まります。
3時間かけて入念な確認をし、損傷している箇所を見つけていきます。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
入念な準備をして運搬しているので、盗まれる危険はないといいます。
棺は誰の目にもつかぬよう、秘密のドアから外へと運ばれます。
その運搬ルートも極秘事項です。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
オペラ座から運ばれて15分後。
棺は無事にルーヴル美術館へと運ばれました。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
ルーヴル美術館に到着すると、棺の底からおがくずが出ているが分かりました。
虫によって作られた大きな穴がいくつもあったのです。
棺の内側も虫食い状態になっている可能性もありましたが、調査の結果、棺の木全体が今でもかなり堅いため、全体が虫食い状態という事ではありませんでした。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
棺の外側も鮮やかな色彩がよみがえりました。
そしていよいよ王女の棺が展示室に運ばれます。
展示はこの棺が収められていたもう一つの棺と一緒に見られるように展示されます。
展示を担当するエレーヌ氏は、入念に展示方法をチェックします。
展示のために微調整を重ねて、見る人の立場で小さな問題を解決していきます。
画像出展元:テレビ番組「地球ドラマチック」より
こうして古代の王女の棺が展示されました。
その視線の先には元々展示されていた外側の棺があり、2つの棺に関連性がある事が鑑賞者にもしっかりと伝わる展示になりました。
パート1の記事は一旦ここまでです。
パート2へと続きます。
こちら☚からご覧いただけます。
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