2020年4月5日にNHKで放送された「日曜美術館」の【見つけよう!あなただけのオルセー美術館】の回をまとめました。
今回の記事は後編になります。前編はこちら☚からご覧いただけます。
番組内容に沿って、+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
《春》ミレー
《春》1868-73年
ジャン=フランソワ・ミレー
オルセー美術館蔵
ミレーはフランス・バルビゾン派の画家です。
虹もあってすごく画面が明るい、綺麗な作品です。
なんだか、ミレーのイメージとはちょっと違う感じだなぁ。
ミレーは《落穂拾い》や《種をまく人》の代表作で知られています。
そのどちらにも共通しているのが「働く人・農民」です。
しかし、この《春》では農民が耕す地面や畑を主題にしています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
よ~く見ますと、画面の奥の木の下に人の姿が見えます。
雨宿りをしていたのでしょうか。
それとも胸に手をあてて何か祈っていたのでしょうか。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
画面手前から奥に伸びる道に、うっすら水色が茶色の中に見えます。
これは水たまりに映った空を表しているといいます。
激しく降った通り雨が去り、空に虹も出たこの情景。
画面の中には手前の空は描かれていませんが、この水たまりの反射で手前の空が晴れている事を表現しているのです。
ゲストで美術評論家の高階氏によると、ルーヴルの館長曰く「ミレーがヨーロッパやフランスでクローズアップされるようになったのは日本人のおかげだ」と。
日本人が《落穂拾い》をよく見たがるので、それがいわば逆輸入のような形で、向こうでも人気が出たのだといいます。
《床削り》カイユボット
《床削り》1875年
ギュスターヴ・カイユボット
オルセー美術館蔵
西洋では靴のまま家にあがります。
その汚れた床を鉋(かんな)で削って綺麗にする、これが『床削り』の仕事です。
削られた後の床は光沢があって、綺麗になっているのが分かります。
また削られた木(削りカス)の質感がたいへんリアルです。
光の透け具合を描き分ける事で、削られた木が厚いのか薄いのか、そこまで表現しているのです。
手前の机の上には、赤ワインの瓶が置かれています。
職人は上半身裸で作業していますが、肌寒いのでしょうか?
この作品の構図はなんとなくスナップ写真のような印象を受けます。
写真登場後というか、それ以前にはモチーフにはなり得ない題材です。
この時代に描くものが幅広くなったのが、この作品から分かります。
この《床削り》は1876年に開かれた『第2回印象派展』に出展されています。
《海藻と貝殻のある手》ガレ
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
この作品はオルセー美術館の大きな窓に面したスペースに展示されています。
エミール・ガレはアール・ヌーヴォーを代表するフランスのガラス工芸家です。
ガラスで製作されたこの作品は、一日の様々な光によってその表情を変えます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
こちらは夕暮れ時に撮られたものです。
日中とはまた違った魅力を醸し出しています。
この作品が置かれた場所からは、眼下にセーヌ川を望むことができます。
この手はまるで、そこを行きかう船や人々に手を振っているかのようです。
《星降る夜》ゴッホ
《星降る夜(Starry Night Over the Rhône)》1888年
フィンセント・ファン・ゴッホ
オルセー美術館蔵
この作品は僕は今回初めて知りました。
ゴッホの作品の中でもかなり好きですね!
輝きの表現が見事です。
この作品を8K映像で撮影すると、質感や凸凹した筆跡まではっきりと分かったといいます。
空の青色の一筆一筆がまさにゴッホが描いた、そのスピードまでも感じられるようだといいます。
まるで絵具がキャンバスに置いてあるような印象を受けます。
この部分はカゴの網目のように見えるくらいです。
すごく立体的な印象を受ける作品です。
美術評論家の高階氏によると、「ゴッホの筆の運びは非常に速いと思われるが、全体から見るとかなり時間を掛けている、かなり丁寧に描いている」と言います。
画面手前には道行く二人の男女が描かれています。
女性の方は顔が描かれていますが、男性の方にはありません。
ゴッホの作品には二人連れの人物が頻繁に登場します。
一人ではいられないゴッホの人間性がここに反映されているのです。
《糸杉と星の見える道》1890年
フィンセント・ファン・ゴッホ
オランダ、クレラー=ミュラー美術館蔵
あの”糸杉”を題材に描いた作品でも、やはり人物は二人です。
《ベッドにて》ヴュイヤール
《ベッドにて(寝台で)》1891年
エドゥアール・ヴュイヤール
オルセー美術館蔵
塗り絵のようにぺたんとした平面的な作品です。
すごく静かなタッチで、塗りが重ねられているような印象を受けます。
気持ちよさそうに眠る女性の姿。
寝癖なのか、はねている髪も可愛らしいです。
平面的な画面ですが、枕や寝具のふわっとした感じが伝わってくる作品です。
女性の閉じたまぶたも、一種アニメ的な三日月のような線で表現されているのも、現代的な表現を先取りしているように感じられます。
《リンゴとオレンジ》セザンヌ
《リンゴとオレンジ》1899年
ポール・セザンヌ
オルセー美術館蔵
『近代絵画の父』と称されるポール・セザンヌの代表作です。
教科書などで見た事ある方も多いのではないでしょうか。
目に映るものを単純な形にして、キャンバスの上に並べています。
リンゴやオレンジは真ん丸で描かれています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
果物や器が置かれたテーブルクロスはパッと見だと、白色です。
しかしこのように至近距離から見てみると、様々な色によって表現されているのが分かります。
《アレアレア》ゴーギャン
《アレアレア》1892年
ポール・ゴーギャン
オルセー美術館蔵
ゴーギャンならではの鮮やかな色彩が印象的な作品です。
この作品はゴーギャンが南仏アルルでのゴッホとの共同生活を解消した後、向かった南国タヒチで描かれた作品です。
タイトルの『アレアレア』とは、ポリネシア語で”楽しい事”や”喜び”といった意味です。
描かれている女性もどこか伸びやかで、そこには都会の喧騒だったり自己顕示欲のようなものはなく自然体で描かれています。
これまで見てきた点描や印象派的ではない、平面的なカラーの構成です。
赤い土の上に、紫色が置かれていたりと斬新な色遣いが特徴的です。
実際に土が赤かったというよりは、ちらっと赤かったのを強調して描いているのだと考えられます。
手前の犬も赤っぽく描かれているのも面白いですね。
今回はここまでになります。
最後までご覧頂きありがとうございました。