2021年11月7日にNHKで放送された「日曜美術館」の【よみがえる 天平の息づかい〜第73回 正倉院展〜】の回をまとめました。
今回の記事はパート3になります。
前回のパート2はこちら☚からご覧ください。
番組内容に沿って、+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪
《曝布彩絵半臂 残欠 第9号》南倉134
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
奈良時代。
東大寺では仏教を広めるために、華やかな音楽や踊りを取り入れた様々な法要が行われていました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
色鮮やかな空間を作りだし、民衆を仏の世界に導こうとしたのです。
画像出展元:「宮内庁ホームページ」より
第73回正倉院展に出陳されている《曝布彩絵半臂(ばくふさいえのはんぴ)》は、舞や音楽を仏に奉納する楽団員の衣装だと考えられています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
麻でできた着物に、錦や綾(あや)、羅(ら)など絹で織られたさまざまなキレが縫い付けられています。
当時の彩色は残っていませんが、かつては赤・青・緑・黄・金色に彩られた明るい色の装束であったと考えられます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
背中の模様を再現したのがこちらになります。
花を口にくわえた獅子が踊っているような、構えているような姿が描かれています。
このようなド派手な装束に身を包んだ楽団員が、異国の音楽に合わせて踊って仏の世界を表したのです。
《白瑠璃高坏》中倉76
画像出展元:「宮内庁ホームページ」より
こちらの《白瑠璃高坏(はくるりのたかつき)》は、752年の大仏開眼の際に正面に供えられました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
皿の部分と脚部にあたる部分は元々は別々に作られ、途中で融着して成形したもので、どちらもアルカリ石灰ガラスでできています。
イラクやシリアの中東で作られたのち、シルクロードを通じて日本に伝わったと考えられています。
《漆金薄絵盤 乙》南倉37
画像出展元:「宮内庁ホームページ」より
こちらは今回の正倉院展の目玉の宝物の一つ、《漆金薄絵盤 乙(うるしきんぱくえのばん)》です。
形は蓮の花をかたどったもので、香を焚くための台座になります。
現代の私たちが見ても、非常に鮮やかな印象のこちらの宝物。
当時の人にとっては、かなりの衝撃だったことでしょう。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
極彩色の花びら32枚が立体的に組み上げられています。
花びらには鳳凰の姿が。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
上半身が人間で下半身が鳥の迦陵頻迦(かりょうびんが)という想像上の生き物も描かれています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
こちらは上から見た状態。黒い台座が香を乗せる部分です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
台座を取り外すと、中心に銅板があり、そこから伸びる柄に花びらがついているのが分かります。
これにより僅かな振動で花びらが揺れるようになっているのです。
更に最新の研究では、花びらの色にも仕掛けが隠されていると考えられています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
それは花びらの内側にある白い部分です。
この白は実は下地で、その下地が形として表れているのです。
復元をして初めて、その色の効果が分かったといいます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
「香炉を焚く台が花の中央に置かれるので、そこからかぐわしい香りが四方八方に散っていくのですが、ぐーっと光が内包していく。
そして香がたかれるたびに、香りが外に向かっていく。その様子を端的に表しているんじゃないかと思います」(一世保存修復研究所、入江啓氏)
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
色鮮やかに咲き誇る蓮の花。
その幻想的な姿は多くの人を魅了し、仏の世界へと誘ったのかもしれません。
今回の記事はここまでになります。
コメント
[…] 今回の記事はここまでになります。 パート3へと続きます。 【日曜美術館】第73回正倉院展③【美術番組まとめ】 […]